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06話

「…」が「・・・」になっている事に昨夜気が付きましたが、このままとさせて頂きます。読みにくい、気になると思われましたら申し訳ありません。


邸に戻ってティータイム。厩舎まで往復30分ほど、乗馬の練習時間はわからないけど良い運動になりそうね。


でも、お菓子を食べている時点でリセットかしら?


「明日の午後、仕立て屋が来ますので必要な物が揃いましたら練習日をスケジュールに入れますね」

「ありがとう。楽しみだわ」


馬との触れ合いは社交の疲れが癒されたわ。アニマルセラピーね。


同じように家を継ぐ方達と友人になれたから有意義だったけど、疲れるものは疲れるのよね。ご令嬢とは手紙を書く事を約束したわ。


庭を見ながらぼんやりしていると、好きなハーブティーの香りが鼻をくすぐる。座り直し口をつけるとほっとする。


「サラ、ありがとう」

「初めての社交は如何でしたか?」

「サラもずっと一緒だったじゃない」

「私は後ろに控えていただけですから」

「じゃあ、見たままよ」


頬を膨らませて答えるとサラに笑われたわ。


部屋に戻り初めての社交シーズンを思い出す。ほぼ婿の売り込みだったわね。収穫はサミュエルお兄様が紹介してくれた方達くらいね。


サミュエルお兄様とエマニュエル様のお兄様が友人だとは知らなかったから驚いたけど、お2人と話すのはとても勉強になるわ。


学園に入学して2人共忙しいって言っていたけどストレスが溜まっていたのかしら?お花畑なご令嬢のあしらい方が遠回しに辛辣・・・。


嫌がられているのに気づかないご令嬢もどうかと思うけど、あの2人と居ると睨まれるのよね。私も家を継ぐからありえないのに見当違いな嫉妬なんて面倒くさい。


それにしても・・・ティナとアンドリュー様は良い感じだったわ。今後が楽しみね。




*****




今日は乗馬服のお仕立てよ。ドレスを作るより楽しみだわ。


まずは定番のデザインを見せてもらう。ジャケットは燕尾で下はキュロットというのね・・・今世初めてのパンツよ。首元はフリフリのアスコットタイ。何故シルクハットをかぶるのかしら?


「乗馬服はあまり種類がございません。横乗りならドレスですが跨って乗られるのなら男性と同様のデザインでしょうか」


完全に前世のピタッとした乗馬服をイメージしていたわ・・・。これなら鍛錬用の服を作ってもらった方が良くないかしら?


「マダム。わたくし初めて乗馬をするの。すぐには人前に出られないし動きやすくて汚れても良い・・・そうね男性が剣術のお稽古で着るような服は駄目かしら?」

「お嬢様の乗馬服としては少々問題かと・・・」


駄目なのね。だと思ったわ。とりあえず、フリフリとシルクハット回避の方向でいきましょう。


「この帽子は必要なの?日焼けを防ぐ様なものでは駄目かしら?」

「正装としては必要ですが、練習なら宜しいでしょう」

「私が乗る予定の子は白っぽい芦毛の女の子なの。鞍は黒革をお願いしたわ。シンプルだけど、その子に合うものが良いわ」


昨日サラに毛の色は芦毛というのだと教わったわ。


やんわりとシンプルを強調してみたわ。どうかしら?描き上がったデザイン画はジャケットに少し膨らんだパンツをブーツインしたような感じ。なんだか貴族のお坊ちゃまが子供の頃に着てるハーフパンツスタイルに似ているわ。


「少し女性らしくキュロットはゆとりを持たせました。裾はブーツに入れますから邪魔にはならないでしょう」

「帽子はどの様な物が良いかしら?」

「ブリムが広すぎると視界が悪く危ないですから、最近流行り始めたこちらは如何ですか?」


帽子のツバってブリムって言うのね。それにしてもマダムが描いてくれたこの帽子・・・何だか見た事あるわ。


わかった!あれよ!大正時代のお嬢様が洋服着て髪型ボブでかぶってる帽子よ。ドラマか映画で見たわ。


「この帽子にするわ。ブリムの長い物もあるのかしら?」

「御座いますよ。素材などで日中のパーティでもご使用いただけますわ。仮縫いの時にお持ちしますか?」

「ご迷惑じゃなければ色々見せて欲しいわ」

「畏まりました」


基本お仕立てはお母様とサラ任せで好みを言うくらいだったから、12歳なのに私ファッションに疎いわね・・・。




*****




仮縫いの時に見せてもらった帽子の数々は凄かったわ。


私の欲しかった女優帽もあったけど、ブリムが透けていたり大きなコサージュがついていたり、かぶり方不明のものまであったわ。前世ロイヤルな人達がつけていた帽子なのかわからないター〇ネーターみたいな名前のあれよ。


「今年の社交前に発表されましたがブリムの長いものは普段使いとしても人気ですわ。コサージュやリボンを取り替えることも出来ますので、買い足されて楽しまれる方もいますわね」


とりあえず女優帽は欲しいわ。ロリータ帽子から卒業したいもの!


女優帽と乗馬用にお願いした帽子もサラに選んでもらう。自分ではどれが持っているワンピースやドレスに合うかわからないもの。


素材違いに色違い。コサージュやリボンも含めて結構買ったわね・・・良いのかしら?マダムが帰った後サラに確認した。


「お嬢様が積極的にお買い物をされるなんて驚きましたがファッションにご興味を持たれた事が嬉しいですわ。予算ですか?お嬢様はあまりお買い物をされませんから、年間予算は十分余裕が御座いますし、毎年使わなかった分は積み立てておりますわ」と言われたわ。


サラがすごく喜んでくれているからロリータ帽子から卒業したかっただけとは絶対に言えないわね。


ところで私の年間予算は幾らなのかしら?積み立てって貯金よね・・・どのくらい貯まっているのかしら。



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