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ご対面です2

「おはようございます。初めまして」


取りあえず、挨拶しときます。えぇ日本人が得意な誤魔化しのニッコリスマイルで『無害ですよ』アピールしときます。なので、ガン見してくるのは止めてくれると嬉しいな~?なんて考えたらにこやかに笑って、


「私達はどっちかと言うと、父様似なのよ」

「だからつい、ね」


双子からガン見していた理由を教えてくれた。一卵性ですか?ホントそっくりですね。2人を見ていて何故かどこかが違うという違和感が生まれた。観察してそれは何なのかを探して気づく。


「入れ替わってませんか?」


テレビの企画なんかで見たような、似合っているけどどこか変なのだ。……服は女物なのに着ているのは男性、服は男物なのに着ているのは女性、それが違和感の正体だ。どんなに似てても(似合ってても)性別による骨格の差で不自然なように感じてしまう。こういう直感的な部分は、子どもの頃から信じるようにしている。


「へぇ、判るんだ」

「初めて見破られたわ」


驚いたように私をみた後、嬉しそうにそう言った。

お互いを見合い、「ちょっと着替えてくる」と隣の部屋に入って行った。そんな所にも扉あったんだね。気になってはいだけど、何部屋有るんだろう?ざっと見えてる範囲で扉は4つはあるんだけど。1つはフルールが食事を運んで着た扉(廊下に出てる扉だね)だから除外するとして、お風呂に大量の着替えのがあったクローゼット、寝室。自分の地位的にそれだけで済むような感じがしないので、着替えを待っている間に訊ねると、「6部屋ですね」と返ってきた。何に使うんだよ、そんなに……


   *   *


「では、改めて自己紹介しますかっ!」

「顔に出さないようにするのは疲れたぞ?」


背筋が凍りそうな微笑だった1番年上らしい人は入れ替わっているのを教えられていて、それを顔に出さないよう堪えていたのと初対面の私を騙していいのかを悩んでいて、ああいう顔になったらしい。


「自己紹介をしようか。私はイスエル・エアスト・メルキュールだ。年は19で、父様の下で仕事をしながら王になる勉強をしている」


全身からのオーラが半端ない。さらに背が高く、髪は邪魔にならないようにするためか撫でつけてあってこれで眼鏡をかけていたら頭脳派とか委員長と呼ばれていそう。さぞ年頃の女性からモテてそうなイケメンですね!髪は鮮やか青で目は浅黄色だ。


「イース兄様、堅い!僕はクロイツェル・ツバァイト・メルキュール、見ての通りジーナと双子だよ。

今年で18歳、騎士団長をしてるんだ!」

「私はフレアジーナ・ドリット・メルキュール、まあ内容はクロイツと一緒ね。私も勿論、騎士団長よ?」


クロイツェルさんは明るく気品があって、髪が癖っ毛で風でふわっと動く。イメージは・・・猫かな?髪は深い青で目は黄緑色だ。

フレアジーナさんは仕草が上品で綺麗という言葉がよく似合う美人だ。クロイツェルさんと鏡に映したように瓜二つだが、目の色に焦げ茶色混じっていて違いがやっぱりある。


みんなとても格好いいし、美男美女だ~、眼福だよ!コレから想像すると、王様も王妃様も凄いんだろうな。


「これから宜しくお願いわふぅ?」


「まるで他人と喋ってるみたいだね~」

「私達、兄弟よね?もっと砕けた話し方で!」


話し方が気に入らなかったんだね?・・・了解ですよ、だから両方から頬を引っ張らないでっ!


「あの呼び方はどうしま・・・するの?」


ちょっと失敗しただけだから、睨まないでっ!


「イースでかまわない」

「クロイツ兄様がいいな~」

「ジーナ姉様って呼んで!」


では、もう一度。


「これから宜しく。イース兄様、クロイツ兄様、ジーナ姉様」

「こちらこそ」



   *   *


「智也兄さんとかはどこにいるの?」

「ラディ達は仕事に戻ってるよ。ミリアが目を醒ました事はもう伝わってる筈だから、父様と母様と一緒に来るかも」

「3人とも優秀な騎士だから、周りが抜けさせてくれないのかもしれないわね?」

「あり得るな、特にクレスの上司はあいつだ」


ラディ?クレス?知らない名前が出だけど、流れ的に咲ちゃん達の名前かな。どうなんでしょうか、イース兄様?


「智也はラルディン、咲良はクレス、菜奈はフィーティアが本当の名前だよ」

「地球で休みになると、よく3人とも出掛けてなかった?」


確かに、思い出してみるとよく出掛けてた。放課後もバイトをしているとか言って遅く帰ってくる事もよくあった。どこなのか教えもらいたかったのに「恥ずかしいから!」って言って教えてくれなかった。


「あったね。もしかして、こっちと地球を行き来してた?……まさか、お父さんの出張も関係が?」

「あるよ、ミリアの『育て』の親は数年前からこっちにいるよ」

「会える?手紙とかはもらってたけど、やっぱり会って色々話したい!」


私が中学に入会してからお父さんは海外出張に行っていて、途中から、お父さんは家事が全く出来ないから心配してお母さんもついて行った。手紙が届くだけで、最後に会ったのは高校の入学式だけだ。


「結構すぐに会えると思うよ」


話しているとジーナ姉様とクロイツ兄様がドアの方を見だした。すると、ノックする音がしてフルールが開けると、兄さん達と若い男女が立っていた。


   *  *


「もう、私達を待ってくれてもいいでしょうに」

「早くミリアに会いたくて、ごめんなさい母様」


「似てる……」


微笑みながら文句を言う女性をジーナ姉様は『母様』と呼んだ。私は確かに王妃様似だった。ならば、その隣に立つのは王様……父様か!


「いらっしゃい……というのはおかしいから『おかえり』かな?私の事は『父様』と呼んでくれると嬉しいな」

「ミリア、漸く逢えたわ!最初は慣れないかもしれないけど、イース達のように『母様』と呼んでね?」


本当に、私の両親だ……心でそう感じた。


「父様、母様ただいま?」


おかえりと言ってくれたので、そう返事をすると父様は驚いて、母様は少し涙ぐみながら「おかえり」と返してくれた。


「君達も、何か話さなくて良いのかい?」


父様が背後に向かってそう言うと、後ろに立っていた3人は居心地が悪そうに目線を動かす。


「今まで通りがいいな」


話し辛そうだったので、此方から喋る。


「「「え?」」」

「だから、ちょっと今までと変化はあるけど私はこっちに友達もまだいないから、相談相手とか……あとは騎士なんでしょ?護身術とか習いたいな。運動は苦手だけど自分ぐらい守れるようになった方がいいと思うんだ」

「ミリア様は「ミリア、呼び捨てで!」っ!」


ぎくしゃくするのはイヤだからね。公の場以外では別に良いでしょ?私の我が儘なんだけどいいですか、父様?目線でと問いかける。


「ミリアもこう言っているんだ。普段、ジーナやクロイツの事は呼び捨てなんだ。ミリアがそう望むならそれでかまわないよ」

「ということで、『様』はつけないでね?これまで通りで!」

「わかったよ」

「かなわないよね~、ミリアには」

「そうだね」


ありがとう。これからもよろしくね?3人とも!


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