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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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62話


リュドは領地に居て数日こちらに帰ってくる生活だから、会えるのは月に1、2度くらい。


家令のグレゴリーに色々と詰め込めれて、執事のフィリップに視察に行かされているみたいよ。


王都はハイシーズンに入り人が増えたわ。学園も3ヶ月は午前中だけになるけれど、皆少し浮かれているわね。


今日はティナとカフェにランチを食べに寄り道よ。


最近ワンプレートランチが新メニューとして出たわ。ティナは楽しそうに選んでいたけれど・・・私には目新しさは無いわよ。懐かしさは・・・少しあるかしら?


「そういえば、デュクルー男爵令嬢の話聞いた?」

「3月から1年に再編入したわよね?カフェテリアでは気を付けているけれどあまり興味が無いわ」

「まぁ・・・1年生にも避けられているけれど。でもデビュタントの夜会は本当に出るそうよ」

「まぁ、大丈夫なの?」


平凡ブラウンさんは2ヶ月で謹慎4回。早々に留年というか1年生から始める事になったわ。


「今年デビュタントの方達が可哀想ね・・・」

「そうね。きっと何かやりそうだもの・・・誰がエスコートをされるのかしら?」

「お義兄様だったら婚約者様と揉めそうね。義妹くらい制御出来なくてどうするのかしら」


卒業パーティを思い出したのかティナが顔を顰める。


「でも本当にデビュタントさせるの?嫁ぎ先も就職先も無さそうよ」

「デュクルー男爵はお金に困っていて、お金持ちに嫁がせたいとか?」

「調べたけれど堅実な方よ。あの方だけが男爵家で異質ね」

「デビュタントの方達は可哀想ね・・・」

「そうね・・・留年しても全然反省していないし・・・」


変な報告は上がっていなかったはずだけれど・・・帰ったら確認しましょう。




*****




邸に帰り、ルゥからデュクルー男爵家の調査書を受け取る。


男爵は領地経営は堅実で基本ハイシーズンや王宮の夜会等必要な時にしか王都には出てこない。タウンハウスは親戚と共同で借りて経費を削減している。お兄様は王宮の寮で、コレットさんは学生寮に住んでいるのね。


妻は病死。愛人の娘は引き取ったが再婚せず。母親は平民でカントリーハウスのメイドとして変わらず働いている。義兄は卒業後に王宮の文官に就職。同じく侍女として働く同じ歳の婚約者とは良好な関係。


「男爵家には問題は無いわね・・・ある程度マナーを身につけてからデビューでも良いのに・・・」

「使用人達は卒業パーティから入寮までしか知らず、ご令嬢の強い希望を父親が叶えたようです。学生寮の使用人も、あまり関わらないようにしていて情報は少ないですね」

「叶えたことを後悔しているでしょうね。彼女12歳よりマナーが無いのよ。後妻か妾として嫁がせてしまった方が良くないかしら?」

「え!?そんなに酷いんですか?」

「留年して変わるのかと思ったけれど・・・全然変わらないわ」

「ふふ、今年のデビュタントは波乱ですねぇ」


ルゥは面白そうに笑っているけれど、巻き込まれたく無いわね・・・。




*****




デビュタントの夜会当日。


春らしい淡いブルーのお揃いの衣装でリュドと夜会に向かう。昨夜遅く領地から戻って来たリュドにも一応、平凡ブラウンさんの話をしておく。


「なかなか凄いご令嬢ですね」

「ええ。巻き込まれない様に気をつけましょう」


ホールに足を踏み入れるとデビュタントの白いドレスが目に入る。


「1年前、リュド様のエスコートでデビュタントしたのが懐かしいわ」

「リリアンヌ様はとてもお美しかったですね。もちろん、今夜も誰よりも綺麗ですが」

「ふふ、ありがとう」


陛下の挨拶の後、デビュタントの挨拶とダンスを見守る。平凡ブラウンさんを見つけられないかと思ったけれど杞憂だったわ。


「あのドレスは凄いね・・・」

「そうね・・・フリルに埋もれそう・・・」


胸元から裾までフリフリよ。頭と胸元と腰には大きなリボン。スカートにも所々ついているわね・・・。


リュドのキョトン顔は珍しくて可愛いけれど・・・ほぼ会場に居る皆がそうよ。エスコートはお義兄様ね・・・。


「リリ!リリ!」


アンドリュー様とティナが挨拶回りの前に来るなんて珍しいわ。


「デュクルー男爵令嬢・・・凄いわね・・・」

「ええ。転んだらそのまま転がって行きそうよね」


素直な感想を言ったらリュドとアンドリュー様が吹き出したわ。失礼ね。


「だって・・・エスコートがあんなに離れているなんて変だもの」


お義兄様がエスコートをされているけれど、スカートのボリュームに阻まれてか変に間が開いているのよ。


「え?あのスカート何で出来ているの?」

「不思議よね。近づけない程って何が入っているのかしら?」

「ちょっと2人共やめて・・・お腹痛い・・・」


アンドリュー様はお腹を押さえ、リュドは物凄く震えているわ・・・。


1度挨拶回りの為に別れ、デザートの所で合流するとアンドリュー様から話を聞いたサミュエルお兄様とカティ様が笑っていたわ。


「確かにあれは凄いよな。目立つのが目的なら成功だ」


デザートを食べながら6人でお喋りをしていると平凡ブラウンさんと婚約者様が揉めだした。


「リリ!始まったわよ!」

「ティナ、物凄く楽しそうね」

「だって、こんなの小説の中でしか起こらないもの!」


どうやらお義兄様が婚約者様とダンスに行こうとしたら1人は心細いと騒ぎ出した様だ。父親に義妹を預けてからにすれば良かったのに手際が悪いわね。


「あらあら、お父様の所に行けば宜しいのに」

「カティ様とは意見が合いますわね」


ティナは楽しそうだけれど、リュド達3人は目が冷ややかね。皆、平凡ブラウンさんは嫌いなタイプなのかしら。


私はヒートアップする喜劇を見ながらデザートを堪能しているわよ。アルコールが入っている物は全部リュドに取り上げられているけれど・・・なかなか面白い劇ね。


「お義兄様はココよりその人の方が大事なの!!」


平凡ブラウンさんの大きな声が響いた。


「あの2人義兄妹よね?これは何の修羅場かしら?」


カティ様の疑問は皆の疑問だった。


続きが気になったけれど、警備に3人が連れて行かれてしまったわ。慌てて追いかけて行ったのが男爵様かしら?野放しにするからいけないのよ。


ところで・・・あのドレスは転んだら転がるのかしら?気になるわ。



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