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ブッコロです!

「バ…ルゴ……息が…苦し…い」

アリエスの断末魔かの如く、必死にギブアップコール。


ハマルも左手を連打してサレンダーコール。


そして俺は…

さも、俺が次かのように


前かがみになって準備する。


(さぁ、いつでも谷間に飛び込める準備は出来ている!ここで死んでもいい。さぁ、俺はあの日本海溝よりも深い谷間へ)


目を閉じ、前かがみになり、

少しにやけながら見を差し出す。



しかし…一向にくる気配がない。

順番的には俺なのだが。


不安になったので、少しだけ右目を開ける。



視界には、赤く染まった夕日の前に青ざめた顔をした3人の姿がそこにはあった。


「…アツキ…何をしているのですか?」

「なんなの?このゴミムシは。」

「あははは、アツキの顔スゲーきもちわるいな!」



「え?ん?いやいや、な、何でも無いよ?」

俺はとっさに隠すべく、そっぽを向く。


「スゲー飛び込みたがってたよな!」

ハマルが図星をついてくる。


「うるせぇ、お前が俺の気持ちを当てるんじゃねぇ!」


「やっぱりそうだったのですか。」

「なんなの?このゴミムシは。」


「あのー、さっきから貶し方が別格な人がいるんですが?」


「アリエスちゅんはなんでこんなゴミムシを従えているの?」

真紅のドレスを見に纏うバルゴが、ゴミムシを見下しながらアリエスに話しかける。


「そうですね、ただの変態ですが、私のパートナーになってしまいました。後悔しています。」


「おい!失礼だぞこの野郎!」


「アタシが星者じゃなかったら、問答無用でアリエスちゅんのパートナーになってあげたのに…こんなゴミムシとパートナーなんて…愚の骨頂ね。」


「言い過ぎだ!!クソビッチ野郎!!」


「あら、失敬ね。野郎は男に使うものよ。そんなことも知らないのかしら?それに…私は処女宮のバルゴよ。ビッチなんて言わないで。」


「…と言うと…バルゴさんは処女という解釈で?」


「ええ、もちろんよ。処女でもないのに、処女宮なんて務まるわけないわ。」


俺はすでに捨てるものなんてない。

しかし俺には残っていた。

1つだけ捨てきれずにいたもの。


「バルゴさん、頼みがあります。」


「ゴミムシのいうことなんて聞きたくないわ。」

速攻否定される。

しかし諦めない。

捨てなければならないものが…そこにはあるから…


「そんなこと言ったら…アリエスに嫌われますよ。今のうちにアリエスの株を上げておきたいだろ?」


「それ…私が目の前に居るのに言わないでください。」

アリエスが割って入ってくる。


「ま、まぁそれも無きにしも非ずね。」

少し考えたバルゴはそう言い出す。


「じゃあ、1つだけいいか?」


「私にできることならね。その代わり1つだけよ。」


(ああ、1つだけだ。それでもって1つしかない。)


夕焼けの空

夏を前にした生暖かい風が頬を伝う。

そして俺はひとつだけだ頼んだ。


「バルゴさん、俺の童貞を捨てさせてください!!!」


俺には失うものは何もない。

家族にはエロ本と

少女連れ込み事件が発覚


アリエスや、ハマルなどからは変態扱い。

友達や彼女なんてさらさら居ない。


俺には怖いものなんてない。

失うものなんて1つもない。

強いて言えば童貞だけだ。



無言で時が流れていく。

まるで時間が止まったようだ。


「あれ?何かおかしいこと言った?」

俺はキョトンとする。



3人のドン引きした顔が視界に広がる。



絶景だ。





「ブッコロです。」

聞きなれない声が少し奥から聞こえる。


「だれだ?」

3人の後ろから聞こえる為、探してみる。


「ブッコロです。こんな卑猥な輩。」



黒い髪にとても長いロングストレート。

赤のランドセルを背負う、ザ小学生が3人の後ろから出てきた。


「あら、深月(みづき)ちゅん。」

硬直から解けたバルゴが話しかける。

なんだか知り合いのようだ。


「こんな女の敵はブッコロです。」

すごく睨みつけたような目でこちらを見てくる。俺も少し一歩後ずさる。


「そ、そんな物騒な言葉…使っちゃいけないよ。」

落ち着かせるようにその深月呼ばれる少女に話しかける。


「話しかけないでください。ブッコロです。」


「全然通じねぇ!!!」



とんでもない新キャラクターが現れてしまった。


この情報は後から聞いた話だが、この少女…深月はバルゴのパートナーらしい。


バルゴの超絶ロリセンサーが働き、あの少女に一目惚れしたという。








そして…何故か俺は

近くの河川敷まで連れ去られた。



「ここがあなたの処刑場です。ブッコロです。」

相変わらず物騒な言葉と目つきをしながら俺を見てくる。




先ほど俺が問題発言をしてから約15分。

あの会話の後、俺はついに死刑が確定したらしい。



夕日はもうほとんど見えなくなっていて、黒い空が9割を占めている。


左手には堤防、バルゴと少女の後ろには大きな橋。


対面して俺たち3人が居る。



「え…俺…処刑されるの?」


「はい、そうらしいですね。」

「だなー!」



「な、バカな!!しかも処刑っていうのに、返しが端的!」


「アツキが問題発言をしたせいですね。」

「そういえば、ジョジョってなんだ?」


「おめぇは黙ってろ!!!」

処女の事をジョジョと聞き間違えるところにツッコミを入れている暇などない。


そんなこんなで


塾帰りの小学生(推定)が勝負を仕掛けてきた。

たたかう

バッグ

手持ち

にげる


バッグを選択。

「アリエス、追加価値(エンチャント)よろしく!」


「私はバッグ扱いなのですか!?」


「わ、悪かったよ…言葉の綾ってやつだ。」


「相手は1人なので、1人で頑張ってください。」

淡々と返される。


「え?」

俺は早速、バッグの中には何もなくなった。



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