2020年5月3日
~お品書き~
一杯目 グレンフィディック12年 ストレート
二杯目 グレンフィディック12年 ストレート
三杯目 バランタイン12年 ストレート
ウイスキーをストレートで飲まないと何となしに勿体無いような気がするようになって三月ほどが経った。素人が味を占めて飲み始め、半端な知識でウイスキーの良し悪しを思考するようになった。今が最もみすぼらしい段階かもしれない。
グレンフィディックは以前に一度だけ飲んだことがあった。今年の二月末頃で、旧デザインのボトルを買って友人と飲んだ。今回買ったのは新ボトルの方で、自宅近くのリカーマウンテンには新デザインの方しか置いていなかった(ちなみに前回も同じ店で購入した)。はじめに見た時は旧デザインの方が好みかと思ったが、よくよく見直してみると、新デザインの方がスタイリッシュで洗練されているように感じた。V字に入った切れ込みは先進さを感じさせるし、ラベルも新しい方が見映えがする。ただ、化粧箱に関しては旧デザインに一日の長があるように思う。下地が一色の方が落ち着きがあって好ましいと思うのだ。
肝心の味に関しては、単に僕の味覚が鈍感であるからかもしれないが、以前のものと変わらないように感じた。鮮やかな熟成香が立ち、口に含み鼻に香りを送るとさらにフルーティーな香りが広がる。熟成されていることは間違いないが、その熟成感はあまり強く樽が迫ってくるわけではなかった。どちらかといえば夏から秋にかけての果実の香がして、熟成感とのアンバランスがハーモニーとなって感じられた。
三杯目に飲んだバランタイン12年はスタンダードな甘さの感じられるスコッチで、非常に好みだ。含むと口全体に甘みが広がり、舌の中程が少し下がり収まりの良いところを見つけたような感がある。甘さのなかにわずかに感じる苦みがそうさせるのかもしれない。僕のバランタインの飲み方は、香りというよりは味を楽しむ傾向にあるが、半分ほど飲んでからトワイスアップよりは少し少ないほどの水を加えてみると、非常に柔らかな甘い香りが立った。トワイスアップにすると先ほどの苦みなどの細やかな味が消えてしまうが、香りは上質に広がる。どちらも楽しい。
と、ここまで飲んでからグレンフィディックに加水を試さなかったことに気づいた。香りの広がりが美味しいグレンフィディックであればなおさら加水が適しているだろうと思うと少し残念な気がした。次は忘れずに……。