表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

8人目の手記

作者: 鷹真
掲載日:2013/12/18

それは良く晴れた、とても暑い夏の日の事でした。

僕は、あるサークルの仲間8人でとある海岸に遊びに行きました。

他愛もなくふざけて、はしゃいでいたと思います。

そして、瞬く間に日が落ちました。

明りの無い海。

月も星も無かったと思います。

真っ暗です。

暗黒の闇に呑まれてしまったかの様でした。

暗い中を全員で歩きました。

無言でした。

何故でしょう。先程まで、あんなにはしゃいでいたのに。

無言のまま、歩きました。

目的地は、誰も解らなかったと思います。

いや、当てもなく歩いたというよりも、呼ばれたんでしょうね。

皆、無言で同じ方向に歩きましたかえら。

暫く歩いて行くと、囁き声が幽かに聞こえてきました。

僕らではありません。

よく目を凝らしました。すると・・・。

そこには、7人の男女がいるではありませんか。

奇妙です。

7人は、一列に並んでいるではないですか。

しかも、7人の年代はバラバラ。

一列に並んで、皆、互いに貌を向け合っている者はいないのです。

それなのに、楽しそうでした。いや、楽しそうだと思い込んでいたのです。

その時僕は、頭の中に靄が掛かって、ふわふわと酩酊した気分でした。

泡立つ全身の肌も、海の夜風が冷たいからかと思っていたのです。

そうして、一歩また一歩とその7人に近づいて行きました。

近づくにつれて、足は重くなって、頭の靄も濃くなっていきました。

すると、仲間のうち1人が急に泡を吹いて斃れました。

先頭を切って、7人に近づいて行った奴です。

何故か僕らは、誰一人として慌てませんでした。

それどころか、何も感じなかったのです。

斃れた一人は、ピクピクと痙攣して、直ぐに動かなくなりました。

そして、気がつくと、7人の一番後ろにいました。

不思議です。

7人の後ろに1人が並びに加わったのに、やっぱり7人しかいないんです。

いつの間にか、1人がいなくなってました。

前の6人は、手を叩いてます。

楽しい事でもあったのでしょうか。

変な感じです。

不思議に思っていたら、次々に仲間が斃れて、

気がつくとやっぱり列の最後尾に並んでいるんです。

7人目の仲間が列に加わった時、仲間たちだけの列になりました。

皆、手を叩いて、喜んでいたのでしょうか?

でも、やっぱり変です。

僕は、その違和感に気がついたのです。

そう、みんな、裏拍手をしていたのです。

僕は、最後に残されました。

なんだか寂しくなったので、僕も列に加わろうと思いました。

でも、僕の意識は、途切れました。


僕は見知らぬ部屋にいます。

白い壁に囲まれています。

僕らは、ここから出られません。

出してくれないのです。

1部屋にぎゅうぎゅうに詰められています。

僕がこの前、先生に狭いと文句を言ったのですが、

全然解ってくれません。

ただカルテに書き記しているだけなんです。

職務怠慢です。

今度は、皆で文句を言ってやろうと思います。

でも、皆は乗り気じゃないみたい。

誰も話をしてくれません。

僕をじぃと見つめているだけです。

僕が寝ているベットの脇で、一列に並んでね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ