3.長い夜の翌朝(?)
まだゆったり進みます…
カイトは眠い目をこすり、起き上がり伸びをした。語りのその後結局夜遅くまで話をしていたのだ。
「んーーよく寝たーー!」
「寝すぎ!」
リコは頭を軽く叩きながら言い放つ
現在昼過ぎの13時である。
「ほら!早く起きて起きて!朝…じゃなくて昼ご飯食べる!」
「……年下オカン………」
「な・に・か!」
「………っ………!」
口を手で塞ぎ首を横に全力で振るカイト。
「なら良し!」
時々どっちが年上か判らなくなる二人である。「…ってこんな事しに来たんじゃなくて!カイト!お昼だよ!」
「あーそうだった…ってお母さんにも怒られる!と言うよりお腹空いた!」
そう言って2人は2階のカイトの部屋から飛び出し、1階のダイニングルームに向かった。
「よし!セーフ!」
「流石にアウトだよー。寝坊しないの、ね?」
カイトの母は椅子に座っていて、そのままニッゴリと笑う
『アッハイ』
何故かリコまで頷くカイト母の笑顔(怒)はとてつもないものだった。
「うん、宜しい。じゃあ揃ったことだし冷める前に昼ご飯食べようか!」
「お父さんは…そうだ昨日の朝でて今日の夜帰ってくるんだっけ?」
と言いつつ席に座るカイト
「うん、隣町まで用があって『ちょっと行ってくるー』って」
「相変わらずカイトのお父さん軽いねぇ…仕事できるのに…」
そう言いつつリコも席についた
「じゃあ皆席についたから……いただきます」
『いただきます!』2人も同じようにして食事を始めた
「それにしても仕事って言っても何をしに行ったんだろうね?」
そろそろ食べ終わりそうな頃にリコが言い出した
「多分仕入れに行ったんじゃない?なんか珍しいモノが手に入るとかなんとか言ってた気がするけど」
とカイトの母
「またそのパターンか…相変わらずだなぁお父さん…」
「ハァ…」とカイトはため息を洩らした
「とりあえず元気に稼いできてくれればいいし、会えないほど帰ってきたとき嬉しさが大きくなるわけで…」
『はいはい、ご馳走様です』
2人はサッと片付けを始める
「えっ!聞いてくれないの?!」
「いや、お母さんの惚気は日が暮れちゃうから…」
カイトは目を逸らし
「と言う事で!外で稽古してくる!リコも来るよな!!」
「えっあ、うん!変な事しないか見張りに行く!」
「あれ?!何かがさり気なく酷い!」
「えっ?!ほんとに聞かないの?ねぇ?ここからなんだけども…」
カイトの母は上目遣いで二人を見つめる
が、二人が耳を傾けるわけもなく
「よし行こう!すぐ行こう!」
その後家から出るときに後ろから小さく「チッ…」と音がしたとか…しなかったとか………
次くらいにちゃんと稽古してくれるかな…この子…
もしかしたら父帰ってくるのだろうか…