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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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80話


試験も終わり少し余裕ができる頃。


王宮に就職を希望する人達は、11月に王宮の採用試験があるから何かと忙しそう。少しずつ皆の進路がハッキリしてきて、学園での過ごし方も人によって様々よ。


今日は授業後、カフェテリアでティナと一緒に課題をやっているわ。


「リリ・・・あれから「おねだり」は出来たの?」

「出来てないわよ・・・だって何て言ったら良いのよ・・・恥ずかしくて無理よ・・・」

「まぁ・・・そうよね・・・」

「ティナだったら・・・何て言って「おねだり」するの?」

「ふぇ?・・・無理よ・・・恥ずかしいわ・・・」


2人して頬を染めて無言になる。


「私達もカティお姉様みたいに、いつかなれるかしら?」

「ティナ、無理だと思うわ・・・」

「そうよね。アンディー様が色々と頑張ってくれているのは知っているから、何かしてあげたいとは思うの・・・」

「じゃあ・・・ティナも頑張ってね」


学園の勉強より難しい問題に2人して頭を悩ませた。




*****




週末はウェディングドレスの初めての仮縫い。


「マダム、ご機嫌よう」

「リリアンヌ様、ご機嫌麗しく。とうとう、リリアンヌ様のウェディングドレスを仕立てる日が来ましたわね」

「自分でも少し不思議な気持ちよ」


衝立の中で微調整をされながらドレスを着せてもらう。普段の仮縫いとは少し気持ちが違うわね。


白いマーメイドラインのドレス。この世界の結婚式のドレスは色は自由だけれど・・・前世のせいかしら?やはり白を選んだわ。


リュドに初めてエスコートをされたのもデビュタントの白いドレスだったし、何となく特別な色なのよね。


「まぁ、とてもお綺麗ですわ」

「お嬢様、よくお似合いですよ」


光沢のある上質な白い生地に膝の辺りからはシフォンが重ねられている。全体は白の刺繍、胸元や裾はライトブラウンと金糸を混ぜた糸で刺繍が施される。


鏡の前でくるりと後ろを確認すると、白い光沢のあるリボンで編み上げられている。


「刺繍はまだまだ途中ですが、胸元と裾にもっと入りますわ。背中も胸元から繋げ、腰の辺りはバランスを見て施す予定です」

「素敵ね。どうかしら?」


サラとメルの方を見る。


「お嬢様はスタイルが良いですからね!とてもお綺麗ですわ」

「メルありがとう。でもマーメイドドレスはリュドが嫌がらないかしら?」

「ふふ、リュドヴィック様のはただの独占欲なのでお気になさらずに」

「大丈夫ですよ。リュドヴィック様がドレスを見るのは当日ですから!」

「ふふ、そうね。何だかイタズラをするみたいだわ」


話しているとルゥが夫人を案内してきた。


「リリアンヌ様、ご機嫌麗しく」

「夫人、来てくれてありがとう」

「素敵なドレスですわね」

「このドレスに合わせてパリュールをお願いしたいの」

「畏まりました」


ドレスから着替える間に、マダムと夫人が話し合ってデザイン画を描いていく。


ソファに座るとディアデムとパリュールのデザイン画とドレスの上半身に身につけたデザイン画が並べられる。


「この様なデザインは如何ですか?」

「素敵ね。ドレスともよく合っているわ」

「石はやはり・・・リュドヴィック様のお色が宜しいでしょうか?」

「そうね。ドレスもライトブラウンと金糸を混ぜてもらったの」

「わかりましたわ」

「細かな所はお任せするわ。夫人もマダムもいつも素敵に仕上げてくれて信頼しているもの」

「「ありがとうございます」」




*****




湯浴みをしている頃にリュドが帰って来たらしい。婚約してからはガウンを着ていても夜着で会うのは良い顔をされないのよね・・・。


「もう少し早ければリュドに会えたのに・・・」

「今回の視察はいつもより長かったですからね」


メルに髪を梳いてもらいながら、つい拗ねてしまうわ。


「お嬢様、リュドヴィック様が来ていますが会われますか?」

「良いの?」

「今回は特別ですからね」


ガウンを着せられるとリュドが部屋へ入って来る。ドアは開いているが、サラとメルは下がってくれた。


「リュド、お帰りなさい」


嬉しくて抱きつくと優しく抱き締められる。


「リリ、ただいま」


そのまま抱き上げられ膝に乗せられソファに座る。


「リリのこの格好も久しぶりに見るね」

「従僕の時は夜によく資料を持って来てもらったものね」

「そうだね。リリは仕事のし過ぎだったね」


するりと頬から耳を撫でられる。恥ずかしいし・・・物凄くドキドキするわ・・・。


「リュド・・・」

「その顔は可愛いけれど、こんな格好でしちゃ駄目だよ」


頬や目尻に口付けられる。リュドの頬に手を添え触れるだけの口付けをする。


「リリ、駄目だって言ったよね?」

「だって・・・」


少しリュドの目元が赤くなって、照れている顔は久しぶりに見るわ。


「はぁ・・・俺も我慢してるんだからね」


優しい触れるだけの口付けを何度もされる。何だか心も体もふわふわするわ。


「ふふ、リュドが照れているの・・・久しぶりに見たわ」

「好きな人から口付けられたら、俺だって照れるよ」


何だか急に恥ずかしくなってきたわ・・・雰囲気に流されてしてしまったけれど・・・。


「リリ、真っ赤だね。自分からしたのに恥ずかしいの?」

「だって・・・」

「本当に可愛いね」


抱きしめられ髪を梳かれながらリュドにもたれ掛かっていたら、眠くなってきてベッドに促されるけれど・・・もう少し一緒に居たいわ。


「リリ?眠いのならベッドに行こう」

「・・・もう少し・・・」

「このまま寝たら怒られちゃうよ?」

「起きてるもの・・・」


静かにサラさんが部屋に入ってきて上掛けが捲られ、右側を開けて天蓋が下ろされる。


「ベッドまで運んであげるから。ね?」

「うん・・・」


ベッドに下ろすとリリは渋々手を離して、ヌイグルミを抱き抱える。


「それ大事にしてくれているんだね」

「いつも一緒に眠るの」


いつも一緒・・・自分で送ったヌイグルミなのに嫉妬心が湧く。グッとこらえて上掛けをかける。


「おやすみ、リリ」

「おやすみ、リュド」


眠ったのを見届けて天蓋を閉める。


「リュドヴィック様、お手数をお掛け致しました」

「珍しく寝る前の許可が出たけど何かあった?」

「試験の辺りは珍しく寝不足で、最近も寝つきが良くありませんでしたから」

「それで珍しく・・・」


久しぶりに見た、やや寝ぼけて甘えるリリは可愛かったが・・・ヌイグルミはもっと小さな物を贈るべきだったな。


「ヌイグルミに嫉妬するのは、どうかと思います」というサラさんの言葉は聞かなかった事にした。



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