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後日談とユウ話

仮面の男の襲撃から数ヶ月が経った。

あのあと夜中に家を出て、仮面の男たちを能力で記憶を消して近くの村の端に捨てて来た。横には酒を置いてきたので酔って記憶が飛んだと思ってくれるだろう。

 ついでにゼクスの仮面もそこに置いて来た。仮面を取るには死ぬしかないのでゼクスが追われることは、もうないと思う。

 ゼクスだが今は、仮面の男たちを捨てて来た村とは反対側の村で仕事を探している。

俺たちと一緒に住んでも良かったが、ゼクスは良しとしなかった。今は週に一回くらいお土産を持って遊びに来る。

 マオやユウがゼクスに懐いてしまったので、少し寂しい気もするがこうやって大人になっていくんだなーとガラにもなく考えてしまう。

 後日談としては、そんなところだ。




 私の名前はユウ15歳。

突然だが私は、家族が好きだ。

弟は、昔からやんちゃで悪いこともするが、実はよく周りのことを見ていたりして、私のことを助けてくれたりする。

 二つ上のエル姉さんは、普段から無口で何を考えているか時々分からない時もあるけど、よく私が弟と喧嘩をして泣いている時に暖かいココアを黙ってくれる。

一番上のお兄ちゃんは、凄い。何でも出来て小さい頃から、できないことはないって言ってるけど本当だ。実際にできなかったことはない。それに私の剣の師匠でもある。いつも勝てないし、エルやマオにも魔法や魔闘を教えてくれる。

そんな兄弟姉妹たちが大好きだ。

ただ私たち兄弟姉妹は、親がいない。お兄ちゃんは、私たちの両親の事を知っているみたいだけどあまり喋りたがらない。でも死んだってことは、教えてくれた。会ったこともない、お父さんやお母さんが死んだと言われてもあまり悲しいと思わない。今は、種族は違うけど兄弟姉妹みんなが私の家族だ。

 最近の私は変だ。何故かは知らないけど胸のあたりがズキズキすることがよくある。大抵がお兄ちゃんのことでそれがある。エル姉さんがお兄ちゃんに抱き着いた時や、昔はなんでもなかったようなことで、胸がズキズキする。

 お兄ちゃんに、聞いたら心配するからたまに家に来るゼクスさんに聞いてみたこともある。

 ゼクスさんは「お前それは……いやなんでもねー」知っているみたいだったけどなんやかんではぐらかされてしまった。ただ「そのことは嬢ちゃんがもう少し大人になったら分かると思う」と言われた。結局は、よく分からないけど今はあまり気にしないようにしている。


 私がいつものように剣の素振りをしていたら、そいつは来た。

奇妙な仮面を着けた四人組。昔ゼクスさんが、着けていた仮面に似ている。

 (ゼクスさんの知り合いかな?)と最初は思った。だけど昔お兄ちゃんが言っていたことを思い出す。

「いいか、エル ユウ マオ仮面を着けている連中をみたらにーちゃんを呼ぶか逃げ出せよ」

そんなことを言っていたのを思い出し少し警戒する。

 四人組は、私を見ると立ち止まり声をかける。

「やあ、ここら辺に黒髪の20歳くらいの男は住んでいるかい?」

(お兄ちゃんのことだ‼)

私はとっさにそう思った。

ここら辺の村に黒髪の人はいない。それにお兄ちゃんに以外の人は見たことがない。

私はどう答えたらいいか分からなくて黙ってしまう。

「あれ?そんな難しい質問だったかな?」

何か言わないと、と思い

「知っていたらなんだって言うんですか?」

焦っていたのでわりと強く言ってしまった。

「うん?目上の人には、丁寧な言葉使うべきだよ。それが初対面の人ならなおさらね。でもいいよ、答えて上げる。ぶっ殺すためさそいつを‼さてそれで黒髪の人を知っているのかい?」

「それを本気で言っているのなら教えるわけにはいけません」

私は改めて剣を構える。剣と言っても今は木刀だ。

「剣士か、なら俺がいこう」

今まで後ろにいた剣を持った仮面の男が出てきた。

「僕たちは先に行くから早く来てね!」

剣士の仮面の人を置いて三人が私の家の方向に行こうとする。

「待って‼」

私が止めようとすると剣士の仮面の人に止められる。

「お前の相手は俺だ」

私は、男のただならぬ雰囲気に、足を止める。恐らくだけどこの人お兄ちゃん並みに剣術が得意?

だとしたら私の勝ち目は低くなる。

 ただお兄ちゃんは、いつも言っている。不可能ってのはない。ただそれはにーちゃんだけにかかわらずみんなに言えることだ。だいたいのことは、頑張ればできる。

っとだから私は、頑張ってみることにする。


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