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【完結】エドラックは通りかかった「だけ」なのに!?【350万PV感謝!】  作者: ひろしたよだか


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99)ヤモチドリのペンダント

あのアイテムが再び…

「俺はそろそろ城に戻らねばならん!」


情報のすり合わせが終わると、獅子王ビクトルはそのまま夜の海に出航するそうだ。


「それで、貴様らは我が城にいつ来るのだ?」


クロトがアメリアにどうする? と聞くと


「王国の方に手紙を出したり、向こうの状況も確認したいので、4〜5日は同じ所に滞在したいのですが」


「じゃあ、移動時間も考えて7日後くらいでどうだ?」


ビクトルは分かったと言いあっさりと帰っていった。


翌日は例のごとく、アメリアは引きこもって手紙を書く日。もちろんシーラも一緒。


そんなわけでクロト、ジュリア、アーヴァントにサリナを加えた4人とフレアでロック島の街を散策することにした。


ロック島は中央の白虎王の居城を中心に大きく分けて4つの街から構成されている。その中でも大きな港のあるカッサーノの街は、ロック島の顔とも言える。他は漁業メインの街が東西に2つ。あとは内陸部の農業エリアの街とのことだ。


ちなみにクロトが上陸した場所は普段あまり使われない、廃港に近い場所だったと聞いた。

だからこそ上陸作戦に選ばれたのだろう。


カッサーノはようやく少しずつ落ち着き始め、本来の賑やかさを取り戻そうとしていた。


城からカッサーノの街までは緩やかな下り坂になっており、見晴らしが良い。

街を一望するとまず最初に目に付くのは、港から少しだけ内陸にある巨大な倉庫群だ。


その倉庫群の前には、大規模な市が開かれているとポロンポから聞いていたので、本日はそこを冷やかしに行く予定。


「サリナは市を見に行った事あるのか?」


クロトが手前を歩いていたサリナに声をかけると


「いや、私は、というかムーンウルフは余程のことがないと島から出ない。ごく僅かな商人が島に訪れるのを待つばかりだよ」


言いながらリズムよく尻尾が揺れている。なかなかご機嫌のようだ。クロトの肩で垂れ下がっているフレアがしきりにサリナの尻尾の動きを目で追っている。フレア、引っ掻くなよ、、、


「ふーん、ふふーん」と鼻歌を歌うジュリア。こちらは見てわかるご機嫌ぶり。市が楽しみで仕方ないそうだ。


市の入り口ゲートがあり入場料を払って出入りする。中で何か購入した場合交換札が渡される。


貰った札を帰る際に窓口に渡すと入場料を返金してくれるシステムなのだ。へえ。入った以上はなんか買ってくださいよってことか。


人数分の料金を払って市へ入ると、縦に長くたくさんの露店が並んでいた。


「「わあ!」」ジュリアとサリナが同時に感嘆の声をあげる。直後にサリナはちょっと恥ずかしそうにしたが、尻尾めっちゃ動いてるぞ。


一店一店じっくり眺めていこうかと話していると「あれ? クロトさん?」と声をかけられた。ポロンポ商会のクルー、カプリコ族のピエールだ。


「あれ? ピエールじゃん。何してんの?」


「今日は僕休みなんですよ。なので掘り出し物でもないかなと、市を覗きに来たんです」


そういって手提げをクロト達に見せる。


「それが掘り出し物?」


「そうです。見たいですか?」嬉しそうに手提げから取り出したのはウィックカードのセットだ。


ウィックカードとは3つの異なる絵柄が描かれ、それぞれ1から20の数字が印刷されているカードの事だ。

この60枚のカードで様々なゲームや賭け事が行われる、ごく身近なおもちゃの一つ。


異なる絵柄と20までのナンバリングという基本さえ抑えておけば、絵柄の内容などに決まりはないため、世の中には多種多様なウィックカードが存在する。


「ああ、ピエールはウィックラーか」アーヴァントが言うと


「そうなんです。アーヴァントさんも?」と食いついてくるピエール。


様々な種類のあるウィックカードは、コレクターアイテムとしても人気で、ウィックカードの蒐集者はウィックラーの通称で呼ばれている。


「私は古いウィックカード専門だが、自宅にはコレクションがある」


思わぬ共通の趣味で盛り上がるアーヴァントとピエール。


そんな2人の会話には全く興味がなさそうに、食べ物系の露天に目を奪われてキャイキャイ話しているジュリアとサリナ。


趣味の話って温度差出るよな。。。


「実はあと2〜3箇所骨董の露天を冷やかすつもりだったのですが、アーヴァントさんもいかがですか?」


ピエールの誘いでアーヴァントはピエールと別行動となった。


「ジュリアとサリナは、どうする? 何が見たい?」


「特に目的はないかな、、、あ、野営用の調理道具で良さそうなのがあれば買いたい」


パーティの料理長、ジュリアの提案で珍しい調理器具などがないか見て回ることにする。

ちなみにアーヴァントは副料理長だ。


「しかし、いろんなものが売っているなー」


クロト達の前には、アクセサリー屋や武器屋、布屋、食べ物屋などの他に、水槽に入れた魚を売っている店や陶器の店、中にはガラクタにしか見えないなんだかわからないお店もある。


なんだか分からないものを売っている店の前を通った際に”妙に伸縮性のある何か”によく似た物が売っていたが、足を止めるほどでもなかったので放っておいた。


「あ、あった!」ジュリアの声で調理器具の露店で足を止め、ジュリアが色々見比べるのをサリナと眺める。


「サリナは何か見たいものはないのか? 欲しいものとか。あ、ちなみに費用は心配しなくていいぞ」


ロッセンの支援に加え、連合議会の参考人の報酬。今回もいらないとは言ったが白虎王から旅費の足しとして謝礼を押し付けられたので、基本的にパーティーのお財布にはそれなりの余裕がある。


「特には。。。さっき見た武器の店を冷やかして見たいくらいかな」


「若い娘が、、、って考えたら、急だったから着替えとか足りてないよな。今のうちに買っておこうぜ」


「え。。でも良いの?」


「ああ、必要なものだろ?」ちゃんとお財布係のシーラからお小遣いを預かって来ている。


「じゃあ甘えさせてもらおうかな、、、」


と、気に入った物があったジュリアがクロトに料金を払って欲しいと言って来た。

お金を支払うと商品と一緒に店主が交換札を渡してくれる。


「それじゃあ、2人はサリナの着替えを見て来なよ。俺は適当にぶらぶらしているから」


下着とかも買うだろうから、俺はいないほうがいいよね。


お金を渡し、買い物が終わったらゲート近くの喫茶スペースで落ち合う約束をして2人とも別れる。


「さて、どうするかなー」


一人のんびり歩いていると小さなアクセサリー屋が目についた。


何の気なしに見ると、店番をしているのは少年だった。


「あ、お兄ちゃん、なんか買ってよ。安くしておくからさ」


クロトを目ざとくロックオンして商売っ気を出す。


「どれ?」


露天の前に腰を落ち着け、アクセサリーを見る。値段も手頃だし、彫刻は悪くないように見えた。


「お、ヤモチドリか、これ」


鳥を形どったペンダントを手にする。


「そうだよ。それ、職人が5つしか作らなかった限定品。あと2個しかないよ。売れたら終わりだよ」


なかなか上手い営業トークで来るな。うん、今日も頑張っているアメリアとシーラのお土産に買っていこうかな。


「よし、じゃあ貰うよ。2個とも買おう」


「まいど! 2個買ってくれるなら値引きして、、、この金額でどう?」


商談成立。ペンダントを包んでもらい、その場を離れる。後で2人にプレゼントしよう。


アクセサリー屋の先でピエールとアーヴァントを発見。目的は達成したとのことで、連れ立ってゲート近くの喫茶店に向かう。


と、すでにジュリアとサリナがお茶をして待っていた。


もっと時間がかかるかと思ったと伝えたら、露天には気に入ったものがなかったので明日港のお店を見に行くとのこと。


「私は何でもいいと言ったんだけど、、、」サリナよりもジュリアのこだわりだった。


せっかくだから可愛いものをというジュリアの主張。いいんじゃない。明日もこの島にいるし。


そんな訳でピエールと別れ、城へと戻った。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



城に戻り、汗をかいたのでお風呂に入って来るというジュリア、サリナと別れる。


アーヴァントは骨董市で見つけた妙なものを鑑定すると、こちらも部屋へ戻って行った。


クロトはアメリアたち女子組に充てがわれた部屋へ。


声をかけて扉を開けるとアメリアだけがいた。


「あれ? シーラは?」


「ちょっとお使いを頼んでいるのです。すぐに戻りますよ。市はどうでした?」


「面白かったぞ。そんで、これお土産」


ヤモチドリのペンダントをアメリアに渡す。


「えっ。いいんですか? 貰って、、、」


「ああ、一日引きこもって大変だったろ、お疲れ。明日は皆で街に行こう。ジュリアがサリナの着替えを買うって張り切ってたぞ」


ヤモチドリのペンダントを撫でながら小さく


「嬉しい」


というアメリア。喜んでくれたのなら何よりだ。


その後たわいのない話をして部屋を出る。廊下を歩いていると、シーラが戻って来るのが見えた。


「あ、シーラ、丁度いいところに」


シーラにも露天の話をしてペンダントを渡そうとする。


シーラはちょっと考えた後、「そのペンダント、2つしかないのだな?」と聞いた。


そうだと答えると


「じゃあ、私よりもクロトが持っていてくれ。王証と一緒につけておけば、それほど邪魔にならないだろ?」


クロトもちょっと考えてから


「、、、、、、分かった。じゃあそうしておく」と答えた。


シーラは満足そうに頷いて、アメリアの手伝いに戻って行った。










いつも読んで頂きありがとうございます


こういう話を100話に持ってこれる構成力が欲しいですね。

プロットもないくせに何言ってんだという話ですが。


いよいよ明日は当初の第一目標だった100日連続更新です。


それに合わせて活動報告に現在の進捗状況もお知らせしたいと思います。活動報告の投稿時間は未定です。明日中には!( ・∇・)

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