表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

仮面の男再び

俺の名前はフェス18歳。

今日は、弟マオの魔闘の訓練に付き合っている。

「マオまた力に任せて攻撃して来てるぞ。もう少し技を使って相手を攻めないと格上の相手に勝てないぞ」

俺はこう言っているが本当のところは、マオは格上の相手でも十分通用すると思う。それだけマオはパワーがある。ただマオは素直すぎる所があるため搦め手に弱い。そんな時、力押しになるより技の部分が役に立つだろう。

「アニキに技なんてかけても通じないじゃなか‼」

マオは少しムキになって殴る拳に力を加える。俺は、予想していたよりも強い力に驚かされたが顔には出さず、拳を流す。

 しばらく似たような攻防が続いたが先にマオが疲れて休憩にすることにした。


「なあアニキ、いつになったら姉ちゃんたちに勝てるかな?」

マオは最近よくそんなことを聞く。

マオは俺たち兄弟姉妹の中で一番年下で鍛え始めたのも一番遅かった。

マオも弱くはないが俺たち兄弟姉妹の中では、誰にも勝てない。俺は誰とも喧嘩はしたことが無いけど妹たちは、よくある。時には本気で戦うこともありマオは、エルに魔法でユウに剣でこてんぱんにされることもある。でもマオに聞くと喧嘩で勝ちたい訳でもないらしい。マオは、姉たちを守りたいのだ。俺みたいに。三年ぐらい前の事だが妹たちが大怪我をしたことがあった。マオはその時の事を今でも気にしており、後悔が大きいようだ。

「マオは強くなるさ、素質はある」

正直、潜在能力が一番高いのはマオだ。さすがは元魔王最強と言われただけある。多分このまま行けばトレースした俺よりは強くなるはずだ。

「それよりもマオ、オレが出した宿題は終わったのか?期限は今日までだぞ」

俺は一週間に一度妹たちに、算術や魔法学の問題を宿題にして出す。そして今日は、その期限が一週間後の今日までなのだ。エルとユウは、早めに終わらしているがマオはギリギリになってようやく取り掛かる。

「実は、昨日のうちに終わらせておいたんだ。エル姉が明日はごちそうを作るって言ってたからね」

なるほどな、前にマオが宿題を終わらせていない時、エルが罰としてマオだけ特製の苦い料理を食べさせていたから今回は早く終わらせたのか。

「そうか今夜はごちそうかーなら早めに切り上げてエルの手伝いをするか」

「そうだねアニキ」


休憩を終え俺たちは立ち上がると再び向かい合う。だが訓練を始める前に邪魔が入った。

 二人組の仮面を着けた男たちが殺気を向けてこっちに歩いて来るのだ。

「アニキ…敵か?」

殺気を向けられてマオが聞いてくるが俺は驚いて答えれなかった。

 殺気を向けてきた二人組の一人を知っていたからだ。

(何故あいつがここに来る?確かに記憶はちゃんと消しておいたのに。偶然か?だけど殺気をいきなり向けて来るってことは…)

そこまで考えていたところで相手が喋り掛けてきたので一度思考するのを止めた。

「やあ、初めましてこんにちは…いや黒髪の子はひさしぶりかな?まあいいや、いきなりだけど君たち死んでくれないかな」

 仮面の男は、そう言うと剣を抜く。

 そして俺が混乱しているまま戦闘が始まる。

まず仕掛けてきたのは、さっきから黙っている仮面の男だ。仮面の男は、ジャンプして俺とユウに向けて拳を振り下ろす。

 マオは右の避け俺はその反対側に避け見事に分断された。

「くそ、マオそのデカブツの相手を頼む。俺はこのノッポをやるから」

「了解、アニキ」

ちょうどいいのでマオにそいつの事を頼み、俺は未だに仕掛けて来ない仮面の男に喋り掛ける。

「さっきひさしぶりとか言ってたが、俺はお前たちを知らないぞ」

「それはおかしいですね、私は確かにあなたにあったことがありますが」



俺の名前はマオ14歳。

突然だけど俺のアニキは強い。俺は全力で殴っても軽く流してしまう。そして攻めばっかりに集中すると今度はアニキに殴られる。アニキは一週間に一度戦ってくれるがいつもこんな感じだ。

 今日もいつもと同じはずだったが変な奴が来た。そいつらが現れてすぐアニキがいつもと違う感じになった。俺が話しかけても返事がなくて何か考えごとをしているみたいだった。

 仮面の男がしゃべり始めてもアニキは黙ったままだった。ようやくあにきがしゃべったのは、もう一人の仮面の男が攻撃してきてからだった。

 俺は、アニキみたいに頭も良くないしアニキが何を考えているのかは、分からないけどアニキが言った意味は分かる。つまりこの仮面の男を「ぶちのめせ‼」。だから俺は戦う。アニキの言った通りに。


「ち、ガキが俺様のパワーを超えるだと、ふざけんじゃねー」

俺は、俺よりも数倍体の大きい奴と力勝負している。魔闘の戦いにおいて最もシンプルな戦術だ。だけどこれはパワーに自信がある者同士の相手にしかやらない戦術で、だけど俺が一番得意な戦い方だ。

 今度もマオと仮面の男が拳をぶつける。まるで空気が震えるような音と一緒に仮面の男は、後ろに少しずれる。

「力押しは、アニキに怒られるけど今回は相手も同じだしいいよね」

マオはさらに魔力を上げ相手を殴る。

「この俺様が負けるだと、こんなガキに」

「さっきからガキって、俺の名前はマオだよ!覚えとけ‼」

そこからは男は一方的にマオにやられ、仮面の男は気絶した。

「あれれ、これじゃあアニキとの訓練の方が楽しかったよ」

マオはそういうと言うとフェスが仮面の男と戦うのを見守るのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ