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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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73話


今年も社交のハイシーズンがやってきたわ。


昨年はリュドと婚約の挨拶に回っていたけれど、今年は卒業後を考えて出席するお茶会やパーティを選んだの。


社交シーズンの到来を告げる最初の夜会となるのはデビュタントの夜会。


今回もライトブラウンのドレス。ウエストから上下に光沢のある白の刺繍がグラデーションで施され、シフォン部分にはキラキラした石が縫い付けられている。落ち着いているけれど美しいドレスよ。パリュールはデビュタントの時の物。


リュドはブラウンに白と金糸の刺繍が施された衣装。金細工とパールのピンでアスコットタイを止め、カフスもお揃いの物。


「リリ、また俺の色をまとってくれて嬉しいよ」

「王宮の夜会は1番盛大だからリュドの色で行きたいの」

「ありがとう」

「ふふ、そろそろ中に入らないとね」


ホールに足を踏み入れると、初々しいデビュタントの白いドレスが今年も目に入る。ここ来る度にリュドにエスコートされて出席した事を思い出すわ。


耳をするりと撫でられる。


「乱れているかしら?」

「いえ、触れたくなってつい」

「っ!!」


どうして急にそういう事を言うのかしら。顔が熱いわ・・・。あと突然社交モードに入るのもドキッとするのよね。


「そんな可愛い顔をしては駄目ですよ」

「リュドのせいだから仕方ないわ・・・」


リュドに寄り添うと腰を抱かれたエスコートをされる。いつも翻弄されるのに許してしまうわ・・・。私リュドに甘いのかしら?




*****




挨拶回りを済ませ、リュドとダンスを踊ると休憩の為にデザートを食べに行くのが夜会でのルーティンになっている。


「年末の失礼な方達は見かけなかったわね」

「何だか変な病気に罹っているらしいよ」

「まぁ、きっと日頃の行いが悪いからね」


余計な害虫が居ないと社交も楽しいわね。


「リリはコーヒーはブラックなのに甘いもの好きだよね」

「ええ。好き嫌いは無いわね」

「よく食べるのに全然太らないし」

「その話題は女の子にしては駄目なのよ!でも・・・乗馬のお陰かしら?」


リュドとデザートを食べながらお喋りをしているとティナとアンドリュー様が合流した。


「リリ、やっぱりここに居た」

「帰る前にデザートは食べたいもの」

「よく食べるけれどリリって太らないわよね」

「今リュドにも同じ事を言われたわ」

「きっと栄養は全部そこに行くのね」


ティナに胸を指差し言われる。


「クリスティナ様、それは俺のなのであまり見ないで下さいね」


後ろからリュドに緩く抱き締められる。


「リュド様ずるいわ。リリのはマシュマロみたいなんだから!」

「ティナ、ここでそういう話は駄目だよ」

「でも、アンディー様・・・・・・」


何故私の胸を巡ってティナとリュドが争っているのかしら?ティナも少しは成長したのよ。


「今度は何があったんだ?」


サミュエル様とカトリーヌ様も合流する。リュドからのお願いで「お兄様」とつけないのも慣れてきたわ。


「サミュエル様とカティ様も休憩ですか?」

「ええ。今回は少し疲れたわ」

「結婚式まであと2ヶ月ですね。楽しみですわ」

「ふふ、大変だけれどね」


お2人は婚約までは時間がかかったのに、結婚は予定より早くなったわ。


「リュドとティナは何を揉めてたんだ?」

「リリの胸をリュドが独り占めにするのよ」

「婚約者の俺の物ですからね」


いえ、私の胸は私の物ですけれど・・・。


「リリ様、少し宜しいかしら?」


カティ様に呼ばれ傍に行くとくるりと後ろを向かされ胸を鷲掴みにされる。


「これは・・・」

「カティ様・・・」

「争う程だもの気になるわ」

「はぁ・・・カトリーヌ嬢もなの?」


アンドリュー様は1番の常識人だから、いつも損な役回りのような気がするわね・・・。


カティ様も胸は大きい方よ。Dくらい?1番バランスが良いと思うわ。


「私は少しコンプレックスなのですが・・・」


無いよりは良いけれど大きいのも悩みなのよね。


「あら?そうなの?」

「ええ。あまり大きいのも・・・」

「でもリュド様はお好きかもしれないわよ?」


あら?リュドは大きい方が好きなのかしら?リュドをじっと見つめこてりと小首を傾る。


「リリ、ちょっと控え室で話し合おうか?」

「リリ様はこの手の事にとっても鈍いから急いじゃ駄目よ?」

「カトリーヌ様、ご忠告ありがとうございます」

「くくっ、こういうくだらない話が出来るのは良いな」

「僕達集まるといつもこうだね。社交で疲れても帰る前に皆と話すのは楽しいよ」


とりあえず、私の胸の話は終わったのかしら?


「リリ、少し控え室で話し合おうね。それではお先に」


リュドにエスコートをされる。あら?何故か皆の目が哀れんでいるような・・・。




*****




休憩室のソファでリュドの膝の上に座られているわ。


先程までのリュドは社交用で爽やかな笑顔だったのに、色気溢れる笑顔になっているわ・・・腰に腕を回されて身動きが取れないのが怖い。


「リリ、他の人に触らせたら駄目だよね?」

「カティ様の事は不可抗力よ?」

「そうだけど・・・駄目だよね?」

「今度からは気を付けるわ」


「ね」に圧を感じるわ・・・これは・・・どうしたら機嫌が直るのかしら?


「リュドは・・・胸は大きい方が好きなのかしら?」

「リリが好きなんだから大きさなんて関係無いよ」

「本当に?」

「本当に」


優しく抱き締めてくれてほっとする。


「でも女の子は気軽に触れられて羨ましいね・・・」


これは触りたいのかしら?恥ずかしいけれど・・・少しなら良いかしら?


「リュドも・・・少し触ってみる?」

「リリ・・・我慢できなくなるからね。そういう悪い子にはお仕置かな・・・」

「お仕置・・・・・・」


額から始まったお仕置は跡はついていないけれど・・・唇以外の色んな所に口付けをされたわ・・・。


恥ずかしくて死んでしまいそうよ!


ドレスから出でいる部分で触れられていない所はないんじゃないかしら・・・イブニングドレスには防御力が無いのが問題だわ・・・。


「真っ赤だね・・・ごめんね?リリが可愛くてつい」


私が恥ずかしさで震えているのに、リュドはどうして平気・・・というか凄く嬉しそうね・・・。


「リュドは嬉しそうね・・・」

「俺にはご褒美で、リリにはお仕置だからね」


何かしら?凄く不公平な気がするわ・・・。



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