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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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33話


両親との挨拶回りも終わりティナを探す。デビュタントもまだ多く残っていて白いドレスは目印にならないわね。


「やっと解放されたのにティナが見つからないわ。リュド、どこに居るのか見えないかしら?」


しばらく辺りを見回したリュドが。


「おそらく、デザートの所に居らっしゃる方がクリスティナ様かと」

「ありがとう。行きましょう」


リュドにエスコートをされているせいか無闇にダンスの誘いが無くて助かるわ。護衛ってこういう意味だったのかしら?虫除けに使っているみたいで悪いわね・・・。


人混みを抜けるとティナの姿が見える。


「ティナ、探したわ」

「リリ、挨拶は終わったの?」

「ええ。やっと解放されたわ」


ティナを1人にするなんてサミュエルお兄様は何をしているのかしら?アンドリュー様とも会えたのか気になるわ・・・聞いても良いのかしら。


「ティナはどのデザートが美味しかった?」

「この洋酒のケーキかしら?初めて食べたけれど美味しいわ。けど大人の味って感じよ」

「じゃあ、私も食べてみようかしら?」


リュドが洋酒のケーキをいくつかお皿に乗せてくれ、近くにある椅子にティナと座る。


「初めて食べたけれど美味しいわね。洋酒の香りも良いわ。確かにこれは大人の味ね」

「でしょ?ワインは醜態を晒しそうで飲むか迷っちゃうし」

「わかるわ。こぼしたらって思うと果実水しか飲めないわ」


お互い白いドレスに目をやり苦笑いする。少しお喋りを楽しみ切り出してみる。


「アンドリュー様とは会えたのかしら?」

「まだよ・・・」

「この人の多さだものね」

「そうよね・・・」


沈んだ表情のティナにどうしたらいいのかと考えていると、リュドが耳打ちをしてきた。


「お嬢様、あちらに・・・」


言われた方を見るとサミュエルお兄様と話すアンドリュー様を見つける。よく気づいたわね。背が高いから見えやすいのかしら?でも・・・声を潜めての耳打ちは何だか背中がそわそわするわね。


「あら?サミュエルお兄様じゃないかしら?」

「あっ・・・・・・」

「アンドリュー様と話しているのね」

「そうみたいね」

「ご挨拶に行ってみる?」

「私は・・・ここに居るわ。リリは行ってきたら?」

「じゃあ、ちょっとご挨拶してくるわ」


ティナにここを動かないよう言い、リュドにエスコートしてもらい2人の元へ向かう。




*****




「サミュエルお兄様、アンドリュー様」

「リリアンヌ嬢、デビュタントおめでとう」

「アンドリュー様ありがとうございます」


扇で口元を隠しながらアンドリュー様に話しかける。だって何だかイライラしますの!


「その後は・・・・・・如何でしょうか?」

「大変だよ。両親の甘さを痛感している・・・」

「警告して差し上げましたのに無駄になりましたわね。それで?アンドリュー様のお心は決まりましたの?」

「それは・・・・・・」

「まさか決まりませんの?はぁ・・・時間は有限ですのよ。男性と違い私達には期限がありますわ。お約束もなく待つ事など出来ませんのよ」

「わかっている・・・」


これは思った以上に家の状況が悪そうね・・・。でも・・・それはそれ!これはこれですわ!


「わかっていませんわ。まさか中途半端に気を持たせた今の状態を維持しようなどと思っていませんわよね?」

「それは・・・・・・」

「ティナの優しさに漬け込む気なら許しませんわ。はぁ・・・アンドリュー様も甘くてお話になりませんわね。弄んで楽しみたいのならティナ以外にして下さいませね」

「そんなつもりじゃない!」

「では、どういうつもりですの?」

「リリ、少し言い過ぎだ」

「サミュエルお兄様、愛称はやめて下さい。誰かに聞かれたら困りますわ。サミュエルお兄様は現状維持が良いと思いますの?」

「それは・・・思わないが・・・」

「そうでしょうね・・・。アンドリュー様の事情がどうであれ、今日ティナは心を決めますわ。私はもちろんティナの味方ですわ。アンドリュー様に気がないのなら・・・もうティナに構わないで下さいね。行きましょう、リュド」


踵を返しリュドのエスコートでティナの所に戻る。


ティナを巻き込みたく無いのはわかりますわ・・・でも優柔不断で物凄くイライラしますわ!出来なくともティナの卒業までに家を立て直すとか言えませんの!!


「お嬢様、少し落ち着いて下さいね。頬が膨らんでいますよ」

「あら?ごめんなさい・・・だって腹が立つんですもの・・・」


リュドに注意されてしまったわ・・・深呼吸をして社交の顔に戻さなくちゃ。




*****




「ティナ、ただいま。変な人に絡まれなかった?」

「大丈夫よ」


初めての夜会で1人にしているサミュエルお兄様も何なのかしら・・・また腹が立ってきたわ。


それにしても、この洋酒のケーキは美味しいわね。何個も食べられちゃうわ。ふぅ・・・少し心が落ち着くわ。コーヒーにも合いそうだし邸のパティシエに言ったら作ってくれるのかしら?


チラリとティナを見るが・・・フォークが止まっているわね。


「ティナ、ここに居るのが辛いのなら私の馬車で一緒に帰りましょう?お父様達とは別々の馬車で来たから大丈夫よ」

「リリ・・・」

「ただ待つのも限界があるでしょう?時間じゃなくてティナの心によ?私にはそちらの方が何よりも大事だもの」

「ふふ、ありがとう。待つのはとても辛いわね・・・」


私の可愛いティナを悲しませるなんて・・・あの2人どうしてくれようかしら。


「アンドリュー様の態度には私とても腹が立っているのよ」

「リリを怒らせるなんて、やっぱりお兄様の親友ね」

「そうね。だからきっと明日以降お会いしても意地悪をしてしまうわね」

「リリの意地悪って何だか凄そう・・・」

「初めてするけど・・・やり過ぎない様に気を付けるから安心してね」


実際、家が傾いているからやり過ぎたら駄目よね。


「ふふ、それ全然安心出来ないわよ」

「やっと笑ったわね・・・よかった」


ティナの笑顔にほっとするわ。


「リリ、大好きよ」

「私も大好きよ。でも意地悪はするわよ?」

「もう、リリったら!」


ティナとお喋りをしていると視界の端に、こちらに来るサミュエルお兄様とアンドリュー様が見えた。


思わずフォークを持つ手に力が入って投げそうになったけれど・・・私は悪くないと思うの。



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