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【完結】エドラックは通りかかった「だけ」なのに!?【300万PV感謝!】  作者: ひろしたよだか


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33/201

33)クロト達は、今後のルートを相談する

一人懊悩するアメリアはともかく、アーミーアントを駆除した翌日はそれぞれ回復に専念することとなった。


ずっと前線で戦い続けたクロトはもちろんのこと、断続的に防御壁を展開させ続けたシーラも疲労困憊で、夕方までひたすらに寝て、体力の回復を図っていた。


そうして夜、夕食の場に集まった三人。


食後のお茶をすすりながら、シーラが「キロルへは明日には出発するか?」と聞いたところ、クロトとアメリアが同時に口を開く。


「南に行ってみたいと思うんだが」

「南のファウザ国に行ってみませんか?」


2人で顔を見合す。「理由を聞いても?」シーラが続きを促した。

アメリアがクロトに続きを譲る。


「アーミーアントの発生源を見てみたい。幸いと言うか、蟻どもが歩いて来たところはずっと跡になって続いているからな。進んでいけば発生源に着くんじゃないかと思う」


と、今度はクロトがアメリアに目で促す。


「私はアーミーアントも気になりますが、昨日の爆発の件で」

「あっ、あれ何かわかったのか? 昨日からパオロがうるさいんだよ」


実は昨日、ガーヴォとアメリアの勝利宣言の後、シーラを含め実際に見ていなかった人たちに、あの爆発の原因を説明していた。


主にパオロが。


簡単に言うと「クロトさんが危ない爆破物を持ち込んでいた」という説明であったが、言及されたところでクロトとしても理由がわからず首をひねるばかりだった。


「はい。そのことなのです。あくまで聞いた限りでの予測ですが」


「私も気になるな。パオロが「一歩間違えたら目の前で爆発していた」と大騒ぎしていたからな」シーラがテーブルを乗り出してくる。パオロめ。


「いろいろな偶然が重なったものだとは思いますが、まず、今回の件ではっきりしたのは、クロトさんは火属性に飛び抜けた才能があるということです。そして、説明しなかった私も悪いのですが、クロトさんが集めたマナは、シーラに渡しても使えません」


なんで?


「マナも集めた者の適性に影響を受けますので、クロトさんが集めたマナは、火属性に向いたものが集まっていたのです。なので、シーラが受け取っても、どうにもなりませんでした」


ほう。それで?


「で、集めたマナですが、クロトさんに先日お教えしたのは法術の基礎の基礎ですから、触媒、この場合は玉ですが、ここからマナを取り出して使うということはお教えしていません」


うん、聞いてない。


「しかし、溜まったマナは暴発した。なぜか。聞けば暴発の直前、手甲が光ったそうですね?」


光ったよ。


「おそらくですが、その手甲、蒼月の手甲でしたっけ? は、“武術具”ではないかと思うのです」


武術具?


「文字通り、法術と武器を効率的に使いこなすために作られた道具で、宝具の一種です。以前、他国の騎士で武術具の剣を持っているのを見たことがあります。ただ、王族の私でも実際に見たのは、その時だけ。数がとても少ないものなので確信は持てませんが、謎のレアメタルで作られていることや、宝物庫にあったことを考えると、これは武術具ではなかろうかと」


だんだんほんとに貰って良いものか心配になってきたな。この手甲。


「かつての騎士に聞いた話によれば、武術具は身につけている者の意思により、法術発動の手助けをしてくれるとか」


え? 勝手に光ったよ?


「そこなのですが、失礼ながらクロトさんが蒼月の手甲の使いこなせていないのではと思います。で、勝手に法術発動の手助けをしてしまったのかと」


つまり?


「分かり易く例えるなら、前日からコツコツとギュウギュウに火薬を詰め込んだ器に、図らずも火種を近づけたといったところでしょうか」


「なるほど、話としては筋が通っていそうだが、よくその場で爆発しなかったな?」シーラが呆れながら言う。


「そこが火薬と違うところで、玉はあくまでマナの塊、うまくコントロールできていなかったこともあって、微妙な時間差ができたんだと思うわ」


クロトはゴクリと唾を飲みこみ


「ってことは、、、即爆発しなかったのは、たまたま、か?」


「はい、その可能性が高いですね。私の想像が正しければですが。当たっていれば幸運だったとしか言いようがありません」


パオロくん、ごめん。散々俺を危険物呼ばわりした君が正しかったわ。


「ところで、爆発と南に行くことになんの関係があるんだ?」


「南の国、ファウザは法術の研究が盛んな国です。強力な騎士団で広く知られるロッセンと並び、魔族領ハナムと隣接していることもあって“連合王国の剣と杖”なんて呼ばれています、、、」


「ああ、そういうことか」言いにくそうにしているアメリアに代わってシーラが続ける。


「つまりな、クロト。中途半端に法術を覚えてしまった結果、今や天然火薬庫と言って過言ではないお前がそのまま魔族領に入って、何かの拍子に昨日のような爆発が起こったら非常にまずいということだ」


「シーラの言う通りです。わざとではなかったとしても、状況次第ではロッセン王国からきた旅人のテロ事件です。最悪、再び戦争状態に突入ですよ」


2人に脅されると急に怖くなってきた。え、どうすれば良いの?


「そこでファウザです。幸い有能な法術師に手ほどきを受けさせてもらえるツテもあります。ついでに蒼月の手甲のことも調べてもらって、ある程度法術のコントロールができるようになってからでも、キロル鉱山やハナムへ行ってもは遅くはないかと」


よし、ファウザに行こう。すぐに行こう!


というわけで俺たちは、明日には南へ出発しようということになった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「旅立ったか?」


「はい。良かったんですか? 見送らなくて」


オベリアをクロト達が出発した際、見送ったのはパオロだけだった。


「ワシがいては目立ちすぎるからな」ガーヴォは言う。


アーミーアントの一件で、オベリアにアメリア姫がいることは広く知られてしまっている。


姫を送り出すには、3人のパーティではささやかに過ぎた。


そこでアメリア姫は昨晩のうちにお忍びでオベリアを発ったということにし、本人達はそっと裏口から砦を出たのだった。


ちなみにムジュア達には会って別れの挨拶とはいかなかったので、パオロに手紙を託してある。


「なんというか、怒涛の数日間っしたね」


「ふむ。しかし姫やあやつらがおって助かったわ。ワシの運もまだまだ捨てたものではないのう」


「危うくクロトさんの爆発で粉微塵になるところでしたよ」とパオロが混ぜ返す。


アメリアは出発の前にクロトの爆発の件に関する考察を説明しており、2人から一応の理解を得ていた。


「しかし、あんな爆発、かつての戦場でもそう見たことがなかったわい」


「へぇ、ガーヴォ将軍でも、ですか」


ガーヴォは目を細め、記憶の糸をたぐる。


「数える程じゃ。例えばそうじゃな、、、むかーし戦場をおかしな火力で暴れまわっていた術師、“爆炎の魔女カレラ”を思い出したわ」


ロッセン王国編もう一話あった。エピローグ

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― 新着の感想 ―
[一言] 爆炎の魔女カレラ!!きました。お祖母様 さすがですw
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