第10話 牛肉を愛する者
とある彼女はスーパーで買い物をする。
「私は肉の色を見るだけで牛肉ってわかっちゃうんだな~!さーって今日も牛肉ちゃんを食べるぞ~♪」
彼女はスーパーの食材売り場、肉コーナーで鼻歌をご機嫌に口ずさむ。ステーキ用の牛肉、すき焼き用の牛肉、そして―――
「この色合いは牛!粗挽き肉も買ってこ~♪今日はハンバーグに決定ー!」
彼女は目を細めながら粗挽き肉を手に取ると、カゴの中に入れる。お会計を済ませると肉肉肉!!のコンビ満載を袋の中に入れる。
飛び跳ねるようにスキップで帰宅すると、キッチンの上にスーパーで購入した肉肉肉!満載の袋を覗き込む。
「さてさて、粗挽き肉さん以外は冷蔵庫の中に入れて…ハンバーグでも作りますか!」
粗挽き肉以外、冷蔵庫の中にしまい込む。そして、彼女はボウルで具材を混ぜ込みフライパンで焼く。
「よしっ!出来た!はぁ~~この牛の匂いだけでもヨダレが…」
彼女はヨダレを垂らしたままハンバーグを皿の上にのせテーブルへと運ぶ。
「さてさて!いっただっきまーーす!!あぁ…牛の味…鼻を通して伝わる風味…最高!!」
彼女はこれ以上ない程の至福な顔をする。粗挽き肉の捨てられたトレイに牛7:豚3と記載されても彼女の顔は至って笑顔のままだ。




