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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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66話


婚約のご挨拶があるからハイシーズンは思ったより忙しかったわ。3ヶ月なんてあっという間に過ぎてしまったもの。


リュドは王都と領地を行ったり来たりして、とても忙しくて心配だったわ。いつも通りに見えたし、本人も大丈夫だと言っていたけれど・・・。


リュドは私と違って普段から表面を取り繕うのが上手くてわからないのよね。猫をかぶるのが上手いせいかしら?


学園も通常に戻り、ティナとカフェテリアでランチをとるのも久しぶりね。


「やっと日常に戻ったわね」

「私は婚約パーティが昨年のハイシーズンの終わりだったから、ご挨拶出来てない所もあって思ったより忙しかったわ・・・」

「2人にもよく会ったものね。でも、リュド様が婚約者になった事を誰も驚いて居なかったわ。何故かしら?」

「ふふ、おじ様達がリュド様を望んでいたから、何となく皆そうなるのかなって思っていたらしいわ」


お父様達は周りに何を言っていたのかしら?恥ずかしいわ・・・。


「ご挨拶があるからリュド様とたくさん会えたのは嬉しかったわ。でも教育も忙しいから心配で・・・」

「リュド様はずっと領地なのよね?」

「ええ。挨拶回りで出席しなければならないから王都と領地を行ったり来たりしていたわ。普段会えるのは月に1、2回ね。後は夜会かしら?」

「少し寂しいわね」

「でも私の卒業までにって頑張ってくれているのは嬉しいわ」


でも寂しいのはどうしようもないのよ。


だから毎日ヌイグルミを抱き締めて眠ってしまうの・・・子供っぽくて恥ずかしいのだけれど安心するもの。




*****




ハイシーズンが終わると試験が待っている。湯浴みの後、試験勉強をする日も増えたわ。


平凡ブラウンさんはデビュタントとお茶会で2回の謹慎処分になり、今は大人しくしているわ。授業後に毎日マナーの先生から補習を受けているから、真面になると良いのだけれど。


「乙女ゲームかは結局わからないわね・・・」


だって攻略対象者が半分血の繋がった義兄とかヤバいわ・・・。どんな昼ドラよ。あら?お茶会乱入で掴み合いとか、よく考えたら昼ドラの方がしっくりくるのかしら?


昼ドラも詳しくないけれどドロドロ感はあるものね。でも異世界小説、乙女ゲーム、昼ドラ・・・私はどれも詳しくないのよね。


昼ドラはあれよ「役立たずのブタ!」とか罵る女同士のドロドロしたやつよね。その有名なセリフしか知らないのだけれど。


「彼女の名前を元に何か出版物をスキルで出せないかしら?」


ふと思いつき、名前を元に小説や雑誌、ドラマに映画と思いつく限り試したわ。何も出てこなかったから適当に「コレット・デュクルーの話」と思い浮かべたら出たわ・・・。


中を見たけれど・・・彼女の日記だったの・・・・・・ヤバいわ。


彼女あれよ。メンヘラ?ヤンデレ?こういう人は何て言うのかしら?とにかくメンタルの激しくヤバイ人よ!


お義兄様への執着心溢れるドロドロした愛が綴られた内容に震えたわ・・・。本当にお義兄様の事が好きなのね・・・。


社交デビューと学園を卒業すれば、何故か結婚出来ると思い込んでいるわね。男爵様がこの2つを叶えたから余計に執着心が増しているけれど・・・絶対に実らない恋だから歪んでしまったのかしら?


怖いのに止まらなくて最後まで読んでしまったわ・・・怖いもの見たさってやつかしら。


素行調査なんて全然可愛いものよ!これこそ「闇」というのよ!




*****




試験が終わり皆の気が緩む頃、平凡ブラウンさんは男爵家を除籍され学園を辞めたわ。


理由やどこへ行ったか等、色々噂されているけれど詳しくはわからないわ。痴情のもつれと噂で聞いた時には震えたわね・・・。


急にお話が終わってしまった感じはするけれど、私も日記を見てから調査はやめてしまったもの。調べた所で彼女の行動原理は一貫しているから、お義兄様に関わらなければ害はないわ。


お義兄様か婚約者様に何かしたのかしら?日記の内容が蘇るわね・・・。やはりスキルに安易に頼ってはいけないわ・・・人の本当の闇を見てしまうもの・・・。


「リリ、どうかしたの?」

「平和になったなって思っていたの」

「あぁ・・・アレが居なくなったからね」


ハイシーズンの間にリュドは、2人で居る時は話し方が砕けてきたわ。自分の事を「俺」と言うようにもなったの。


リュドは平凡ブラウンさんが嫌いみたい。夜会で見ただけなのにどうしてかしら?


「リュド様は1度しか見ていないのに随分嫌っていたわね」

「まぁ・・・そうだね。あの兄は平気みたいだけれど、何か気持ち悪かったからね」

「気持ち悪い?」

「そう。アンドリュー達も同じ様に感じていたよ」


人のステータスは見ないようにしているけれど、平凡ブラウンさんは何かしていたのかしら?確認しておけば良かったわ。


考えているとリュドの膝に乗せられる。


「リリ?今は俺の事を考えて欲しいな」

「これは・・・恥ずかしいわ・・・」

「これも・・・だよね?なかなか慣れてくれないね」

「だって・・・」

「そういう所も凄く可愛いけれど」


髪を耳にかけられ、そのまま頬から耳や髪を梳かれ指先が時々肌に触れドキドキする。最近リュドの触り方が前と何だか違うのよ。


控えているサラが止めないから大丈夫なスキンシップだと思うのだけれど・・・背中や腰がソワソワして落ち着かない。


「くすぐったい?」

「少し・・・でも変な感じがするわ・・・」

「変な感じね・・・」


変な感じだと駄目なのかしら?こてりと首を傾げ見つめると。


「結婚までに少しずつ慣れていこうね」

「結婚までに?」

「そう。俺に触れられる事に慣れてね・・・」


それって・・・そういう意味かしら・・・。うぅ・・・恥ずかしいわ・・・。


リュドばかり大人の余裕があるのは、やっぱりずるいと思うわ・・・。


前世では私だってやる事はやっていたのよ。知識だって房事教育以上にあるもの。前世も合わせたら私は還暦!大人っていうか、おばあちゃんよ!


なのに何故かしら?全然勝てる気がしないのよね・・・。


「リリ、耳まで真っ赤だよ」

「リュド様のせいよ・・・」

「くくっ・・・少しずつ頑張ろうね」


耳に口付けられリップ音が恥ずかしい・・・これは本当に大丈夫なスキンシップなのよね!?



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