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事情が事情です

これ、書いてて2回も消えてしまったんですよ。

大変でした!

予想はつくけど一応、確認はしておいた方がいいかな、というわけで聞いて置こう。


「私は地球に日本に帰ったりする?」

「それは……ない」

「そっか」


なあに?みんな困惑したようにこっちを凝視してくるの、ただの確認だよ?逆にいまさら地球に帰って、これまでと同じ生活を送れとか言われても、「私だけ蚊帳の外にするな!」って駄々こねるよ?


「あっさりしてるんだな」

「この世界で生きていく覚悟は出来たからかな?」


王女として、はまだ時間がいるけどね。立ち上がり窓の方に歩いていきカーテンを開けると、輝く太陽の光が部屋の中に入ってくる。見たことのない世界に期待を抱く。


「確かに寂しいって思うよ?……でも」

「「でも?」」


笑いながら私は振り向く。


「私独りだったら帰りたいって絶対言ってた。友達と会えないのは寂しいし、でも、家族がいてラディ達がいて私は独りじゃないでしょ?だから寂しさや悲しさなんかへっちゃら。どこに居たって私は私なの」


周りにコンプレックスを感じた時、悩んだ時気づいた。私は他の誰でもないって!だから何か言われた時に言ってやるんだ!


私は私ですから!ってね!


   *   *


「ミリアには一ヶ月程城下に住んでもらうことになる」

「うぇ?」


これから頑張って勉強しようと意気込んだのに、兄様達みたいになれるように作法なら他諸々を習ったりしないといけないんじゃないの?


「あのね、ミリアはこの世界の常識とか知らないでしょ?つまり、『基礎』がないのにできると思う?」

「あ、無理です」


即答した。小さい頃はこっちで暮らしてたみたいだけど、あの子に思い出してほしいと言われただけで、記憶は全く思い出せていないからあてにはならない。ただ椅子に座って学ぶだけではいけないようだ。


「それに、まだ地球に魔物を送り込んだ犯人も見つかっていない。犯人が見つかるか安全だと判るまで『城でひっそりと住む』というのが望ましいんだがな」

「犯人は貴族の可能性が高いからね。……地球の存在を知るのは貴族ばかりなのよ。城よりは街の方がまだまし」


つまりは、木を隠すなら森の中、人を隠すなら街の中ってことですね。ミラールに城まで送ってもらった時は外の風景などを見る余裕がなかった。とても楽しみだ!


「せっかく家族揃ったのにまた離ればなれなんて寂しいわね」

「母様、本当は後二年も会えないはずだったんだから一ヶ月なんてあっという間だわ!」


「そう……そうよね!」と寂しそうな表情を一変させ明るく楽しそうな表情になる。和やかな雰囲気が部屋の中を包み込んだ。


「さてと、仕事に戻りましょうか。陛下」

「ああ、何時までも宰相に任せきりは悪いからな」


それから数時間程色々話していたが時計を見たイース兄様の言葉で全員が動き出した。ジーナ姉様とクロイツ兄様もう少し居ると渋ったが、書類を渡され大慌てで出て行く。 


「ミリア様、一つ宜しいでしょうか?」

「ん?何?」


皆が出ていった後、フルールは用意されていた紅茶を淹れながら、眉間にシワを寄せ解らないというように言う。


「どうしてミリア様と会話が出来るんでしょう?地球にいらっしゃったのに」


言われてみれば確かに不思議なことだよね。なぜ会話が出来るのか、そこで思いついたのは昨日の夢だ。夢の中で喋った時普通に話せていた。


「多分、『私』から返してもらったんだよ」

「ミリア様ご自身からですか?」


きっと、あの夢で思い出したのは言葉……つまり言語だろう。可能性は高いと思う。怪訝そうにしているフルールにもう一度わかりやすく答える。


「正確に言うなら小さい頃の私」

「そっ、うですか」


フルールの方を振り向くと驚愕を顔に変化させていた。その顔を見て私は微笑む。

詰まらせちゃ駄目だよ?隠し事を隠し通したいならね。誰も喋らなかったんだよね。



私がどうして地球で生活していたのか、っていう理由をね。

普通一番最初に話す内容なのに誰も触れようとしなかった。



話したくなかったのか、それとも「話せない」のか

それは判らないけど、「過去」が関係しているのは何となく気づいたよ。


話してくれないならそれでもいい、どうせ夢で「私」が思い出させてくれるからね。

そして約束を果たさないと……


「フルール、砂糖は2つがいいな」

「はい」


でも、今ぐらい過去がどうとかは気にせず楽しもう。平穏は突然壊されたりするものだろうからさ。

次はミリア抜きの話になります。

さらに、その次はこの話は朝なのに突然夜に時間が変わります!

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