目覚めた場所は
目覚めるとそこは薄暗い部屋だった。
自分は何者なのかここはどこなのかが分からない。
いや分からないというより起きる前の記憶がないと言った方が正しいだろうか。
「何なんだここは、⁉」
思ったより高い自分の声に驚いた。
「これが俺の声なのか?」
改めて声に出して確認してみる。
やはりあまりにも幼い自分の声が出る。明らかに5歳かそこら辺の声の感じだ。
俺の歳は分からないがこんなにも俺は幼っかたのか?
分からない
それでも何かをしないといけないと思い立ち上がると机がずいぶん大きく見えやはりなんとも言えない違和感を覚える。
「ん?」
机の上に何か封筒の様な物がおいてある。
取りあえず手に取る。封筒には何も書いては無く開けて確認すると中には何枚かの紙が入っていた。
俺はそれを出し折りたたまれた紙を開く。
そこには文字が書かれていた。
初めて見る文字だが不思議と読めるという変な感覚に襲われながらも手紙を読む。
俺へ
これを君が読んでいるということは、能力の成功を意味するということだ。
君は自分が何者なのかも恐らく分からないだろう。
まず初めに言っておくがこれを書いたのはお前自身だ。
「は?」
予想にもしなかったことに思わず声が出る。
そしてここに書いていることは全てうそ偽りのない事実だ。
君が今体験している状況は全て君の右手が原因だ。
その右手は『再生の右手』と俺は呼んでいるがあらゆる物を再生させ最終的には無に帰してしまうものだ。ただし今回みたいに手加減をすれば70歳から5歳まで再生させることも可能だ。
記憶が無いのもそれが原因だ。体全体を再生させる時、それまでの記憶が消えて恐らく君が覚えているのは、一般常識くらいだろう。
その後の文章は能力の説明とこの能力を使用した経緯が書かれていた。
どうやら過去の俺は何回もこの能力を使って今回と同じことを繰り返しているらしい。
この手紙を書いた俺もどうやら俺と似たようなことをされたそうだ。
こうして読んでいく内に俺の疑問も解消され大分落ち着いて来た。
最後に奥の部屋に俺からのプレゼントを置いてある。
どう使うかは君次第だ、まあ存分にこの世界を楽しんでくれたまえ。
俺より
「プレゼント?」
よく分からないがくれるというなら貰って損はないだろう。
俺は奥の部屋に行き、それを見る。
「……」
予想外なプレゼントに引きながら、それの前に置いてある手紙を読む。
この三人の赤ん坊は、右から元魔王最強の奴と元勇者最強のやつとエルフの英雄だ。
(それだけかよ!)
もっとあるだろ説明がほら、いきなり魔王とか勇者とか英雄とか出されても俺に何をしろと?
赤ん坊を目の前にして俺は倒れ込むのだった。
初めて書いてみました。
毎日更新は出来ませんがよろしくお願いします。