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遠雷

作者: 昼咲月見草
掲載日:2022/06/04

武 頼庵(藤谷 K介)さま主催「恋の詩企画」参加作品です。


かすかに、雨の匂い


遠くで雷の音がした


アスファルトを歪める熱は鎮まるだろうか


運動場の土を乾かし、舞い上がらせるあの熱風は




ひときわ強い涼しい風が吹いた


もうすぐ梅雨が来る


降り続ける雨は熱を奪っていくだろうか


過去に二度と浮かされぬよう





あなたは


白球を追いかけるのに夢中で


わたしは


そんなあなたを見ないふりで


熱などないふりをして


校門までのわずかなあいだ


他の何かに気を取られた顔をして


こっそりあなたを盗み見た



幼い頃からの熱は下がらず


いつかこの道は分かたれる


わたしは今日も強い雨を待つ


硬球を打つバットの音に気を引かれたふりで





遠くの空に、雲からの落雷を見た


雨はまだ来ない



校庭の紫陽花が、水を求めるように震えた





わたしは、今日も熱に浮かされて











挿絵(By みてみん)

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