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エーデル:マギカ 異世界の教師  作者: かわばんが
3/6

クラスメイト

正嗣に前に少女達が並ぶ。

金髪碧眼はブリット。

黒髪コワル。

茶髪はアキ

オレンジの髪はオードリー。

「よろしくお願いします。先生」

正嗣には癖があった。

人を覚えるときは、まずは髪からだった。髪は人によ特徴的だが、間違えやすい。だから安易に呼びかけることは無い。それは彼が短い教師生活で培った事だった。

「ああ、よろしく」

正嗣ブリット伸ばした手を握り返した。

状況もわからぬまま、流される。これも彼の癖だった。それを悪癖と自覚していても。

「自己紹介は済みました?先生」

どきりと後ろを振り向くと、背の高い女性が立っていた。

年の頃はいくつだろうか。4、50、老けてはいないが、妙な落ち着きのある低い声が、正嗣にそう思わせた。

「先生にはこれから、この子達の担任を勤めてもらいます。授業内容や時間割については明日の職員会議で行います」

「えっと、じゃあ今から僕は何をすれば」

「今日のところはとりあえずの顔合わせ、ということで。先生もまだこちらに来たばかりで混乱しているでしょうから」

「はあ、はい。ありがとうございます」

案内役の教師は、冷たい印象ではないがどこか事務的で、機械的だった。

「それでは、先生は今から住居と市民登録の説明があるので、それが終わったら誰か先生に街の案内をお願いしたのだけれど」

「はいはいっ!!ワタシやるっ!その役っ!!」

ブリットが大きく手を挙げた。

「貴女、サボりたいだけでしょう?」

「別にいいじゃない。みんなやらないでしょ?だからワタシやる」

変な理屈だな。正嗣はそう思ったが、ブリットなら自己紹介も省けるだろうと内心安堵していた。

「まあいいわ。それじゃあブリットは職員室の前で待ってなさい。他の子は自習よ」

「はいはーい!」

女教師に連れられ、正嗣は教室を後にした。

その後を、ブリットはスキップをしながら付いてきた。

「二つ目のドア、か」

ただの迷信、気の迷いであることを正嗣は願った。


用心という言葉は、ただ足元の石に気をつけろということではない。事象は予期せぬところに転がっているものである。

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