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転生したら伯爵令嬢~恋愛偏差値マイナスだけど優秀な部下(婿)を捕まえたい~  作者: 塩豆大福


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30話


社交のハイシーズンに入り授業は午前中だけよ。


社交で休んだ分は課題が出されるわ。休まなければハイシーズンの3ヶ月は授業だけで課題が無いの。


私の出席する夜会は両親が決めるけれど、今年は出来るだけ休日にしてくれるらしいから助かるわ。お茶会やガーデンパーティはサラとメルに相談して、無理のない様に出席を決めたけれど慣れるまでは大変そうね。


「リリ、とうとう明日デビュタントね」

「ええ。美容メニューもやっと終わるのね・・・」

「わかるわ。でも少しずつ綺麗になるから何も言えないわ」

「そうなのよね。ふふ、私は諦めてされるがままよ」

「明日はダンスなんてしないでリリと王宮のデザートを食べながらお喋りをしたいわ」

「あら?アンドリュー様とは踊らなくて良いの?」

「ダンスは苦手だし・・・それに・・・明日誘われなかったら諦めようと思っているの・・・。テビュタント後は先の事も考えなくちゃね」

「そう。ティナが決めたのなら私は何も言わないわ。でも私はいつでもティナの味方よ」

「リリ、ありがとう」


授業終わり馬車まで歩きながら明日の事を話しティナと別れた。


可哀想だけれどデビュタントを迎えるからには、何の約束も無く待てないわ・・・。おじ様達は無理にティナに婚約を勧めないと思うけど・・・成人すれば嫌でも将来を考えるものね。


ティナがアンドリュー様を好きになってから努力してきたのを見ていたから私も辛いわ・・・。アンドリュー様もティナを好きなはずなのに・・・。


絶対に馬鹿ボンのせいよね・・・何だかイライラしてきたわ。




*****




昼食を食べて部屋に戻る。


ソファにクッションを抱えて沈み込む。3人が微妙な顔をしているわね。不機嫌ですって態度に出ているのはわかっているけど仕方がないのよ!


「お嬢様、何かありましたか?」

「サラ、ティナが明日アンドリュー様からダンスに誘われなかったら諦めるそうよ」

「それは・・・・・・」


サラも知っているものね。


「時間は有限よ。何の約束も無く待てないわ・・・次に進むのならデビュタントは良いタイミングだと私も思うの」

「そうで御座いますね。男性とは違い女性には期限が御座いますから」

「ええ・・・でもアンドリュー様への憎しみが止まらないわ!」

「「「憎しみ・・・・・・」」」


それは親友の想い人に抱く感情なのか?と首を捻った。


「お嬢様の大好きなクリスティナ様を悲しませるのですから仕方ありませんわね」

「そうなのよ!許せないわ!全てはエマニュエルのせいだけど・・・ハッキリしないアンドリュー様も良くないわ!」


頬を膨らませ物凄く怒っている風だが、リリアンヌは普段から怒らないので怒り方が何だか可愛らしい。クッションをソファに叩きつけ、子猫のようなパンチで八つ当たりをする姿を3人は微笑ましく見守った。


ちなみに腕力が無いのでクッションはポフポフ音(?)はするがノーダメージだ。


「アンドリュー様の調査書を持って来て頂戴。あるのでしょう?」

「畏まりました」


渡された調査書を読む限り、社交つまり仕事絡み以外で私的なやり取りがある令嬢はティナだけ。


「誠実ね。あら?お誕生日には花を送っていたのね」


恋人も居た事は無い。サミュエルお兄様を尋ねて邸にも出入りしているから会う事もあるわよね・・・何故婚約とならないのかしら?


「調査書と今までの2人を見る限り、アンドリュー様もティナを好きだと思うの・・・サラとメルはどう思う?」

「私もお2人を見てそう思っておりました」

「私はデビュタントされたらお付き合いをされるのかと・・・」

「そうよね!リュドに質問よ!」


リュド、何故顔が引き攣るの?男の気持ちは男に聞くしかないのよ。私は恋愛偏差値がマイナスだもの!


「自分が好意を寄せているご令嬢が明日デビュタントを迎えるの。なのに何も言ってこない男性は何を考えているのかしら?」

「私に聞かれましても・・・」

「予想くらい出来ないかしら?」

「はぁ・・・まず間違いなく弟君の件でしょうね。家が大きな問題を抱えた状態で将来の約束をする等、アンドリュー様は真面目な方ですから性格からして難しいかと・・・」

「エマニュエルの「駄目です」」


思いっきりかぶせて駄目と言ったわね・・・。


「リュド、少し見るだけよ?」

「少しでも駄目です」


眉間の皺が見た事ないくらい深いのだけれど・・・馬鹿ボンの調査書はそんなに酷い事になっているのかしら?


「リュド、セギュール伯爵家は予想通りになったのね?」

「はい」


お父様達も動いていたのに・・・。


「アンドリュー様にティナが諦めると教えても良いのかしら・・・」

「知ったとしても・・・どうにもならない事もあります。お嬢様のお気持ちはわかりますが、セギュール伯爵家の選んだ道です」

「そうよね・・・」

「ただ・・・お伝えする事でお嬢様の気が済むのなら、手紙を書かれては如何ですか?」

「そうね。ティナの事を伝えてみるわ・・・ありがとう、リュド」


それから1時間かけて手紙を書いたわ。


何故か恨み辛みにまみれて上手く書けなかったの。呪いの手紙みたいね・・・。結局簡潔に「明日アンドリュー様からダンスに誘われなかったら、ティナは次へ進むと決めた」と書いたわ。


サラが手紙を持って退室した後、メルが書き損じの紙を拾いながら悲鳴をあげていたけれど酷くないかしら?ちょっと呪われそうなだけよ?




*****




晩餐を食べ部屋に戻るとサラとメルが手際よく湯浴みとマッサージの準備をしていたわ・・・美肌メニューも痛いマッサージも明日までよ!頑張るのよ私!


今夜は一際痛かったわ・・・。


「ストレスは美容の敵です!」と言っていたからアンドリュー様達のせいで痛かったのね・・・。


早めにベッドに押し込まれ眠れないと思ったけれど、気疲れしたせいかすぐに眠れたわ。



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