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少女の感激2

そうして待ちに待った入学の日。

私が席に座っていると、とうとうセリーヌ様がいらっしゃった。

制服姿も可愛い〜♡

まるで妖精?天使?……女神でもいいな。


セリーヌ様はずっとどこかそわそわした様子だったけど、大人しくされている。

周りには不埒な目で見ている男もいるようだが、そこは私が守りますよ!!


今日は学園の案内まで終わればおしまいとのこと。

私はてっきりセリーヌ様は他の貴族の方とグループ的なのを作るのかと思いきや、どうやらひとりで座っている。

話したそうにしている令嬢達はいるが、なかなか勇気が出ないようだ。

確かにあんなに可愛けりゃ話すのにも気合い入れないといけないか!

だが、これはまたとないチャンス。

このチャンスをものにしなければ。


「あ、あの」


やばいっ!!声が震える……!


「……!!はいっ」

「私、エレノア・サミエルと申します。その……セリーヌ様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」

「もちろんです!お好きなように呼んでいただいて構いませんわ!!エレノア様!」


可愛らしい笑顔で対応して貰えた。まじ神。

こんなに優しいなら……欲出しちゃう?


「あっ、ではセリーヌ様。もしよろしければ一緒にカフェでお茶……しませんか??」

「えっ……!!よろしいのですか!?」

「はい!!セリーヌ様さえよろしければ」

「もちろん大丈夫です!!お願いします!!」


了承貰ったぁぁあ!!

初日からいいんですか!?くぅー!学園の事について調べて置いてよかった!!

興奮気味に話すと、手を握りカフェへと連れていく。

やばいやばい、勢いで手握っちゃったよ。


そんなこんなで話をしながら食べることに。

私のつまらない話にも相槌を打ってくれるセリーヌ様。

優しすぎる。女神。

これはあのルート・レーゲンもベタ惚れなわけだ。

婚約者の話を振れば、少し顔を赤くして答えてくれる。

相思相愛で可愛いね。推しカプ決定。

だが私には気になっている事がある。

学園を調べている時に出てきた噂。

ルート・レーゲンと、とある令嬢がお似合いなのだと。

だが、その噂はすぐに消えるがまた復活する。

私は絶対その犯人を見つけてやるんだと決めていた。


楽しく話していたら、もう帰る時間。

ニコニコ笑顔を貰い、帰路につく。

特大ファンサを受けすぎた。

今日は眠れないかもしれない。

寮生活で2人部屋のため、大声で叫べない。

地味なストレスを感じつつ、同室と仲良く挨拶をして眠りにつく。

ぐっすりと快眠であった。



そして3ヶ月後。

あの噂が出回り始めた。

しかもその噂が愛しのセリーヌ様の耳に入っていたのだ。

これは早期解決しなければ。

同志たち今こそ動くべきだ。


3ヶ月の間に私以外のセリーヌファンは結構いる事を知る。

というのも、ゼノ様に教えて貰ったからなのだが。

ゼノ様とは本当に偶然出会った。

私が昼の休憩時間にたまたまベストスポットを見つけてしまったのが始まりだ。


何かあった時のために、使えそうな場所を探しに探検していた時のこと。

ルート様と昼食を取るセリーヌ様を見送った後に、いつも通りに探検する。


人がいない場所を見て回っていたら、何やら裏庭で怪しい動きをしている男がいた。

それがゼノ様だった。

何やら裏庭で本にメモをしている?そしてその視線の先を辿ると、緑に囲まれている場所がある。

私はこの場所からは全く見えなかったため、少し横にずれて中を確認すると……。

推しカプがイチャイチャしていた。

え?これあーんでは?え?膝枕?え?

普段のルート様の面影が崩れ落ちる。


それから私はゼノ様の元に向かい、話を聞いてあの場所を教えてやる。

どうやらあの場所からは声は聞こえるが姿は見えなかったようで感激していた。

そうして誘われたのだ。セリーヌ様親衛隊に。

そうして情報を共有し合う仲となった。


話は戻って、早く解決したい私はすぐさま行動に移す。

2年の教室に行き、ゼノ様を呼ぶ。

あれこれ訳を話したら、ゼノ様もどうにかしたかったらしく、とりあえずルート様に迎えに来てもらう事にした。


昼休憩になれば遅れてルート様がやって来る。

たくさんの令嬢とゼノ様を連れて。

いやいや、令嬢は連れてくんな。

誰もが好きそうな笑顔でセリーヌ様に微笑むその姿は正直作り物に見えた。

2人を見送った後、さて!とゼノ様が話し出す。


「じゃあ後で」

「「「はい」」」

「え?」


そう言って令嬢達は帰っていく。

何事だと思っていると、ゼノ様が私の耳元で教えてくれる。


「あの子たちは親衛隊だ」


驚きに目を見張る。

同志だったのかあの子たち……。


「まあ、主犯は俺もルートも分かっているんだ。その仲間が知りたい」

「仲間ですか」

「ああ。主犯は間違いなくクロエ・ブープル子爵令嬢だろうな。だが仲間が分からない」


クロエ・ブープル。ルート様やゼノ様と同じ歳でかなりの人気者と聞く。

緩やかなウェーブの金色の長い髪にタレ目のおっとりお姉さんタイプだ。

少し小さめの体に、大きな胸でかなり魅力的らしい。


「狙っているのは、セリーヌ様とルート様の婚約破棄……なのでしょうか?」

「……そうなのかも知れないな。この学園で殿下の次に人気があるのがルートだろうからな。あんな態度取っていたら勘違いするやつも出るんだろ」

「……」

「だが俺もここに来る前にルートには話したさ。あいつも噂にはうんざりしていたから今回こそはケリをつけるだろ」

「そうだといいんですけど」

「何よりセリーヌ嬢の耳に入ったのがいけねぇな……まあ俺たちは仲間を見つけるか。どうせルートのやつは関わった全部を消さないと気が済まないだろうしな」

「はい」


予鈴がなり始めたため、もうこんな時間かとゼノ様は昼食の後片付けを始める。

少し経てば、ルート様に送られてセリーヌ様が帰ってきた。

ん?少し目が赤いような……。泣いてしまわれたのかな……。

クラスメイトの皆に囲まれて騒がれるセリーヌ様を見ているとゼノ様の忘れ物に気づく。

だが、教師が入ってきたため渡しにいけそうにない。

次の休憩に渡しに行けばいいかと考えた。

そして授業が終わればセリーヌ様に伝えて足早に2年の教室へと行く。

そこで私は信じられない現場を見た。


ルート様は座っているクロエ・ブープルの目の前に立ち、冷たい眼差しで見下ろしている。

ゼノ様も少し離れたところに立っており、声を掛けるなんて不可能だ。

周りの人達も皆動けずに怯えている。


「ねえ、俺とブープル嬢に関して流れてる噂知ってる?」

「……さあ、知りませんわ」

「何故か想いあってるとか言う噂が流れててね。ほんとあれさ、物凄く不快なんだよね」

「っ!!」

「大体、俺とブープル嬢が釣り合うわけがないのにさ。この噂流したやつって考える力もない馬鹿なんだろうね。顔が見てみたいよ」

「……何を言っているんですの?」

「君たちもそうだよ。噂と分かっていても広めた自覚あるやついるよね?ほんと気持ち悪い」


怖い……圧がすごい。

完全にキレてるよねこれ。

私でさえこれなんだから、当事者たちはもっとやばいんだろうな。


「次こんな事が起きたらどうなるんだろうね?」

「ルート……これくらいに」

「ははは、分かったんならいいよ〜」


にっこり笑顔を見せているけど目が笑ってない。

恐怖映像だ〜!!


「だけど、ブープル嬢に次はないかな」


私は本を返すことをせずに、足を震わせながら自分の教室に戻っていった。

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