問いかける夏の懐古
夢の幕間。
堕ちてゆく—————————
櫻の花びら
目隠し鬼。隠れたあの子は、そのままあの世に連れていかれてしまった。夕暮れ時の孤独。風が吹いてきました。風車が廻っています。此処に居ると、駄目だ。リン、と錫杖の音がして、——―――やがて陰になる。
蝉の音色。懐かしさは、魔法の秘宝だ。泡の匂いをさせた人、夕飯の匂い、遠くの犬の鳴き声。夏の夕暮れ時は、懐古の物音を響かせて、私を虜にする。これは、檻だ。これは、罠だ。振り返ると、ジリリリと鳴る、線を抜いたはずの、黒電話。
夏が呼んでいる。切ない入道雲が、北の空に列をなして群れている。トンボを追いかける少年。そっちへいっては駄目、連れていかれるから。影法師が狐面をつけて足から生えている。「とおりゃんせ、一寸法師が現れて、打ち出の小槌で小さくされるよ、そのまま鼠のお嫁さんだ」また、適当なことを言う。月の光に照らされて、私は、惑わされる。
小径に竹藪がある。そこに夕暮れ時逢魔が時になると鬼が立つ。今宵の贄を探して。夜通し愛し合った後、殺すつもりか。夢から醒めた、一寸法師が嗤う。そんなの日常茶飯事だよ、と。此処は死出の國。空にはB29が飛んで、腕を失った子供が算数ができないからと空を舞っている。
色んなものから影響を受けています。
特に、音楽の歌詞から影響をうけているものが多し。
あと百鬼夜行シリーズ。