07話
後半に世界観の説明がありますが、読み飛ばして頂いてもストーリーには影響はありません。
あれから週に3回乗馬の練習をしているわ。最初は2回だったのよ、しばらくしてサラが増やしてくれたの。すごく嬉しかったわ。
それに馬場の中だけなら馬に乗れるようになったの!
まだ歩くだけよ。本当に賢い馬で私が指示を間違えると「本当に合ってる?」とこっちを振り返るの。多分、私が何もしなくても先生と同じ動きをしてくれるわね・・・。
目標は馬に乗って庭をお散歩よ。
ちなみに馬の名前は「グリーズ」よ。
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乗馬に勉強、お父様について領地の視察と忙しい日々を過ごしているわ。今週は先生と共に各ギルドに見学に行って来たの。
ギルドは全部で7つ。魔術師ギルド、金融ギルド、商業ギルド、運送ギルド、建設ギルド、医療ギルド、冒険者ギルド。
各ギルドの下に様々な組合があり人々の生活を支えているの。領都にはそれぞれの本部があり各街には支部があるわ。
1番面白かったのは魔術師ギルドよ。魔道具組合で明かりの魔道具を作る体験をしたわ。魔力を込めながら魔法陣を書くのはとっても難しかった。魔法を使うのとは全然力の使い方が違うのよ。
ずっと気になっていた「進化しない部分」について聞いたけどギルド長も先生も「良い視点ですね」と褒めてくれたけど、答えは教えて下さらなかったわ。
冒険者ギルドでは衝撃を受けたわ。
子供のお小遣い稼ぎの依頼といえば薬草採取と思うでしょ?この世界ではヘルパーさんの様な仕事が子供向けの依頼だったわ。体の不自由な方やお年寄りの方に変わり掃除や買い物の代行、草むしり等の雑用が仕事よ。
子供が取って来られる頻繁に使う薬草は医療ギルドが栽培して安定供給しているんですって。珍しい薬草は採取専門の冒険者さんが取りに行くそうよ。言われてみれば当たり前よね。
採取頼りとか不安よ。普通の風邪でも命取りだわ。この世界は人口が少ないんですの。平民といえど命は大事ですのよ。
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この世界の事を少し話そうかしら。
前にも言ったけど滅びかけたせいで人類滅亡寸前だったの。理由は長期間に渡る戦争。とても愚かよね。
世界自体が粉々に砕けて消えてしまう所だったのを、この世界の神である女神イーリス様が外側から長い時をかけ修復し、内側からは精霊様が修復して世界は存続したのよ。
精霊様が存在する為には魔力が必要で人間も魔法が使えるようになったのよ。動物も一部魔獣になったわね。あと稀に魔物が出るわ。魔物はこの世界に綻びが出来ると生まれるらしいの。
精霊様にはイーリス教の偉い人か王様じゃないと会えないわ。普通は見えないしね。この世界の成り立ちやイーリス教については最初に習うの。物語みたいだけど真実よ。その中には子供心に恐ろしいと思う話もあるけれど過ちを繰り返さないための大事な教えね。
この世界は球体。大きさはわからないわ。世界地図には大陸が3つ、国が10カ国あるわ。ビックリでしょ?私は三度見くらいしたわね・・・。千年前で50カ国くらい、合併したり滅びたりを繰り返して三百年くらい前に今の10カ国になったそうよ。
9カ国は王政。残りの1カ国はイーリス教の総本山があるイーリス教国よ。王政は王族の下に貴族、平民ね。イーリス教国は精霊様の下に教皇、大司教、司教、司祭だったかしら?
そうそう、人口が少ない話もしないとね。五百年くらい前から出生率が下がったの。その上、子供が生まれにくくて死にやすい。理由は不明。平均寿命は40歳くらい。戦争はしていないけど滅亡フラグが立った様なものね。
世界全体で医療は1番に改善され、平民の生活もかなり向上したわ。ちなみに人手不足でスラムは無いわね。座ってる暇があるのなら働いて欲しい所は沢山あるもの。
残念ながら孤児はいるわ。でも病気や事故で親を亡くした子供は教会併設の修道院でちゃんと育てられるの。
今は人口も順調に増えて平均寿命は60歳前後かしら?それでもまだ少ないわ。
ちなみに魔法はね、5歳で洗礼を受けないと使える様にならないわ。貴族も平民も必ず洗礼を受けるの。教会にある洗礼室の水盤に手を入れると水の中から適性や魔力量の記された紙が浮かんでくるの。不思議よね。
魔力量は魔力操作の練習をすれば増えるから最低限の数値ね。私も毎日寝る前にやっているわ。あと基本的には全属性使えるわ。マッチ的な感じで火を出したり、ちょっと水を出したり。初級の前の基礎ね。
洗礼を受けた平民には教会が読み書き算術、魔法と常識を教えているわ。能力次第で各ギルドや組合からスカウトが来るの。この世界では無職の人を探す方が難しいわね。体が不自由でも年老いても出来る仕事はあるもの。
貴族は学園に入るまで家で家庭教師から学ぶわ。魔力量が多いから実践で魔法を習うのは10歳~14歳の間で先生次第よ。でも使ってみたいから魔力操作と座学を頑張るの。
あら、ごめんなさい。つい長くなっちゃったわ。この世界の事、少しはわかって貰えたかしら?




