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【完結】エドラックは通りかかった「だけ」なのに!?【350万PV感謝!】  作者: ひろしたよだか


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27)法術の素養

ガーヴォとの一戦の後、クロトは他の騎士とも軽く一戦交えたりした。もちろん全部勝った。


結局パオロくんとも一戦したので、パオロくんはガーヴォにしごかれ損である。


午後は「シーラが鈍っていないかじっくり見てやる!」と、パオロくんと共に連れていかれたので、クロトはアメリアに法術の講義をお願いした。アメリアやシーラ、他人が使っているのを見ると、試してみたくなるよね。


「クロトさんと2人で講義。。。いいですね」


妙にご機嫌で請け負ってくれるアメリア。なんだか分からんが助かる。


「確か、クロトさんはお父様から『法術の素養はある』と聞いていたという話でしたよね?」


「そうだ。父さんもカレラばあちゃん、、、父方のばあちゃんだな、から聞いただけらしいけど」


「お祖母様は法術の素養の見分けができる方だったのですね」


「さあ? あんまり昔のこと話してくれるタイプじゃなかったから、知らない。誰でも見分けがつくわけじゃないのか?」


「そうですね、基本的にはある程度の知識や道具が必要かと。ただ、クロトさんはブースト使ってますよね? 昔からですか?」


「ああ、こっちは獣人のウィレットばあちゃん、母方のばあちゃんな。から教わったんだ」


「でしたら、見分けるだけの知識がなくても、素養があるかどうかだけの判断ならできなくもないですが」


アメリア曰く、身体能力を上げるブーストは、才能的に法術と非常に似通った部分で発動させているとのこと。


それぞれの種族で、発動の方向性に得意不得意があり、その才能で発動するのが


獣人=身体能力を上げるブースト技

人間=外部的要因を絡めて発動する各種の法術

魔族=内部的に練り上げた魔法


となるのが一般的らしい。


「ちょっと分かりにくいのが、人間と魔族の法術と魔術の違いですが、法術は道具で集めた大気中の「マナ」と呼ばれる力を借りて発動します。そのため、マナの多寡や道具の質に左右される反面、素養があれば、個人の能力差というのはブーストや魔術より比較的小さいです」


ほうほう。


「対して魔術は魔族が元から持っている、己の魔力を高めて放出します。そのため個人の差が大きいという難点はありますが、マナや道具などの環境に左右されず、本人さえ元気なら常にベストな力を発揮できます」


魔術は個体差がでかいのね。


「はい、なので魔族は魔術が得意な種と、全く使えない種に極端に分かれますね。ただし、何事にも例外というか、規格外な人というのがいるもので、人でありながら条件を問わずおかしな出力の魔法を使ったり、魔族でありながら身体強化も使いこなしたり、獣人でありながらマナの力を借りる種族なんてのも記録に残っていますので、あくまで基本的な考え方ですね」


了解。


「ちなみに魔術やブーストはわかりませんが、法術はその人の性格というか、資質で得意な属性が異なります。例えば私でいえば、一番得意なのは回復属性のヒーリング。次に同系統の防御属性、シールドなどは平均からみればちょっとしたものです。自分で言うのもなんですが、比較的法術の才能がある方なので、攻撃系の法術も使おうと思えば使えますが、クロトさんクラスの戦闘ではなんの役にも立たない程度です」


アメリアが攻撃法術も使えるの意外。


「シーラは防御タイプ完全特化型ですね。シールドを張らせたらこの国でも三指に入ると思いますが、他の法術は全くのようです」


なんとかの壁の異名を持つもんな。


「それで、話は戻りますがクロトさんはブーストを使える以上、法術や魔術を使える可能性は十分にあると思います。もっとも、ブースト特化型で法術や魔術はからっきしという場合もありますが。魔術はわかりませんが、とりあえず法術の適性を見てみましょう」


ガーヴォの副官の人に許可をもらって、法術の適性をみる道具を借りてきて、シーラやパオロら20名ほどの騎士がヒーヒー言ってる稽古場の片隅にスペースを確保する。


すると、パオロが目ざとく見つけてガーヴォにご注進。どうも「あっちでまたクロトさんが面白そうなこと始めてますぜ、ゲヘヘ」みたいなことを言ったようで、稽古は一旦休憩。みんなでいそいそと見にくる。パオロめ。


「クロトさん、これを」


アメリアから手渡されたのは、先端に丸くて白い玉のついた杖。同じものをアメリアも持っている。


「まずはこの杖で、ざっくりと得意な属性の方向性を見ましょう。こう、感覚的に指先から杖に意識を集中します」


すると、アメリアの杖の先の玉が、白いまま強めに光る。


「えっと、他に比較があったほうがいいですね、シーラは同じ系統の属性なので、騎士団の方で回復、防御属性以外の法術適性がある方いますか?」


と、見学という名のサボりを決め込んでいる騎士の中から、パオロが元気よく手を挙げ、杖を握る。すると今度は黄色く光った。


「あら、雷属性ですか? 珍しい」


雷属性は条件が整えば強力な攻撃魔法が使えるが、大技は条件が厳しく、また適性者も少ないらしい。


ふふん、どっすか。と杖を返すパオロ。なんかちょっとイラっとしたので、あとでもう一回稽古してやろう。さっきより強めに行くぞ?


「こんな感じで属性に寄った色が出ますので、試してみてください」


言われるままに、指先に神経を集中する。あれ、光らない? というか、、、


「え? 黒?」


アメリアが首をかしげる。念のためアメリアが持っていた杖でも試してみるが、やっぱり黒。


「うーん、黒って属性、なんでしょう? 書物で確認してみないと分かりませんね。それじゃあ。別の方法で試してみましょうか」


と、今度は水を張った器や、火のついたローソク、わざと傷をつけたなま肉、何かの砂、蓋をした空のビンが用意された。


「これらに杖を近づけてみて、何かしらの反応があったら、その属性には多少なりとも適性ありですね」


それぞれに杖を近づけてみると、水は反応なし。ローソクは火がぼうっと強くなった。肉も、、特に反応なし。砂は少しさらさらと動いたような微妙な反応。空のビンはカタカタとみてわかる動きがあった。


「少なくとも、火と風の属性には適性がありそうですね。後は土属性も試してみてもいいかもです」


そうしたら、今度は簡単な法術の発動方法を練習しましょう。ランタンに火をつけるとか、葉っぱを風で切るとかですね。まずはこの玉にマナを集める方法を教えますね。と、外での練習へと移動する。


大して面白いことも起きなかったので、騎士達も三三五五練習に戻ってゆく。


パオロも他の騎士の後に続きながら、ぼんやりと「そういえば、黒っていうかちょっと赤黒かったな。あれ。すげー赤くなりすぎて黒く見えたんじゃ、、、」という考えが頭をよぎったが、そんなわけ無いわな。と稽古に戻る。


その時、稽古場の隅に並べられた道具の中で、火を消したはずのろうそくが一瞬爆発するように点火し再び消えたが、見たものは誰もいなかった。


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