14. 出会うべくして出会った
「君と永遠に一緒にいたいんだ。僕の妃になってほしい」
シドのプロポーズは早かった。
なぜかは知らないが、シドは婚約者がセシリーをいじめていると思い込み、そんな彼女に愛想を尽かせたらしい。
セシリーの知らないところでそんな風に話は周り、勝手にシドは結婚を決意する。
自分の意思とは関係なく運命が決まっていく。
じゃあ自分はどうしたいのだろう。
胸に手を添えて自信に問う。
「私は……」
シドを見る。
彼は間違いなく、誰もが憧れる王子様だ。
だが、彼に興味は無かった。
彼だけじゃなく、セシリーと親しく交流を持った王国騎士団団長?とその他(興味ないから忘れた)。
正直全員興味なかった。
選択肢出てきたけど、ほんと何の興味もなくて困った。
一応、円満になるよう選択してきたけども。
王国の頂点といえる王子を惚れさせたのだ、自分の魅力はすごいのだろう。理由はわからないけど。
地位も名誉も手に入る。
だが頂点ではない。頂点は王でゆくゆくはシドになるだろう。
爵位は低くて女では、どうやったってそこへ立てない。
男はいらない。
恋愛ごっこは求めてない。
ならば私が欲しいのは――
その夜会でシドは婚約破棄とセシリーの紹介を目論んでいた。
「君は僕のそばにいるだけで大丈夫だよ」
そ、そうなんです……? としか言えない。
婚約者の人は(名前知らない)お気の毒に。
王家同士の取り決めで小さな頃から妃になるよう努力もしてきたようだし(取り巻きがなんか言ってた)。
しかし、貴族はマナーや嗜みにうるさい。考えは保守的で頑固。いずれ妃になる自分も彼らと付き合っていかなければならないのか。うんざりだ。
ああ、私が王と成ったらば――。
シドが婚約破棄を突き付けた直後、謎の少女が現れた。
そして、いつものように例の選択肢が表示された。
と思った瞬間選択肢は砕け散った。
彼女が何かを言う度、表示されては砕けた。
まるで、彼女の言葉が運命を変えているようだった。
選択肢をまるごと吹き飛ばしているのだから。
何者だのだろうか。
一体どこから現れて、何が目的なのか。
私の運命を壊してゆく少女。
彼女ならば、運命を変えられる――?
電が走ったような衝撃。
私の運命。シド王太子と結婚し、子を産み、城の公務に努める。
誰がそんなことを望んだのだろう。
私の意思は無視されている。
押し付けられている、苦しい、許せない。
壊してやる。
運命などこの手で変えてやる。
この少女がいれば、可能なのだから。
生を受けてからずっと選択肢に操られたセシリーは、生まれて初めて意思を持った。
その後、エメリオン王国にまつわる選択肢が何度も会われては消えていった。
「戦争」や「反逆分子」など、物騒な話だが、この王国に戦争の危機が迫っていたのだ。
しかし、すぐに砕け散り消えていく。
戦争など起こるわけもなく、平和な日々が続いた。
これもあの少女の影響なのだろうか。
少女の名前は「リオ」と言った。
シド王子の元婚約者の専属預言者らしい。
学園の生徒なのは好機だった。
やるべきことはわかっている。




