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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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88話


年が明けて仕事の多さに少し戸惑ったけれど、前世のせいかしら?すぐに慣れたわ。


初めての休日。朝食の後ゆっくりしていると。


「リリ、今日はグリーズに会いに行こうか?」

「ええ。元気かしら?こちらは寒いから心配していたの」

「支度をしたら行こう。その後ソワールで少し散歩をしよう」

「楽しみだわ」


コートを着せられ、冬用の毛皮の帽子と手袋、ブーツを履かされる。サロンへ戻るとリュドが待っていた。


「リリ可愛い。ちゃんと暖かくしてきたね。行こうか」


シンプルな黒でまとめているのに・・・リュドが格好良く見えるわ。あれかしら?好きな人だけ輝いて見えるみたいな・・・。


螺旋階段を降りて1階のサロンから外へ出る。


「前はエントランスから歩いていたから遠かったのよ」

「ここからだと少し近くなるね」


厩舎へ続く道を歩きながらお喋りをする。


「久しぶりの庭は気持ちいいわ。今なら渡り鳥も来ているはずよ」

「渡り鳥?」

「ええ。毎年ここの池に来るから今年も居るはずよ」

「じゃあ、ソワールとそこへ行こう」

「ええ」




*****




厩舎に着き、グリーズの元へ向かう。


「グリーズ・・・お腹大きすぎじゃない?」

「でも元気そうだよ?」

「お嬢様、大丈夫ですよ。産まれるまで早くて2ヶ月はありますからね」

「2ヶ月!?あんなに大きなお腹なのに?」

「馬の子は大きいので。生まれたら1時間もあれば立ちますからね」


生後1時間で立つの?野生だったらすぐに立てないと危ないものね。でも、人と動物の1歳はかなり差があると言うけれど・・・生後1時間で数ヶ月の差なの?


「大きいって産まれたらどのくらいなの?」

「だいたい立つと1m、体重も50kg程です」


という事は・・・グリーズのお腹には50kgが入っているの?もっと心配になったわ・・・。


「リリ、皆が着いているから大丈夫だよ。そんなに不安そうな顔をしないで」

「そうね。また溜息をつかれそうだわ・・・」

「そうだね。時々様子を見に来ようね。そろそろ、渡り鳥を見に行こうか」

「ええ。グリーズ、また会いに来るわね」




*****




リュドとソワールに乗り、途中作業をしている使用人達に声を掛けながら池へ向かう。


「本当に広いね」

「リュドは庭を馬で走らなかったの?」

「ずっと邸で仕事で馬で走るのは視察の時だったよ」

「じゃあ、これからは一緒にお散歩をしましょうね」

「そうだね」


ゆっくり歩いていくと、しばらくして池が見えてくる。


「リリ、池って言ってなかった?」

「皆が池と言うからそう呼んでいるわ」

「もっと小さいのを想像してたよ」

「そうよね・・・子供の頃も湖と何が違うのか、わからなかったわ。さらに奥に行くと森よ」

「昔、箱入りでも不満は無いって言ってたけれど納得するよ」

「ふふ、広すぎてそうでしょう?初代が拝領する前は侯爵領だったらしいから、そう聞くと広さも納得するわ」

「あぁ、うちの領は前がよくわからないよ。国をまとめるのにごたついていたみたいだからね」


どこの領も拝領した数百年前の事は詳しくわからないのよね・・・当主の手記で多少は伝わっているけれど。


いくつかの国が合併して今の国になったみたいだけれど、この世界は人口の問題とかあるせいか、爵位の割に大きな領地を皆任されているのよね。


きっと領地を治められる人や貴族も少なったのね。


厩舎に居る間に準備をしてくれた様で、池のほとりにあるガゼボには、お茶の用意がされていた。


温かいお茶を飲みながら鳥達を眺める。前世のカルガモみたいな感じだけれど色がカラフルよ。赤、青、黄色に更に色が混ざったり濃淡も色々。


「凄く派手な鳥だね」

「ええ。冬は庭が寂しくなるから見ているだけで楽しいわ。子供が生まれると並んで泳ぐから可愛いのよ。この季節だけ庭師達が草で浮島を作って少しだけ鳥達の子育てをお手伝いをするの」

「そういえば来る時も給餌台がいくつかあったね」

「懐かれている庭師も居るわ。子供の時リスを肩に乗せている庭師を見た時は羨ましかったわ」

「それは羨ましいね。少し冷えてきたね」


用意されていた毛布をリュドが羽織ると、そのまま膝に乗せられ包まれる。暖かいけれど少し恥ずかしいわ・・・。


「リリ、照れてる?」

「当たり前でしょう・・・」

「最近、リリの反応が変わったね」

「そうかしら?」

「前から恥ずかしがったり照れたりはしていたけど・・・ちゃんと俺を意識してくれる様になったね」

「意識しているから、いつもとは違って見えるのかしら?」

「いつもと違う?」

「ええ。リュドがとっても格好良く見えてドキドキするわ」

「それは嬉しいね」


額や目尻に口付けられる。領地に来てから晩餐の後、膝に乗せられてのスキンシップは増えたけれど・・・前よりドキドキするわ。


「リリ、可愛い。凄くドキドキしてる?」

「だって・・・リュドに触れられると、恥ずかしいけれど嬉しいもの・・・」

「リリ・・・」


触れるだけの優しい口付けをされる。もっとして欲してくて、リュドのコートを引っ張ってしまう。


「あまり煽らないで・・・」

「カティ様は怒られない程度のスキンシップはしていたって・・・」

「リリはちゃんと駄目な所で我慢出来る?」

「多分・・・?」

「俺がもう少しだけって言っても?」

「少しなら良いかしら?」

「うん。駄目だね・・・受け入れすぎは駄目だって言ってるよね?」

「でも、リュドのお願いは叶えてあげたいわ・・・その・・・・・・最後までしなければ良いのでしょう?」


恥ずかしそうにリリはそう言うが・・・駄目なラインが駄目すぎて目眩がする・・・。


恥ずかしがりながらも、最近やっと慣れてきたのに何故そこは緩い?リリの房事教育はどうなっているのかと真剣に問い詰めたくなる。


リリが積極的なのは嬉しいが・・・そんな所までして駄目とかどんな拷問なのか・・・。


「リリ・・・ごめんね・・・・・・邸に戻ったらサラさんに怒られてね」

「何故かしら?」

「怒られたらわかるよ」


邸に戻って暖かいお茶で体が温まるとサラに怒られたわ。駄目なラインは私が思っていたより、ずっとずっと前の段階だったわ・・・恥ずかしい・・・。


教育は受けたはずなのに・・・前世のせいかしら?



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