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転生者のつぶやき

私ことヘスターは、しがない下町の食堂の三女である。

大した取り柄もなく、目立つ容貌でもなく、かといって親しみやすい気さくな雰囲気があるかと言えばそうでもなく。

ただ、それでも私は一応、転生者なのである。


この王国には転生者というものが溢れている。歴史をひもとけば、大きな産業革命や政治革命の影には必ず転生者の姿があるというくらい、転生というのは名の通った現象なんだ。

数百年前の転生王子が堕落した貴族社会に活を入れたのは有名だし、1年を12の月にわけ、一月をおよそ30から31日と定めた暦だって、大昔の転生学者だったという。身近なところでいえば、普段食べているパンやお菓子が今のようにバラエティ豊かなのも、転生パン屋や転生菓子職人の苦労のたまものだ。

言ってみれば、数々の転生者のおかげで今の私たちの生活がある。

でも、私はといえば、本当にただのヘスターでしかない。繰り返しになるが、しがない下町の食堂の、三女である。

自分でもなんとかならないものかと何度も考えた。自分のもてる知識を生かして、この世界を少しでも変えることが出来るんじゃないか、そうでなくともささやかでも家族の力になれるんじゃあと。

けれど、考えてみてほしい。街に出れば鉄道が走り、王政は順調、国民はパンも食べればおにぎりも食べる、なければケーキを食べればいいじゃないというこの国で、ただの地方都市の学生だった私が何をできるというのか。

人は私が転生者だと知れば、決まって驚いた顔をしてこう言うんだ。

お前、それでも転生者か!と。


転生ものに憧れて書き始めてしまいました。


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