表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/99

58話


控え室のソファにリリアンヌを座らせ、冷たい果実水とおしぼりを廊下に居る使用人に頼む。


「お嬢様、大丈夫ですか?」

「ふふ、ワインよりは大丈夫よ」

「はぁ・・・何故アルコールだと気付かないのですか?」


少し考えてこてりと小首を傾げる。


「美味しいからかしら?」

「そうですね・・・」


ノックの音がして、果実水とおしぼりを受け取る。


「まずは果実水を飲んで下さい」

「冷たくて美味しい・・・」


果実水の冷たい喉越しにほぅ・・・と溜息がもれる。


「首におしぼりを当てますよ」

「気持ちいい・・・」

「それだけ酔っているんですからね」

「私のせいじゃないわ」


給仕のせいなのにと隣に座るリュドを睨む。


「そういう顔は駄目だと言いましたよね?」

「怒っている顔よ?」

「酔った可愛らしい顔で睨まれても怖くありませんよ」


リュドの指がするりと頬を撫で更に顔が熱くなる。


「今日のリュドは・・・何だか変だわ」

「そうですね。自分でも驚いています・・・まだ我慢できると思っていたので」


我慢?あまり見つめられると恥ずかしいし・・・頬はいつまで撫でられるのかしら・・・。


「お嬢様を守る役目を他の誰かに譲りたくないと思いました」

「リュドの代わりなんて居ないわ」

「婚約者が出来れば、お嬢様を傍で守るのはその方ですよ」

「どうして・・・そんな事を言うの・・・」


駄目なのに・・・涙が滲んでくる。


感情に蓋をしてもリュドの言葉や態度にすぐに開いてしまう。婚約者が出来たらリュドは居なくなってしまうという事?聞きたいのに聞けない・・・。


「また泣かせてしまいましたね・・・」


何とか涙をこぼさないように小さく深呼吸をする。リュドに手を引かれ、そっと抱き寄せられると自然と体の力が抜けもたれ掛かる。


「泣かせたかった訳では無いのですが・・・少し嬉しくもありますね」


何故リュドは嬉しいのかしら・・・私は全然嬉しくないのに・・・。


「私が傍を離れるのは泣くほど嫌ですか?」

「嫌よ・・・」


当たり前の事を何故聞くのかしら?リュドをちらりと見やると嬉しそうに微笑んでいた。


「何故喜んでいるの?」

「傍に居て欲しいと言われたら嬉しくて」


今のはそういう意味だったの?何かしら・・・凄く恥ずかしいわ・・・。


「傍に居られるように頑張りますね」


専属としては十分過ぎるくらいなのに、もっと頑張るのかしらと思っていたら額に口付けられる。


一瞬で体が火がついたように熱くなったわ・・・。




*****




翌日、リュドと会うのが恥ずかしいと思っていたらお休みだったわ。いつもは事前に教えてくれるのに・・・補佐が資料を持って来た時は拍子抜けしたわ。


「お嬢様、そろそろ休憩をして下さい」


サラに促されて、ソファへと移動する。紅茶の良い香りに程よく肩の力が抜ける。


「お仕事のし過ぎですよ」

「だって・・・何かしていないと頭が一杯になっちゃうの・・・」

「では答えが出るまで、頭を一杯にするものの事を考えてみては如何ですか?」


どう考えたら良いのか、よくわからないから頭が一杯なのよ。だって昨日リュドは・・・あれはどう考えたら良いの?


「紅茶はポットに2杯分はありますから、ゆっくり考えて下さい」


そう言うとサラは下がったわ。これは暗に仕事をするなと言いたいのかしら?




*****




あれから頑張って考えてみたわ。


途中から頭の中がグルグルして結局吊り橋効果で止まってしまうのよ・・・答えなんて出ないわ・・・。


翌日、顔を合わせたリュドはいつも通りだった。恥ずかしいのは私だけなの?あれは・・・お父様達がしてくれるようなものだったのかしら・・・。


湯浴みの後、サラに髪を梳かれながら。


「答えは見つかりそうですか?」

「見つからないわ・・・だって同じ所で止まってしまうもの・・・」

「止まってしまうのは、何度考えても答えが同じという事ですか?」

「そうじゃないわ・・・」

「では、それを受け入れて考えてみたら答えが出るのかもしれませんよ」


吊り橋効果を受け入れるの?それはどうなのかしら・・・。


ふわりと髪が乾かされる。


「夜更かしは程々になさって下さいね」

「わかっているわ・・・」

「おやすみなさいませ」

「おやすみ、サラ」


ベッドに転がり、リュドに言われた事を思い出す。吊り橋効果を受け入れるって・・・どう考えたら良いの?


「お嬢様を守る役目を他の誰かに譲りたくないと思いました」は他の誰かじゃなくてリュドが私を守りたいって事よね?うぅ・・・物凄く恥ずかしいわ・・・。


でも、何度考えても他に思いつかないの・・・。


それで「婚約者が出来れば、お嬢様を傍で守るのはその方ですよ」というのは・・・あの時も思ったけれど、婚約者が出来たらリュドは居なくなってしまうのかしら・・・。


専属を辞めるというの・・・どうして?


あとは「私が傍を離れるのは泣くほど嫌ですか?」なんて嫌に決まっているわ・・・リュドは信頼出来るもの。他の人になるなんて嫌よ・・・。


でも「傍に居て欲しい」という意味にもなるのよね?物凄く恥ずかしいわ・・・。私がリュドを凄く好きみたい・・・。吊り橋効果で好きなだけで違うわ。


「傍に居られるように頑張りますね」はどういう事?今まで通りという事?それなら辞めないのよね?それとも・・・守る立場の婚約者に・・・。


無いわ・・・それは絶対に無い・・・。


リュドがそれを望むという事は・・・私の事が好きって事だもの。迷惑は何度もかけているわ・・・でも好かれるような事なんて・・・。


これは都合が良すぎるわ・・・リュドから見たら私なんてきっと子供よ。そういう対象にはなれないわ・・・。


自分で言ってて悲しくなってくる・・・。口付けだって・・・お父様がしてくれる様なものかもしれないもの。


嬉しくなったり苦しくなったり・・・吊り橋効果ならこんなの早く消えて欲しい・・・。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ