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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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72話


学生生活も残り1年を切ったわ。


社交、勉強、仕事と相変わらず忙しい日々を送っているわ。でも残りの時間も楽しく過ごしたいわね。


恋愛偏差値は安定のマイナスだから多少・・・いえかなり・・・リュドに翻弄されているわね・・・。恋愛のお勉強は私にはハードルが高いのよ・・・。


恥ずかしいからカティ様にも、なかなか相談出来ないわ・・・。


体の成長は止まったわ。


背はじわじわと伸びて168。胸は・・・前世で言うとEくらいかと・・・ちょっと大きくてコンプレックスね。


大好きなグリーズとの乗馬のお陰でメリハリボディになれたのは嬉しいのだけれど・・・イブニングドレスの時に、いまだに気になるわ。


顔は入学の頃からあまり変わらず、やや童顔のままね。夜会用のメイクをすると少しは大人っぽくなるけれど・・・普段は今まで通り白粉にチークと口紅を少し乗せるだけのせいかしら?


胸も入学の頃で止まってくれたら良かったのに・・・。


でも・・・デビュタント前に想像していたより、何となく子供っぽい気がするわ・・・。3年生になる頃には、もっと大人っぽくなれると思っていたのに。




*****




もうすぐ3月。今日は久しぶりにリュドと乗馬に行けるから楽しみなの。


リュドの勉強は領地経営に変わり更に忙しそうよ。月に1、2回は会えるけれど、無理をしていないか心配よ。


淡いグリーンのアフタヌーンドレスに黄色のお花のコサージュがついた、ブリムの透けたアイボリーの女優帽をかぶせられる。手袋とブーツを履かせてもらい、最後にケープを羽織れば準備完了。


エントランスに降りるとリュドが待っていた。


「遅くなってごめんなさい」

「今日も可愛いね、リリ」

「ふふ、リュドも素敵よ」


最近また「リュド」と呼ぶようになったわ。


リュドはシンプルなシャツとツイードの上下に黒のベスト。リュドの私服はモノトーンが多いわね。爽やかは相変わらずどこかへ消えて、色気が漂っているわ・・・。


厩舎までお喋りをしながら歩くとリュドの黒馬ソワールしか居ないわ。


「グリーズはどうかしたの?」

「グリーズが妊娠したんです」

「まぁ!大丈夫なの?」

「元気ですが、子育てが終わるまで乗れません」

「グリーズが元気ならそんな事は良いのよ!グリーズに子供が産まれるのね・・・お父さん馬はどの子かしら?」


視線の先が・・・リュドのソワールね・・・。


確かによく一緒に出かけていたし、離してやると一緒に草を食んでいたわ。少しだけ嫉妬心が湧くけれどグリーズが選んだ相手だもの仕方がないわ。


「グリーズは白に近いし・・・何色の子が産まれるのかしら?楽しみだわ」

「リリ、今日はソワールに一緒に乗って行こう」


リュドが馬に跨ると前に乗せられる。いつも自分で乗っていたから変な感じね。邪魔にならない様ブリムを手で押さえリュドにもたれ掛かる。


小川の流れる王家の森までゆっくり歩き出す。


「こうして乗せてもらうのは初めてね」

「リリの初めてをまた1つ貰えたね」

「リュドとは初めてばかりよ・・・」

「そうだね・・・くくっ」

「もう・・・笑わなくても良いじゃない」

「俺はリリの初めてをたくさん貰えて嬉しいよ」


何だか言い方が恥ずかしいわ・・・。




*****




森に着くとリュドに降ろしてもらい、ご褒美の角砂糖をソワールにあげる。


「今日は1人だけれど、あまり遠くに行かないでね」

「リリ、おいで」


木陰に布を敷いてリュドが準備をしてくれる。ブーツを脱がせてもらい、手袋と帽子も外される。


「リュド、手袋と帽子は自分で出来るわよ?」

「俺がしてあげたいから良いの。ケープはどうする?」

「今日は暖かいから脱ごうかしら?」


リボンを解かれケープも綺麗に畳まれる。リュドは最近会うと何故か世話を焼きたがるわ・・・。従僕の時よりも甲斐甲斐しいのよ。


手を拭かれ、紅茶を受け取り口をつける。


「美味しい・・・」

「森の中でお茶をするのは気持ちいいよね」


リュドに焼き菓子を差し出され口を開く。食べさせられるのに慣れてきて、差し出されると口を開いてしまうわ・・・。


「リリ、食べさせて?」


いまだに恥ずかしいけれど焼き菓子を差し出すと、指までパクリと食べられ、ペロリと舐められたわ・・・。


「リリ、真っ赤だね」

「いつもリュドのせいよ・・・」

「結婚まで1年くらいだから、もう少し慣れて欲しいからね」

「そうだけれど・・・」

「まぁ・・・唇にキスしたら俺が我慢できなくなりそうだけど・・・」


固まっているとカップを取り上げられ、リュドの膝に乗せられる。膝に乗るのも慣れてきたのよね・・・人間は慣れる生き物だと前世で聞いたことがあるけれど慣れって怖いわ。


「大丈夫。リリの嫌な事はしないよ」

「恥ずかしいけれど、嫌ではないわ・・・」


体の力を抜きもたれ掛かると、そのままリュドが寝転ぶ。腰に乗るリュドの腕の重みも、優しく髪を梳かれるのも心地好い。


この世界は婚約者同士の触れ合いは、そこまで厳しくはない。だって婚前交渉をしたとしても・・・まず子は出来ないもの。それでも婚姻後が当たり前よ。


でも、そのお陰でこうして時々は2人で過ごさせてもらえるわ。


「リリはくっつくの好きだよね」

「そうかしら?」

「普段はベタベタしないけど、膝に乗せるのも慣れたのか力を抜いて体を預けてくるし、抱きしめた時も離すまで離れないでしょう?」

「だって・・・ドキドキするけれど落ち着くもの・・・離れたくなくなるわ」

「そういう理由だったの?可愛いなぁ・・・リリが甘えてくれるのは嬉しいよ」


私、甘えていたのかしら?何だか恥ずかしいわ・・・。リュドに甘えているから、子供っぽいのかしら?


「子供っぽくないかしら?」

「そう?」

「3年生になったら、もっと大人っぽくなれると思っていたの・・・」


抱えられたままリュドが起き上がるとギュッと抱きしめられ。


「リリがこれ以上綺麗になったら・・・心配で閉じ込めちゃうかもしれないよ?今でも心配なのに・・・」

「私はリュドしか見ていないのに?」

「今年のハイシーズンは夜会以外は一緒に出席出来るかわからないからね」

「1人でも大丈夫よ?私達に何かしようなんて・・・しばらくは思わないと思うわ」

「くくっ、確かにそうだね。ねぇ・・・リリの「良い事」て何したの?」


リュドの質問に話すか迷ったけれど。


「ふふ、内緒」

「そう。アンドリューがリリはえげつない手を使うって言ってたな」

「まぁ、アンドリュー様ったらひどいわ」


奇病がリュドヴィックの脳裏をかすめるが・・・リリアンヌが話さないのなら追求しない事にした。



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