表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/85

うそ…だろ?

俺は右脇腹に巨大な斧が直撃した。


俺の視界は左方向へ飛んでいく。



しかし

感覚が…無い。


腰から下の感覚が。


俺は力なく地面に叩きつけられる。

その視界には地面と、少し遠くに見える

アリエスたちの分身。


それを確認した後の事だった。


ドサッ!

俺の目の前に時間差で、何か落ちてきた。


(うわぁぁぁああ)

声が出せない、出ない。


視界に入るのは自分の下半身だった。


血だらけで力なく横たわる俺の下半身。


俺は死を覚悟した。



「アツキ!!諦めちゃダメ!」


遠くから透き通った声が聞こえる。

もう力尽きそうだ。

意識も…もう持たない。


と、その時!

俺の視界はアリエスの左側に変換された。


「あれ?生きて…いる?」


「良かった…成功しました…。」


「え、もしかして分身と入れ替えたの?」

俺のキョトンとした声が出てしまう。


「はい。本体があんなに無残になってしまったので、移動できるか不安でしたが…なんとか。」


そう言って

アリエスは俺の右腕を強引に抱きしめた。


「ありがとう、アリエス。君が守ってくれなかったら今頃ご臨終だったよ。」


「そうですね。感謝してください。」


「あぁ、スッゲー感謝してるよ。」


アリエスと目を合わせて

俺はお礼をした。

心からのお礼を。


「あっれぇ?まだ生きてんの?禍々見くぅん。なんでぇ?あれも分身だったのぉ?」


俺たちがそう話しているうちに

分身は数人しか居なくなっていた。


(まじかよ…まだ分身の攻撃開始から1分経ってねぇぞ。)


「お前は本物も偽物も区別できねぇのか?全くお前の目は飛んだ節穴だな。」


「ってめぇ。今なんつった?てめぇ見たいな分際が俺に勝てると思ってんのか?」

切れ始める神崎。

口調も少し変わる。


「あぁ、勝てると思ってるよ。なにせお前の目は節穴だからな。」


「わかったよ、見せてやる。俺達の力を。タウロス…出てこい。」


すると、今まで神崎の背中の部分にあった靄の部分が渦状に回転し始める。


その渦は次第に円を描きながら、ゲームのワープさながらの模様が出来上がる。


そして

その円から指が出てくる。

白い指だ。


その穴を広げるように

両手で左右に引っ張りながら

円を広げた。


大きく開口されたワープホールのようなものから、大きな足…そして胴体…頭が出現する。


でかい。


ざっと5メートル程か。


牛さながら白と黒の模様…顔は牛の形


そして、神崎に同じく…そして対象の

骸骨風の仮面を右側に装着されていた。


そのタウロスが一歩動くと、地面が揺れる。


右手には神崎の持っている斧の30倍くらいありそうな巨大な斧を持っていた。


「あ…アイツは…アイツが…」

右側で震える声を出し、開いた口を塞げないでいたのはアリエスだった。


目拳が震えている。


「アリエス…どうした?」


「…」

返事が無い。


「アリエス!!」


「あ、はい…すいません。」


「どうしたんだよ。らしくも無い。」


「あの巨大な人型の牛…タウロス。あいつが私の家族を…」


(まじかよ。)

俺は思わず喉を鳴らす。


過去の凄惨な出来事。

アリエスの家族を死に追いやった張本人。


俺はその風貌と、威圧に圧倒された。



「あれは…勝てません…もう1度…戻りますよ。」


「戻るって…時間移動?」


「そうです。今度は、私の能力を使うので」


「やめろ!そんなことしたら、お前が今度は真っ二つだ。俺はお前みたいな能力は持ってない。やめてくれ。そんなことしたら…お前が死んじまう。」


「大丈夫ですよ。良い策があるんです。信じてください。」


「おいおい、正気かよ…せめて、俺が行くから!」


「あなたが行ってしまっては、私の策が通用しなくなります。だから…私を信じてください。」


「死なない…よな?」


「死にませんよ。あなたと約束したじゃないですか。星霊祭で優勝すると。」


「分かった…そこまで言うなら、俺も信じるよ。必ず成功させろよ。」


「もちろんです!」

アリエスは最後に可愛らしい笑顔を見せてくれた。


それと同時にアリエスは移動したと思われる。


俺の視界は神崎の右手方向30メートル先に移っていた。


突如、神崎の方向から眩い光が発光する。




負荷価値(チャージメント)全開投与!!」

アリエスの右手の拳が、神崎の腰に命中する。一瞬で閃光が走るとともに、神崎が時計回りに振り向いて斧を振りかざす。


「アリエス!!!!」


俺の咆哮は、アリエスには届いているだろうか。


斧で吹っ飛ばされるアリエス。


俺は迷いなく、アリエスの方へ猛ダッシュ。

追加価値のおかげで、アリエスの飛ばされた場所まで2秒ほどで到達する。


「アリエス!!大丈夫か?しっかりしろ!!」

俺は必死にアリエスの体を揺さぶる。


「アツキ…大丈夫ですよ…作戦は…成功です。」

笑顔に力がない。


不幸中の幸いか、アリエスの体は2つにはされていなかった。


「アツキ…あの神崎とやらに勝ってください。お願いしますね。」




そう言って

そう言い残して

アリエスは目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ