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いつか。
この世界は、腐っている。
優秀な人しか得をしない、クズみたいな世界。
けどみんな、この世界は美しいと信じて疑わない。
その時点で、腐りきっていて、もう、手をつけられない。
こんな考えを持つ俺は、やっぱり理解されず、
人に嫌われる。
そんな俺の息抜きの場は、もっぱら屋上だ。
同じ意見を持った、変な女子との会話。
「おはよう。」
そう声をかけると、女子も手首にカッターを当てながら
「おはよう」
と、微笑み返した。
こんなふうに言葉を交わすようになったのは、
確か、春の終わりだった。