2.伝説の初代勇者様
まだ夜話続きます、この回で終わるはず…
「それで、えーどこからだっけ?」
折角まともな雰囲気に戻した空気を壊したのは勿論カイトの母だ。
「もー!王様が勇者様になる人をお城に連れてくる所からだよ!しっかりしてよお母さん」
流石に呆れてしまうカイト。
「あーそっか。そうだったそうだった。」
とあっけらかんと言い放ち話の続きを語り始める。
「んじゃあ続き続きと、『王様!王様!連れてまいりました!こちらの者が勇者の資格のあるものです』
『おぉ来たか!では早速勇者の儀を行うぞ』」
「勇者の儀って何なの?」
「んー正式に勇者になるために必要な儀式かなー?まぁ詳しくは続きでッ!」
「そういうのはいいので続きに行きましょうかオカアサン?」
更にリコも「ハァ…」とため息で続く
「くどかったか!流石にくどいのか!んー私は好きなんだけどなぁ…コレ…」
「んなこと言われてもくどい!続き早く」
「うーん…『分かりました!ではカイ様はこちらへ』そう言われたカイ、初代勇者は儀式の間に連れて行かれました。ちなみにカイトの由来は初代勇者様からです。儀式の間h」
「いや、いやいや、サラッと行かないでよ!」
「いや、くどいって言うから…」
「……っ…!とりあえず肖ってくれて有難うお母さん!ツッコミたいけど続きをどうぞ!」
「?うん、儀式の間にはとても綺麗な剣が一振り部屋の中心の祭壇に置いてあります。その剣の鍔の中心、十字に交差する部分には赤く鮮やかな宝石が嵌められていました。カイと共に儀式の間に来た王様は
『見事な剣であろう』
この言葉にカイは頷きます。
『えぇ…とても、とても綺麗だ…あの赤い宝石は勿論輝く刃も…』
『この剣を手にする事で真に勇者となる。覚悟はいいかな?』
『ええ勿論、喜んで拝命させてもらいます。』
王様は大きく頷いてこう言った。
『では儀式を始める。何簡単だカイよ勇者となる者よ、その剣を手にするといいそれで儀式は完了する』
カイは剣のある祭壇へと向かい、そして剣を手に取りました。
『おめでとうこれで君は勇者となった。早速で悪いがまず魔王を倒せ…などとは流石に言えぬ。近くの街が魔王の部下に襲われていると聞く、その街を救って見せてくれ。今の君なら出来るはずだ。』
それに対し勇者は膝まずきこう言いました。
『はい王様、その街を私の手で軽く救ってみせましょう』
そして数日後、街を荒らしていた部下たちを鮮やかに切り倒し街の人々を救う勇者の姿があったそうな…」
「軽く街を救うって…ホント初代勇者様何者…」
カイトは驚き半分感動半分で呟く
「そうじゃないと勇者なんてできないと思うよ?やっぱり」
「そういうものなのかなぁ…リコは僕も勇者様みたいになれると思う?」
「大分頑張らないと無理だと思う…よ?」
「えっと…悲しくなるので真顔で言うのは勘弁して下さい、本当に…」
「まぁなれるかは別にして、私はなってほしくないかな……死んでほしくないし…」
「ごめん、最後の方聴こえなかったけど何で?」
カイトの母はニッコリと笑って
「ううん!何でもない!大変だろうってだけだよ」
と言った