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【完結】エドラックは通りかかった「だけ」なのに!?【350万PV感謝!】  作者: ひろしたよだか


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42/201

42)アメリア、バレる。

クロト達が帰還した夕方。


仮眠を取るクロトを尻目に、ファウザの調査団は早めの夕食をとるための準備を進める。


明日早朝の調査に向けて英気を養うためだ。


ちょうど夕食の頃合いに、クロトが目覚める。


「おはようございます。復調されましたか?」


「よく寝た。逆に夜眠れないかもしれないな」

ふわぁと、起き抜けのクロトが大きく伸びてあくび。


「もうすぐ夕食ができるそうです。それまでお茶でも」アメリアがテーブルへと手招きをする。


「アメリアとシーラだけか? 俺待ちだったのか? ほっといても良かったのに」


「できれば私たちも、夕食の準備の手伝いなどしたかったのですが、、、」


「まぁ、これではな、、、」


すると、アメリアが困った顔でシーラを見る。


「?」何やら状況がつかめんな。俺が寝ている間に何かあったか?


そうこうしているうちにパールが天幕に来て夕飯ができたと告げる。


「ああ、クロトも起きていたか。落ち着いて礼も言えなかったからな。改めて遺跡ではありがとう。君のおかげで無事に脱出できた」


「なに、俺一人じゃあ灯りも満足につけられなかったからお互い様だろ」


などと話しながら4人で天幕を出る。と、周辺の兵士明らかにざわついた。小さく聞こえる声。


「おい、やっぱりあの方が奇跡の姫か、、、」

「あれがオベリアの砦を救ったアメリア姫か、、、」

「なんでも、パール様の足の怪我も一瞬で治したとか」

「なんだそれ、聖女かよ。踏んでください」


めっちゃアメリアに集中している。当人を見ると顔を両手で覆って頭を振っていた。


「こうなると思ったので偽名を使ったのに、、、」いまにも崩れ落ちそうだ。


「あれ、本名言ったのまずかったか?」


「クロトさんは悪くないのです。本来はアーヴァントさんの手伝いに行く前に打ち合わせしておくべきでした。まさかこのような展開になるとは思ってなかったので、適当なところでこっそり伝えておこうと考えていたのですが、、、」


シーラはクロトが寝ているときに、アメリアにしては珍しく手回しがなかった理由を聞いていた。


遺跡への興味と可愛い偽名を考えていたら後手を踏んだ、などとは本人の名誉のためにも言えない。なので黙って聞いている。


「しかし、アメリア姫の隣にいる騎士様はともかく、あの男はなんだ?」


「見た所、高貴そうな感じはないから、貴族や騎士ではなさそうだが」


「荷物持ちか何かじゃないか?」


おお、俺への謎の暴言が飛び交っているな。おいそこの集団、あっちで大人の話し合いをしようか?


ざわつきが収まらぬ兵達にパールが言う。


「アメリア様はお忍びの遊学中である。たまたまこの地に立ち寄られたが、この後我が国の首都に向かう予定だ。ファウザの兵として恥ずかしくない対応を見せよ。また、両脇に控えるシーラ、クロトの両名はアメリア様のご友人である。当然のことながら発言には気をつけよ」


兵達が緊張感とともに口をつぐむ。


だが、アメリアがおずおずと兵達に話しかける。


「あの、私たちは偶然この場に居合わせただけですので、あまり気にせずに皆様の任務を遂行してください。むしろ邪魔をしてしまってすみません。なるべくお手伝いできることはお手伝いしますので、何かあればパールさんかアーヴァントさんへ伝えていただければ」


再び兵達がざわめく


「やはり聖女じゃ、、、」

「有難や、有難や」

「パール様に頼み込んだら、一回踏みつけてもらえるようお願いしてもらえないかな?」


さっきからチョイチョイ欲望がにじみ出てるやつがいるな。

パール、最後のあいつ縛ってゴーレムの部屋に置きに行こうぜ。


夕食は肉たっぷりのシチューだった。


調査任務にあたり過不足なく調査活動を送れるようにするため、首都から定期物資が届くとのこと。


逆に現場からは発掘されたものが随時首都に運ばれるそうだ。じゃあ、狩しなくても良かったんじゃないのか? 


パールに伝えると「暇つぶしだ」と笑っていたが、暇つぶしでえらい目にあったぞ、おい。


「ところで、腕輪の調子はどうなんだ? 寝てる間に爆発したりしなかったのか」


「爆発って、クロトさんじゃあるまいし。クロトさんの寝ている間に色々試したのですが、やはりヒールの法術に反応するみたいです。ヒールだけ法術の効果が格段に上がっている感じで。シールドのような防御法術では反応ありませんね。また、ヒールを使える術師さんを呼んで逆に私にヒールをかけてもらいましたが、腕輪がその術師さんに移るようなこともなかったです」


へー。まぁ爆発したりするのでなければ、いいか。


要は俺の使うブーストみたいなものだろ。便利じゃん。


「そうですね。でも、例えば腕輪のままヒールを使うと体力の消耗が激しいとか、そういうデメリットがあるかもしれないので」


「疲れやすくなってるのか?」


「いえ、別に平気ですね。なので様子見です」


「そう言えば」とパールが会話に割って入ってくる。


「爆発で思い出した。ゴーレムの部屋で見た、クロトのあの炎、なんだったんだ?」


そこで、オベリアの砦で起きた爆発事故? についてアメリア達が説明。


全く法術のコントロールができていないので、ファウザでコントロールを学ぶためと入国の意図を伝える。


「それでは、、、ゴーレムの部屋での炎は完全に偶然か」


「いえ、一応手甲が触媒になって、ある程度クロトさんの意思で発動するみたいなので、全くの偶然とは言えませんが、下手したらまた爆発してましたね」


おおう、パールの視線が痛い。いいじゃない。無事だったんだから。


「確かに、法術を学ぶなら我が国が一番適しているが、、クロト殿、ちゃんと教わるまでその力は使わないことをオススメするよ」


「分かってる。というか、使おうとして使っているわけじゃないからな」


「もっとダメではないか」嘆息するパールだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


日中しっかり寝たので眠れないかと思ったが、夕食後に酒を飲んだからかぐっすり就寝。


翌日は予定通り探索を兵達に任せ、待機である。


パールが暇だと言っていたが、お前はそこでおとなしくしていろ。いいな。


結局、暇を持て余したパールがウロウロし始めたので、訓練を兼ねてシーラとともに簡単に手合わせ。アメリアが観客。


遺跡で槍使いと言っていたパール、確かにちゃんとした槍を持たせると動きが違う。


パールは突きではなく、流れるような槍使いが持ち味らしく、切っ先が糸を引くように弧を描き、クロトに攻めかかった。


こちらは素手が基本なのでなかなか間合いの詰め方に手間取る。


それでもどうにか攻撃を凌ぎ、パールの腹あたりに蹴りを一閃。もちろん寸止め。


「思った以上にやるな」感心するパールに


「相手が一人ではクロトの練習にならないだろ」とシーラが参戦してきた


で、今度は二対一での模擬戦。


ガッチガチに防御壁を張るシーラと、その間隙を縫って攻めかかるパール。二人掛かりはずるいぞ!


とはいえお互い本気ではないので、なかなか決着がつかず。


飽きもせずわちゃわちゃやっていると、遺跡に入った兵の先行隊が戻ってきた。


兵達はアーヴァントに状況を報告。拾ってきたものを整頓し並べていく。


歩いているときは何もないと思ったが、照明器具一つ、なんなら石ころ一つでも貴重な古代遺産かもしれないので、慎重に回収するとのこと。


ある程度情報がまとまってきたところで、アーヴァントが「一旦状況を整理する」とパールに近寄ってきた。


ぞろぞろと天幕に戻る面々。


「さて、結論から言うが、とりあえずアメリア姫は首都ガノーへ向かっていただく」


アーヴァント、君、説明が足りないってよく言われない?


ここまで読んでいただいた皆様、ありがとうございます。

現在のところ、70話までは執筆済みとなっておりますので、何事もなければこの先1ヶ月以上は毎日更新でいけると思います。

引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
[一言] >パール、最後のあいつ縛ってゴーレムの部屋に置きに行こうぜ。 >夕食は肉たっぷりのシチューだった。 (意味深)。
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