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俺は二十歳で

作者: 白紙リョウ
掲載日:2026/05/18

 退屈な授業、鬱陶しい奴らだらけの学校が嫌いだ。

 勉強はこれから先必要だと言うが、先のことを考えると面倒で全てが嫌になるし、楽なことだけしていたい。

 何かトラブルが起こり、そこに俺がいた時には終わりだ。

 説明も聞かず真っ先にこっちだけを責める教師、そんな俺を見下したような目で見る同級生。

 同じ場所にいるのに、自分とは違う世界に生きているようで理解できないし、されなくて、イライラする。


 ここに一瞬でもいたくない。


 居場所がないと感じる家が嫌いだ。

 口答えを許さないこの家は、俺はいらない存在だと思い知らされるし、自由がないと感じて、ずっと息が詰まる。

 だから、気の合う奴とつるんでいると楽でいい。

 普通の奴らには分からない、俺と同じ目線で遊び回れる仲間といる時だけは、居場所を得られる。

 門限を破って怒鳴られても、夜に抜け出そうとして追いかけられ痛い目を見ることになるとしても、裸足の足裏が痛むのに構わず息のできる場所に逃げる。


 ここに長くいると気が狂いそうになる。


 小学生の頃、今はもう話すことが無くなった仲が良かった奴の家に遊びに行った時、居心地の悪さを覚えた。

 そいつとその親が楽しそうに話す姿を見て、自分の親とそれを比べて、羨ましがっていたのかと後から気がついて吐き気がした。

 自分はどうしてこんなに不幸なんだと、本気で思った。

 今の仲間と出会ってからは、話を聞いたり知っていくうち、同じかあるいはそれ以上に、複雑な過去や悩みを抱えている奴もいるんだと多少は嬉しかった。


 「甘えだ」「生意気」「何もできないくせに」「役立たず」と毒を吐いて、抑えつけて、平気で大人は俺達を傷つける。

 その度に嫌悪する。

 そして何かがすり減って、麻痺して、いつか完全に何も感じなくなっていくような気さえする。

 本当に、言われた通りになっていくみたいだ。


 高校生が、飛び降り自殺をしたというニュースを見て思う。

 どうやって、飛んだのか。

 恐怖はないのか。

 それだけしか救いがなかったのか。

 ──いつ死んでもいいと思いながらも中途半端に生きている俺が飛べないのは、弱いからなのか。

 それとも、そこまで不幸でもないのかもしれない。


 「お前は自分勝手にできていいな」


 そんなことを、やたら俺に対する態度が悪いクラスのガリ勉に、睨みつけられながら言われたことがある。

 ムカついて喧嘩になったそいつには、俺が自由に見えていたらしい。

 そうだとしたら、毎日こんなに辛いのは大人の言う通り甘えだからなのか。


 この、辛いことだらけの世界で、大人になんかなりたくないし、きっとロクな人間にはなれないだろう。

 

 ──だから俺は二十歳で死にたい。

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