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第12話 本音と建前を口にする者


 「ねえ?私の事好き??」


 「もちろん。好きだよ」


 彼は本音を隠す癖がある。手を繋ぎ一緒に歩く女性の事は本音を言えば好きでは無い。彼は本音では無く敢て建前を口にする。


 「ねえねえ!私のどこが好き?」


 「ん~…」


 (この女性は大股で歩くんだよな…)


 「可愛らしい歩き方…かな」


 「え~~?そう~~?」


 彼の本音を知らずに、女性は褒められ顔を赤らめる。女性は更に大股で歩き、すれ違う人にクスクスと笑われ彼は困惑する。


 「その可愛らしい歩き方は僕の前だけにして?」


 「わかった~!」


 女性はやや大股歩きになり、ヒヤヒヤした彼は安堵する。そして2人が歩き続けると若い男の子と母親らしき人物が肩を並べ仲良く歩く姿が視界に入る。


 「ねね。さっきのすれ違った男の子ってマザコンだよね~。〇〇君は違うよね?」


 女性に笑いながら見つめられ考え込む。


 (僕は母親の事なんて大嫌いだ)


 「うんっ!僕はママがとーっても大好きっ!———あっ!!」


 彼の言葉に女性は動いていた足がピタリと止まる。そして女性は逃げていくように去っていった。

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