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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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34話


「ティナ、サミュエルお兄様とアンドリュー様がこちらに来るわ」

「えっ?」

「待つ?それとも・・・私と逃げてしまう?」

「ふふ、素敵なお誘いだけれど・・・待つわ」

「わかったわ」


2人を見る目が冷たくなるのは許して欲しいわ。


「あら?デビュタントで不安な妹を1人置き去りにした薄情なお兄様とその親友が何のご用かしら?」


おかしいわね・・・言葉も冷たくなってしまったわ。


「クリスティナ嬢、デビュタントおめでとう」

「ありがとうございます・・・」

「「・・・・・・・・・」」


沈黙が・・・長いわ・・・。


「ティナ、そろそろ帰りましょうか?」

「そうね・・・・・・」

「薄情なお兄様。ティナは私の馬車で送りますから、ご安心下さいとおじ様達に伝えて貰えますか?」

「わかった」


何故アンドリュー様が辛そうな顔をされるの?選択権はそちらにありますのに・・・本当に腹が立ちますわね。


「親友様、何か?」

「その・・・」


ちょっと殴っても良いかしら?フォークを持つ手に力が・・・あっ!リュドに取り上げられたわ・・・。


「ティナ、行きましょうか?」

「ええ・・・」

「待ってくれ。・・・クリスティナ嬢と話をさせてくれ・・・」


サミュエルお兄様に視線を向けると頷かれる。


「ティナはどうしたい?」

「アンドリュー様の話を聞くわ・・・」

「テラスに行きましょうか。この人数なら変な誤解もされませんし・・・人目のあるここよりは話しやすいでしょう」


さっきからチラチラと視線がうるさいんですの。




*****




警備の方に近くの窓を開けてもらい5人でテラスに出る。風が気持ちいいわ。洋酒のケーキを食べ過ぎたのかしら?


「お2人で話されますか?」

「いや、クリスティナ嬢以外は知っている事だからね」


アンドリュー様は正直に話されるのね。


「クリスティナ嬢。我が家は危機的状況でね。

弟が問題を起こして慰謝料を支払わなければならないんだ。弟が悪いのだからそれは当たり前の事だが、請求された額が高額で。我が家は事業を拡大したばかりで・・・恥ずかしい話だがそんな余裕が無いんだ。

リリアンヌ嬢が警告をしてくれたのに両親に弟を切る決断をさせられなかった・・・情けないね」


あまりティナに教えたくありませんのに。


「友人ですもの警告くらいしますわ。その後はお父様が動かれたので私は知りませんが、サミュエルお兄様も動いていたのでしょう?」

「俺は最悪の事態になった場合に備えて動いていただけだ」


ティナがちょっと混乱気味ですけど・・・話を進めましょう。


「それで?」

「ちゃんと考えていたんだ・・・クリスティナ嬢、私は君の事を親友の妹以上に思っている。でも・・・自由に出来る状況じゃ無くなったんだ・・・」

「アンドリュー様・・・・・・」


セギュール伯爵夫妻はさっさと引退されたら宜しいのに・・・。


「多額の持参金か支援をすぐにしてくれる方との婚約が必要なのかしら?」

「そうだ・・・」


馬鹿を切らずに尻拭いをさせるとはね・・・。


「サミュエルお兄様やおじ様のお考えは?」

「弟を切るなら支援するって言ったさ。父上にも相談したがティナの気持ちも知っているからな・・・支援込みの婚約も問題は無い。でもアンドリューが金の為の婚約はティナに悪いって頑なでね」


珍しい事では無いのに・・・アンドリュー様は真面目過ぎね。


「ティナは今の話を聞いてどう思う?」

「私は・・・わからないわ・・・」


いきなりこんな話を聞いたらそうよね・・・。


「じゃあ・・・聞き方を変えるわね。ティナはアンドリュー様の事を愛しているかしら?」


少し驚いた後に頬を染めて頷くティナは可愛いわね。でも、そのくらい強い気持ちでないとね。


「2人が婚約をしたら思いが通じ合っての素敵なものだと私達は知っているわ。でも、アンドリュー様の状況から周りはお金目当ての政略だと思うし、家の問題で良くない噂も囁かれるわ。ティナはそれでもアンドリュー様と居たいかしら?」


答えはわかっているけれどティナが決めないとね。


「知らない人達に何を言われても気にならないって言ったら嘘よ・・・でも私は・・・アンドリュー様と居たいわ」


そうよね。私のティナは結構強いのよ。


「クリスティナ嬢、本当に良いのか?醜聞に晒されるし、きっと辛い思いをさせる・・・」

「私は大丈夫ですわ。でも・・・不安になったら話を聞いて下さいますか?」

「もちろんだ」


やっと決心がついたのかアンドリュー様が跪かれティナの手を取られました。


「クリスティナ・エノー伯爵令嬢。君を愛している。私と婚約して頂けますか?」

「・・・・・・はいっ」


ようやく収まるところに収まりましたわね。ティナをそっと抱きしめる。


「ティナおめでとう」

「リリ・・・ありがとう・・・」

「あぁ・・・泣いては駄目よ。アンドリュー様とダンスを踊ってきたら?」

「でも私・・・上手くないわ・・・」

「クリスティナ嬢。大丈夫だ、行こう」

「はい」


アンドリュー様のエスコートで2人は会場へ戻って行く


「サミュエルお兄様はご両親とセギュール家へ伝えに行って下さいね。セギュール伯爵夫妻に釘を刺すのもお忘れなく。害虫駆除は私に譲って下さいね」

「特大の釘を刺してやるさ。リリ、ティナには気づかれるなよ」

「そんなヘマはしませんわ。それと・・・愛称で呼ばないで下さいませ!」

「はいはい。リリアンヌ嬢はこの後どうするんだ?」

「洋酒のケーキを食べ過ぎて少し暑いんですの。もう少しここで涼んで戻りますわ」

「あぁ~・・・了解」


何で微妙な顔をしますの?お酒は初めてだから仕方ないでしょう?




*****




サミュエルお兄様を見送るとリュドにテラスの椅子までエスコートされ座らされる。跪き何故か心配そうな顔だわ。


「お加減は如何ですか?」

「暑くてふわふわするかしら?」

「酔っていらっしゃいますね。ケーキなので大丈夫かと・・・途中でお止めするべきでした」

「これが酔っている感覚なのね。ふふ、何だか楽しいわ」

「少し休んでから控え室へ向かいましょう」

「リュドは過保護ね。やっと2人がまとまったのよ。もう少し喜びに浸りたいわ」


手袋を外したリュドの冷たい指先が頬に触れる。


「ご自分で思っている以上に酔っていらっしゃいますよ」

「そうかしら?ふふ・・・リュドの手は冷たくて気持ちいいわね」


目を閉じてリュドの手に自分の手を重ね頬を寄せる。


あら?冷たさが気持ちよくて自分からしたけれど・・・これは物凄く恥ずかしいわね。またドキドキしてきたわ・・・洋酒のせいよね?私お酒に弱いのかしら?



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