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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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63話


学園はデビュタントの喜劇ではなく事実で少し騒がしいわ。


あの夜会はほとんどの貴族が出席していたから、男爵家は大変でしょうね。


「リリ、デュクルー男爵令嬢はまた謹慎ね」

「あの方、何をしに学園に来たのかしら?」

「お義兄様を追いかけて?」

「卒業されているわよ・・・でも婚約者の方に絡んでいるからそうなのかしら?」


これは乙女ゲームなのかしら?だとしたら「禁断の恋」みたいな?乙女ゲームの知識が無いからわからないけれど、半分血の繋がった兄妹なんてあるの?



国が今の10カ国になった頃は近親婚も認められていたのよね。


今よりも人口が少ないから後継1人しか子供が居なかったり、どうしても相手が近親者しか居ない場合に限って王族や高位貴族の間ではあったそうよ。今は禁止されているわ。


下位の方達は平民との婚姻もよくあったそうよ。血筋にこだわって後継者ができる前に寿命が尽きたら爵位返上だもの。


血筋や家柄にこだわり出したのは、百何十年前くらいからよ。


「私もお兄様は好きだけれど無いわ・・・邸に帰ってから絶対に関わるなって言われたわ」

「私もよ。でも・・・あのドレスの構造は気になるわねぇ」

「ふふ、リリは転がるの期待していたものね」

「あら?バレていたのね。出来ればコロコロと転がって退場して欲しかったわ」


どなたか面白い喜劇として上演してくれないかしら?




*****




帰るとリュドが出迎えてくれた。


「リュド様、ただいま」

「お帰り、リリアンヌ様。一緒にランチでも如何ですか?」

「嬉しいわ」


リュドのエスコートで庭に用意されたテーブルへ向かう。


お喋りをしながら食事をしているけれど、リュドは食べ方は綺麗なのに私の3倍くらいの料理をペロリと食べてしまうわ。デザートになるとリュドが椅子を隣に移動させる。


「リュド様は細いのに、あんなにどこに入るのかしら?」


お腹も全然膨らんでいないのよ?どうなっているのかしら?


「男なら普通の量ですね。まだ食べられますよ」

「まだ入るの?」


だってお腹はぺたんこよ?すぐに消化されちゃうのかしら?不思議でペタペタとリュドのお腹を触っていたら。


「リリアンヌ様もご令嬢にしては、よく食べる方ですよね。こんなに小さな口で・・・」


するりと唇を撫でられる。顔が熱いわ・・・。


「そんなに小さいかしら?」


大きな口を開けて食べる事が無いからわからないわ。いつもより大き目にケーキを切ってみようかしら?


「そんなに大きくて大丈夫ですか?」

「多分?」


口に入れる直前で気づいたわ・・・無理ね。仕方ないから半分に切って食べる。それでも口に一杯だわ。


「可愛いなぁ・・・くくっ」

「だって食べられると思ったのよ」

「自分で思っているより小さいですからね」


食後の紅茶を飲んでいると頬を撫でられる。婚約してから、よく触れられる様になったわ・・・なかなか慣れないのだけれど。


「明日からは領地に戻ります。またしばらく会えなくなりますね」

「寂しいけれど我慢するわ・・・」

「寂しかったらこれを抱きしめて」


リュドと同じライトブラウンに青い瞳のクマのヌイグルミを渡される。


「子供じゃないわ・・・」

「良いから。抱き締めてみて?」


ふわふわのヌイグルミは抱き心地がいい。ふわりと良い香りがする。


「リュド様の香りがするわ・・・」

「中に香水が入っていて抱き締めると仄かに香るんですよ。寂しい時はこのヌイグルミを抱き締めて我慢して下さいね」

「うん・・・」

「リリアンヌ様の香りのヌイグルミも欲しかったけれど、リリアンヌ様は香水をつけていませんからね。こんなに甘くて良い香りがするのに・・・残念」


首筋に顔を埋められるのは物凄く恥ずかしいわ・・・。


ちなみにヌイグルミは枕の横が指定席になったわ。眠る時に抱き締めているとよく眠れるのよ。




*****




平凡ブラウンさんの謹慎期間が終わり、学園は色んな意味で騒がしいわ。


「リリ、今日はお茶会でも会えるわね」

「ええ。リュド様も昨日戻ったから一緒に行けるわ」

「婚約した年はご挨拶で色んな所に顔を出すから大変よね」

「でもそのお陰でたくさん会えるから嬉しいの・・・」

「ふふ、これは惚気かしら?」

「もう、からかわないで・・・全然慣れなくて困っているんだから」


ティナは気づいていないけれど、平凡ブラウンさんが柱の影から物凄くこちらを見ているのよ・・・家政婦は見た状態よ・・・。


ちょっと怖いから声をかけられる前に帰りましょう。


邸に帰り軽く軽食を摘み、水色に白い小花柄のアフタヌーンドレスに着替える。


「リリアンヌ様、とても可愛らしいですよ」

「リュド様も素敵よ」


リュドは使用人だったから社交用の服が無く、お母様が張り切って仕立てているわ。その結果、私のドレスとお揃いみたいな色味が多くて・・・少し照れるわ。


お茶会に向かう馬車の中で平凡ブラウンさんの事を一応リュドに報告する。


「何もして来ないなら良いけれど気をつけて下さいね」

「ええ。注意するわ」


主催のご夫人にご招待頂いたお礼と婚約のご挨拶をして、そのまま挨拶回りへと移る。未来の伯爵夫妻として今年から繋がりを少しずつ作っていく。


リュドの同級生やご友人に紹介された時は少し恥ずかしかったわ・・・。皆様とても喜んでくれていたのは嬉しかったけれど。


端のテーブルで休憩しているとティナ達がこちらへ来て同じテーブルに着く。


「デュクルー男爵令嬢の事を聞かれすぎて疲れたわ・・・」

「ティナも噂話が好きだからね」

「でも、アンディー様あれは聞かれ過ぎよ・・・」


あら?2人はいつから愛称で呼び合うようになったのかしら?こてりと小首を傾げていると。


「お2人は愛称で呼び合うようになったのですね」

「ああ。来る時にそうしようって僕からお願いしたんだ」


頬を染めて恥ずかしがるティナが可愛いですわ。


「リリアンヌ様」

「何かしら?」

「私もリリと呼んでも良いですか?」


リュドに呼ばれるのは嬉しいけれど恥ずかしいわ・・・。


「良いけれど・・・少し恥ずかしいわ・・・」

「そのうち慣れますよ、リリ」


顔が熱いわ・・・。どうしてリュドは平気なのかしら?これが大人の余裕なの?



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