人物紹介
◆カイン(20)
元王国騎士団・第一部隊長。武勇と忠誠に優れた青年。
裏切りにより全てを失い、魔剣と契約して“暗黒騎士”へと堕ちる。
「闇に堕ちても、信じたものを取り戻す」と誓い、復讐の道を歩む。
◆セリス(19)
元は無垢な村娘。カインの幼馴染で恋人の関係だった。
「聖なる加護」を発現したことで、王に“聖女”として召し上げられる。
王に抗えず側室となるが、心の奥底にはカインへの思慕が今も残る。
◆エルヴァン(27)
現王。若くして即位し、野心と欲望に満ちた暴君。
リアナを「自らの繁栄の象徴」として所有し、カインを危険視して排除。
「血統こそが力」という信念を持ち、愛よりも支配を選ぶ。
◆ロイ・エインズワース(27)
「忠義と現実のはざまで揺れる副団長」
元・王国騎士団第一部隊副団長。カインの片腕として最も信頼されていた。
冷静沈着で戦略に長ける参謀肌。カインとは戦場を共に駆け抜けた盟友だった。
だが、王命により「聖女誘拐の共犯に問われる」と脅され、カインの罪を肯定する証言を選ぶ。
以後も罪悪感に苛まれ、王国への忠誠と自責の念に苦しみ続けている。
カインに再会した際、剣を交えることになるが、内心では贖罪を望んでいる。
◆フィリア・ロッセリーニ(24)
「英雄に憧れ、従い、そして捨てた女騎士」
王国騎士団の紅一点で、カインに強い尊敬と淡い恋心を抱いていた。
正義感が強く、かつては「騎士とは誇りであるべき」と信じていた。
だが、王より「彼と共に罪に問われるか、黙って職に残るか」の二択を迫られ、涙を呑んで沈黙を選んだ。
現在は王直属の親衛隊に所属。リアナの護衛も務めている。
「あの時、私が真実を叫べば…」という後悔を胸に抱く。
◆ガレス・ベルク(30)
「かつての戦友、今は冷徹な執行人」
重装の槍使い。カインと多くの激戦を共にした歴戦の騎士。
無骨で寡黙だが、忠義には厚く、騎士団では“兄貴分”的存在だった。
カインの追放時、最後まで処刑命令に反対したが、王に逆らえず剣を向けた。
現在は処刑任務などを担う粛清部隊長として冷徹に振る舞っている。
◆ミリアム・クレイグ(21)
「純粋だった少女剣士」
王国騎士団の若き剣士。天賦の才を持ち、訓練時代から「騎士団の希望」と称されていた。
カインとは師弟のような関係で、幼い頃から彼の背中を追い続けてきた。
戦場で剣を交わし、笑い合い、誓い合った「騎士の理想」──それを教えてくれたのがカインだった。
だがカインに罪の疑いがかかったその日、騎士団は混乱し、彼女もまた選択を迫られる。
王の圧力、周囲の同調、そしてリアナを「守らなければならない存在」と信じる気持ちが、彼女を沈黙へと追い込んだ。
聖女としてのリアナが、自分とは比べものにならないほど国に必要だと信じようとしているが、
夜毎に見る夢は、あの日カインに手を伸ばせなかった自分を責めるものばかり。
◆ゼクス・ドレイファス(26)
「忠義を装う裏切り者──真の裏切りを選んだ男」
騎士団の情報担当。表向きはカインを慕い、忠誠を誓っていた。
だが裏では王と通じ、カイン失脚のための「証拠捏造」に加担していた黒幕の一人。
自分の家を貴族として存続させるため、「カインを捨てる」という選択をした。
現在は王の密偵として暗躍。カインが生きていると知り、抹殺任務を請け負う。
カインとの再会を恐れつつも、「あの男は復讐などしない」と高を括っている。