ある巫女達の死闘・2
私の居場所はどこにもなかった。学校へ行けばいじめられ、家に帰れば暴力を振るわれる。全てを捨てようとも思ったが、そんな勇気は小さい私にあるはずがなかった。毎日をただ無駄に消費していく、人生という名の大きな流れ作業、右から来たものをただ左に流すだけ。自分のいる意味はあるのかと思うようになり苦しんでいるだけ。死んでも生きても変わらない、それだけの価値しか私にはなかった。そんなある日
「全てを捨てる勇気はあるかしら。」
女がそんなことを言った。私は全てを捨てる勇気は持ち合わせていなかったが、全てを捨てたいと思っていた。
初めてこっちに来た日、人里で迷子になり、こけて泣いてる私を助けてくれた里の人々。あの時は人の温もりが本当に存在することを知った。もう芽生えることはないと思っていたこの感情。あの人が来てからなおさら胸のドキドキが多くなった。何となく、何となくだけど気になり始めている。なぜか、今日初めて会った気がしないわ。今が楽しくてしょうがない。はやくこの闘いを終わらせたい
ひたすら攻撃だ。あたいの炎で燃やして燃やして燃やしまくる。厄介な敵に当たっちまった、攻撃しても死体を喰らって回復するとは…と言っても周りの死体はそろそろ底を尽きる。そうなればあたい達の反撃開始だぜ。
「うおっ!?」
死体を喰らい終わったら急に凶暴になりやがった。まさか、今の今まで標的が死体に向いていただけで、あたい達に襲いかかってきているわけではない?ただ純粋に食べるためだけに…?つまり死体がなくなった今、食えるのはあたい達だけ、くそっ、面倒だな。でも避けられないわけじゃない。
「想夢」
「………」
想夢?あいつなにぼーっとしてやがんだこんな戦いの中。
「ちぃっ、くそ、想夢!」
「想夢!」
その呼びかけではっとした。妖怪が私に向けて大きく口を開いている。
「しまっ…」
ここで減速するより、抜け切ったほうが安全だ。想夢の瞬間最高速度は音速を超える。身体に結界を纏うことで音速による自分に対するダメージを無くしている。想夢の唯一の結界を使用した技と言える。
後頭部とも言える場所から、血が一斉に吹き出す。あたいはただただ、見ていることしかできなかった。




