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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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83話


11月も半ば。私とティナも卒業試験の為、授業後はカフェテリアで勉強をしているわ。


王宮の試験者のために先生方もマナーや剣術、魔法等の補習をしてくれている。希望をすれば受けられるわ。


騎士団は魔力量13000、魔術師団は15000と言われているけれど文官も必要だもの。魔力や実技が足りなくても一定数は採用されるから、目指している人達は本当に真剣よ。


「実技の練習に行く人も多いのかしら?最近カフェテリアが空いているわね」

「リリ、少し休憩にしましょう?」

「そうね。デザートをお願いしましょうか」

「勉強をしていると甘いものが凄く美味しい気がするわ」


頭を使うと糖分を欲しがるとか言うやつよね?前世でも仕事の合間に、コーヒーを飲みながらチョコレートを食べていたわ。


卒業試験は王宮採用試験に比べたら簡単よ。3年間でどの程度身についたのか各家に結果が送られるのと、記録が学園に残るだけだもの。


就職や転職する時に、卒業試験の記録を求められる事があるから手は抜けないけれどね。あまりに成績が酷いと家で再教育よ。


紅茶とケーキを食べながら。


「リリはウェディングドレスの仕立てってどう?」

「最初に希望は言ったけれど後は任せているわ。でも仮縫いで仕立て途中のドレスを見たけれど美しかったわ」

「私はまだ仮縫いはしていないけれど、何だかいつものドレスと気持ちが違うわよね・・・」

「そうね。結婚するって実感が湧いたわ」

「ふふ、私もよ」




*****




邸に帰るとリュドが出迎えてくれる。


「お帰り、リリ」

「リュド、ただいま」

「今日はリリに確認して貰う物があってね。サロンへ行こうか」


リュドにサロンまでエスコートをされるけれど、あの夜から少しドキドキしてしまうわ。自分からしたのだけれど・・・いまだに恥ずかしい・・・。


紅茶と焼菓子を摘んでいるとテーブルに図面が広げられる。


「これは何かしら?」

「カントリーハウスの俺達夫婦の区画だよ」

「夫婦の・・・・・・」


じわじわと顔が熱くなってくるわ・・・。


「1階の改装はもう始まっているけど、リリは何か希望はある?」

「派手なのは好きじゃないわ。落ち着く部屋が良いわね」

「サラさんに好みは聞いているから、多分大丈夫だと思うけれど領地に帰って気に入らなかったら直そう」


そうね。サラは私より私の事を知っているもの間違いないわ。


図面を見ると1階はお互いの執務室と補佐の部屋等、仕事に関する部屋が並ぶ。2階が夫婦の寝室で両側にお互いの私室とドレスルーム。右の奥はプライベートなダイニングとサロン。左の部屋は何かしら?


「仕事に関する部屋は1階にまとめたよ。2階はプライベートな空間。奥のダイニングとサロンは邸の端だから見渡せて景色が良いよ」

「この左側は何かしら?」

「あぁ、夜勤の使用人と護衛の部屋。それと子供部屋の予定だよ」

「子供・・・・・・」

「幼い時は部屋が近い方が良いかと思ってね。教育が始まれば移動させればいいさ」


リュドとの子供・・・ちょっと想像出来ないわ・・・。夫婦になるのもやっと実感してきたのに。


「ありがとう。領地に帰る楽しみが増えたわ」

「こっちは領地に帰っている間に終わるからね」

「こっち?」

「そう、タウンハウスは寝室の隣は私室兼執務室になるよ。しばらくはハイシーズンしか住まないしね」


結婚したら・・・いつも一緒に眠るのね・・・。眠れるのかしら・・・。


「リリ、顔が赤いけれど・・・大丈夫?」

「大丈夫よ・・・」

「リリはなかなか慣れないね」

「リュドはいつも余裕があってずるいわ・・・」

「リリもそのうち慣れるよ」


その後もお喋りをして、久しぶりに一緒に晩餐を食べて楽しい時間を過ごせたわ。




*****




試験は3年間で1番難しかったわ。


湯浴みを済ませてベッドに横になる。今週は頭を使い過ぎて仕事のやる気が出ないわ・・・。


魔法の実技は思った以上に上手く出来たわ。結局上位属性は「氷」しか取得出来なかったけれど、氷魔法を含め4つの属性が上級まで使えるようになったのは嬉しかったわ。


まぁ、スキルを使えば何でも出来るけれど・・・なるべくスキルに頼らないようにしているから、使うのは時々ね。


1番無制限に使ったのは多分サファイアの時ね・・・ティナの為だから後悔はしていないわ。多少やり過ぎたけれど・・・。


そういえば、絶対に前世同郷の人が作った魔道具がたくさんあるのに、何度か魔道具組合に行ったけれど、いまだにそれっぽい人に会えた事がないわ。


アフタヌーンティーセットの3段のやつもそうだと思うのよ。あのカフェ・・・時々前世で食べた物が新メニューになるもの。


「考えた事が無かったけれど、前世があると人に知られたらどうなるのかしら?特にスキルなんてチートよ・・・絶対知られたくないわ」


私はこの世界も好きよ。貴族は少し息苦しいと思う時もあるけれど。


あったらいいなと思う前世の物もたくさんあるけれど、誰か作ってくれたら・・・と思うだけで、自分で作ったり〇〇チートとかやりたいとは思わないわ。


前世同郷の人にも会ってみたいと思うけれど、国や世代が違ったら懐かしさも何も無いわね。でも、こういう悩みは相談できたわね。


「リュドに隠し事をしているのはやっぱり嫌だわ・・・」


前世やスキルの事を話した方が良いのかしら?


「でも・・・リュドに嫌われたくないわ・・・」


リュドと同じ香りのするヌイグルミを抱き締める。


リュドと同じライトブラウンに青い瞳のクマのヌイグルミをくれた時は、子供扱いされているみたいで拗ねてしまったけれど・・・この香りがして手放せなくなってしまったのよね。


「はぁ・・・いつまでも悩んでいても仕方がないわ。卒業したら領地に帰るし、落ち着いたら話そうかしら・・・」


先延ばししてばかりだわ・・・。



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