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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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50話


朝起きたらジャケットを抱きしめて眠っていたわ。


何故ジャケット?誰のかしら?どういう事?


ぐるぐる考えているとサラが部屋へ入って来た。


「お嬢様、おはようございます」

「おはよう、サラ。私は何故ジャケットを持って寝ていたのかしら?」

「昨夜リュドのジャケットから、お嬢様が手を離されなくて脱いで置いていかれました」

「え?リュドのなの?」


寝る時リュドは居なかったわ。なのに何故かしら?どういう状況なのか全然わからないわ。


「お嬢様、とりあえず顔を洗って支度を致しましょう」

「そうね・・・」


頭の中が???でいっぱいだわ。


ドレッサーに移動して髪を梳いて貰いながら。


「ねぇ、どうしてそうなったのかしら?」

「少し寝惚けていらしたんですよ」

「もしかして・・・ティナの婚約パーティの時みたいな事をまたしたのかしら?」

「まぁ・・・そうですわね」


あれをまたやったの!?物凄く恥ずかしい・・・。


乳母が居なくなってから今までやらなかったのにリュドにばかり何故なの・・・。何だか恥ずかしい所ばかり見せているわね・・・。


「またリュドに迷惑をかけたのね」

「では、ハンカチに刺繍をして渡しては如何ですか?」

「ハンカチを?」

「ええ。お詫びとしてですわ」


刺繍は得意ではないけれど良いかもしれないわ。


「じゃあ、今日は刺繍をするわ」

「準備をしておきますね」




*****




朝食の後、サロンにリュドが書類を抱えて入ってきた。


「お嬢様、おはようございます」

「おはよう、リュド。あの・・・ジャケットごめんなさい。覚えていないのだけれど迷惑をかけてしまったわ」

「大丈夫ですよ。よく眠れましたか?」

「ええ。眠れたわ」

「それなら良かったです」


リュドはいつも通りね。恥ずかしいからその方が嬉しいのだけれど・・・。


「こちら。宜しければどうぞ」

「これは何かしら?」


液体の入った小瓶をリュドから渡される。


「私の使っている香水です。昨夜お好きだと仰っていましたし、よく眠れた様なので宜しければどうぞ」


リュドの使っている香水・・・え?私リュドの香りが好きだと言ったの?うぅ・・・顔が熱いわ・・・。


「ありがとう・・・」


とりあえず刺繍に集中しましょう。


ハンカチはやっぱり白かしら?白いハンカチを刺繍枠にセットしデザインを考える。イニシャルを装飾するか・・・周りを装飾するか悩むわね。お父様にはイニシャルと家紋しか刺したことがないのよね。


まずはイニシャルを描き考える。


男の人のハンカチってお花はどのくらい刺しても良いのかしら・・・四葉のクローバーはどうかしら?幸運のお守りだからシロツメクサも刺してイニシャルを丸く囲むと可愛すぎるわよね?添えるくらいかしら。


ハンカチにデザインを書き足し刺繍を始める。


この字は得意なのよね。私もLだから刺し慣れているわ・・・。イニシャルを刺し終えたから・・・先にシロツメクサね。初めて刺したけれどシロツメクサって意外と難しいわ・・・。


「お嬢様、少し休憩されますか?」

「ありがとう、サラ」


ハーブティーを入れてもらい肩の力が抜ける。


「サラ、このお花の所が上手くいかないの・・・」

「これは・・・・・・リボン刺繍にされては如何ですか?」

「そうね!やってみるわ」


サラはリリアンヌが花言葉を気にしない事を思い出した。お茶会でもてなしたり人に花を贈る時は、こういう意味にしたいと指示をされるが基本的には花言葉より好みを優先する。


庭を散歩している時に「この花を部屋に飾りたいわ」と言われたのが憎しみや嫉妬にまみれた花言葉だと微妙な気持ちになる・・・。


お嬢様はクローバーの意味を忘れているわね・・・。


四葉のクローバーは確かに「幸運」だけれど・・・「私のものになって」という意味がある。シロツメクサは「私を思って」だ。


ハンカチに刺繍する事を薦めたがまさかこうなるとは・・・もっと花言葉の重要性を教えるべきだったかしら・・・。




*****




ティータイム前にはハンカチが完成した。枠から外しサラにアイロンをかけてもらう。少し可愛くなりすぎたかしら?


「お嬢様、ティータイムになさいますか?」

「そうするわ」


サラがリュドにも声をかけ3人でお茶を楽しむ。


「私はまだ仕事をしては駄目なの?」

「今日の診察次第ですわ」

「わかったわ・・・。リュドこれを受け取って欲しいの。迷惑をかけてしまったお詫びよ」

「気になさらなくとも良かったのに。お気遣いありがとうございます・・・」


あまりじっくり見ないで欲しいわ。刺繍は得意じゃないもの・・・。


サラは刺繍された花言葉にリュドが気づき固まっている様子に黙って微笑んでいた。リリアンヌの気持ちがどう成長するのかはわからないが、成り行きに任せる事にした。


「気に入って貰えたかしら?」

「ええ。大事に使わせて頂きますね」

「良かった。お父様しか男の人のハンカチは刺した事がなかったから不安だったの」


リュドの立ち直りは早かった。無自覚5歳児のやる事に特別な意味など考えてはいけないと。


「初めて渡す相手が私で良かったのですか?」

「え?初めて?」

「ええ。旦那様は「男」の数に入りませんからね」


あら?お父様は男の人に入らないの?初めて渡す男の人がリュドになっちゃうのね。それは何かしら・・・物凄く恥ずかしいわ・・・。


待って・・・初めて男の人と2人で出掛けて、初めてエスコートをしてもらって、そして初めてハンカチをプレゼントする・・・・・・あら?お父様以外では全部リュドが初めてになってしまうの?


絶賛「吊り橋効果」でリュドに擬似恋愛中のリリアンヌの顔が真っ赤になっていく。


さすがに予想外の反応にリュドとサラは驚いて目を見合せた。恋愛小説のヒーローを犯罪者扱いしていたリリアンヌがハンカチ如きで?


「お嬢様、大丈夫ですか?」


リリアンヌは馬車の中でリュドに言われた言葉を思い出していた。


「酔って甘えていましたよ。少し幼くなるのも大変可愛らしかったですね。ただ・・・あの様な扇情的なドレスであの様な顔でされて困りました。私も男だと忘れないで下さいね」


そうだわ・・・リュドは男の人なのよ。


リリアンヌは人生で初めてキャパオーバーで失神した。



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