1話
「メイ、右のゴブリンメイジから頼む」
「任せてタクト」
今日から職業:弓術士になったメイにゴブリンメイジの殲滅を指示する。
「3、2、1 今!」
つがえていた矢が弓から離れ、射られた事を確認した直後、
職業:戦士になった俺が前衛として前に出る。
「ナイスタイミング!」
一組三体のゴブリンの後衛が居なくなった事を確認し、
残ったゴブリンとゴブリンソードへ向かって走り出す。
袈裟斬りで一番弱いゴブリンを先に倒し、
驚きながらも飛びかかってきたゴブリンソードの剣をいなす。
「タクト!しゃがんで!」
後ろからメイの声が聞こえ、指示通りにしゃがむ。
前方から鈍い音が聞こえ、ゴブリンソードを見ると脳天に矢が刺さっていた。
「メイ!ナイス指示!他に魔物がいないか周りを確認しよう」
「はーい」
1〜2分程で周囲確認が終わり、ゴブリン達の戦利品を確認する。
この世界ではダンジョン以外であれば、魔物の死体は残ったままになる。
その為狩った魔物の死体は、そのままにしておくと周囲の魔物が獲物目掛けて近寄ってくる事がある。
そうなる前に素早い解体が必要だ。
一番解体が早く終わる職業は弓術士と盗賊の職業である。
メイは弓術士になったばかりだがスキル「解体」を持っている。
俺の場合は三日前に取った職業:盗賊がある為、
同じくレベルは低いがスキル「解体」を持っているので手伝える。
「ゴブリンの右耳が3つにゴブリンの杖が1つ、ゴブリンの剣が1つに魔石が3つ。
パーティ組んだ最初の戦闘にしちゃ、いい戦績なんじゃないか?」
「そうだね!最初は緊張してたけどうまくいって良かった!
ねぇねぇタクト、レベルは上がったかな?」
「そうだな確認しておこう。手を貸して」
「右手でいいのかな?はいどうぞ」
「どっちでも大丈夫だ。スキル「生命線」「知能線」」
目の前に浮かんできたのはメイのステータス。
本来であればスキル「鑑定」であれば手を見ながら行わず、対象が視界に入っているだけで可能だし、
鑑定にはない項目も見れたり、変えれたりする。俺の場合はかなり特殊だ。
こんなスキルは誰も持っていないだろうからな。ついでに俺のも確認しておこう。
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【基本情報】
名前:メイ 年齢:15歳
レベル:5 職業:弓術士
HP:100 MP:150
状態:正常 SP:20
【スキル】
「弓術:10」「察知上昇:10」
「解体:10」「森の狩人:ー」
「鑑定:8」「商機察知:9」
「収納:6」「市人の恒産:ー」
【適性職業】
戦:F 弓:S
盾:F 付:S
魔:F 錬:S
回:F 商:S
召:F 盗:S
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【基本情報】
名前:タクト 年齢:15歳
レベル:20 職業:盗賊
HP:1000 MP:5000
状態:正常 SP:500
【固有スキル】
「手相:ー」
【スキル】
「剣術:10」「体力上昇:10」
「耐性:10」「剣聖の心得:ー」
「盾術:10」「強靭上昇:10」
「挑発:10」「巨人の肉体:ー」
「魔術:10」「魔力上昇:10」
「知力上昇:10」「魔女の叡智:ー」
「回復術:10」「体力回復:10」
「魔力回復:10」「聖典の華墨:ー」
「召喚術:10」「使役上昇:10」
「念話:10」「魔獣の朋友:ー」
「弓術:1」「察知上昇:1」
「解体:1」
「付与術:1」「付与上昇:1」
「鉱石判別:1」
「錬金術:1」「錬金上昇:1」
「薬草判別:1」
「鑑定:1」「商機察知:1」
「収納:1」
「短剣術:1」「隠密上昇:1」
「敏捷上昇:1」
【適性職業】
戦:S 弓:F
盾:S 付:F
魔:S 錬:F
回:S 商:F
召:S 盗:F
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メイは元々幼少の頃の鑑定の儀式で職業:商人を授かっており、
小さい時から実家の宿屋を手伝っていたのでレベルが上がりスキルレベルを少しずつ上げていた。
今日からは俺のスキルで職業:弓術士へ転職し、二人で強くなって将来はゆったりゴロゴロ出来るくらいお金を稼ごうと計画を建てていた。
なんでそんな計画を建てる事になったかというと。