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『祝30000PV突破』WORLD OVER 〜最果ての到達者〜  作者: 紡星


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交渉

「それで、今日は一体何の用で来たのかしら?」


 数分後。一通りの談笑を済ませた後に本題に入ろうと思い立ったアニーは三人にそう尋ねる。すると本来の目的を思い出したのか「あぁそうだった」とロゼが呟いた。


「それなんだけどさ、調べて欲しい事があって来たんだ」


 ロゼは『アクア・スフィア』と『死獣のオロチ』の居場所に関する情報を集めているのだと、此処に来た目的を詳細にアニーに伝える。ただし『アクア・スフィア』に関してはエアリス個人の目的である事のみを伝え、ロゼの魂や不死身の能力については余計な混乱を招く可能性がある故に一切話はしなかった。


 すると話しを聞き終えたアニーは「なるほど、そう言う事だったのね」と呟くと机の上に置かれているティーカップを手に持つと紅茶を一口飲む。そして腕を組んで暫く考え込む様子を見せた後、ゆっくり口を開いた。


「『アクア・スフィア』に関する情報なら調べてあげてもいいわ……だけど『死獣のオロチ』に関しては()()()()駄目よ」


「ーーーッ!! 何でだよッ!?」


 その一言にブレイドは椅子から立ち上がると不満そうな表情を浮かべる、一方のロゼは「……どうしても駄目なのか?」と念の為に確認するがアニーは首を横に振った。


「駄目ね。ロゼちゃんの頼みとは言えこればっかりはどうしようも無いわ」


「そっか……やっぱりギルドマスターの権限を持ってしても無理か……」


 ギルドマスターである事に加えて元伝説級のハンターであったアニーなら情報を請求する権利を国から得る事が出来るのではないかと踏んでいたのだが、如何やらそれは見当違いだったらしい。


「いえ。私の権限があれば調べる事自体は可能よ」


 椅子に深くもたれながらロゼは落胆するが、意外にもアニーは情報を調べる事自体は可能であるとすぐに訂正した。


 すると疑問に思ったエアリスが「それならどうして駄目なんですか?」と尋ねる。


「そうね。一番の理由は……貴方よ」


 そう言うとアニーはブレイドに真剣な眼差しを向けた。


「ブレイド君だったわね。もし私が今ここで『死獣のオロチ』の居場所を教えたとしたら貴方はどうするつもりかしら?」


「そんなの決まってらぁ!! 今すぐぶっ倒しに行くぜッ!!」


 拳と掌をパチンと合わせながら意気揚々とブレイドは答える。しかしその解答を予測していたのかアニーは「やっぱりね……」と呟く。


「貴方が『死獣のオロチ』を探してる理由を聞いた時からきっとそう答えると思ってたわ。やっぱり残念だけど()()()()情報を教える事は出来ないわ……私は貴方をわざわざ死なせる為に奴の所へ送るつもりはないの」


「ーーーッ!! 何だよそれッ!! 俺が弱いって言いたいのかよッ!?」


「そうよ。ハッキリ言って今の貴方じゃ奴の元に辿り着く事すら出来ないでしょうね」


 自分が弱いとハッキリと吐き捨てられて怒りを露わにするブレイドは無作法にも机の上に足を乗せて、騒音を響かせながら「なんだとッ!? そんなの戦ってみなきゃ分からねぇじゃねぇか!!」とアニーに詰め寄る。


「ちょ、ちょっとブレイド君……」


「少し落ち着けよ」


 その様子を側から見ていた二人はブレイドを宥めようと声を掛ける。そんな中、真っ直ぐな眼差しを向けるブレイドを見たアニーは暫くの沈黙の後に「……そうね。口で言うより実際に体感してみないと分からないわよね」と呟いた。


 そして席を立ったアニーは部屋の扉の前まで移動すると扉を開けて、ブレイドにこう伝えた。


「付いてらっしゃい。貴方がどれだけ無謀な事をしようとしてるのかを身をもって教えてあげるわ」

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