06☆:タツオに首ったけ
さあ、6☆目が開幕です。
〜青春、それは、ふれあいの心。
「リョウタくん、本計画の要点を発表せよ」
カズヤの指揮のもと、我々は決死の戦いに挑む。
男の・・・、一世一代の・・・、大勝負だ。
「はっ、我々は野流満泥キャンプ場に上陸し、テントを設営します」
「ここが腕の見せ所だな・・・」
これを聞いた男たちの目の色が変わり、唸るように呟いた。
「はい、ここで水汲み、薪の調達、調理の準備をうまくできるかどうかが・・・、各自の今後に影響すると思われます!」
「よろしい、そして皆が気になる日にちだが。」
僕に代わりカズヤが説明を始めた。
皆、息を呑む。
「D‐Dayは来月の6日だ。心しておけ」
作戦会議はおわり、僕らは解散した。
某月6日・・・、ついにこの日が来た。
男どものメンバーは、リョウタ、カズヤ、タツオ、男子生徒A、男子生徒Bだ。
一方女子のメンバーは、中村さん、女子生徒A、女子生徒B、女子生徒C、風谷さんだ。
風谷さんは人数調節のための補充要員である。
また風谷さんのスペックは未知数である、期待はしていない。
僕らは無事キャンプ場に到着し、自己紹介を始めた。・・・女子生徒達と男子生徒達の紹介が始まる。
【省略】
終わる。
そして中村さんの自己紹介だ。
「さすがは我らのクラスを代表する美少女だ。格が違うぜ・・・」
カズヤはうっとりと見つめている。
―見すぎー!見すぎだよ!次はアンノーウンの風谷さんだ。
―これは予想GUYだぜ!美しい!
「その者青き衣をまといて金色の野に降りたつべし・・・!」
―あれ、こいつも?
こんなこんなで僕達の戦争は始まった。
僕は、残念ながら地味な水汲み。
縁の下の力持ちの自己犠牲の格好よさのモテっぷりを・・・。
一方、カズヤは自慢の料理を奮っているようだ。
悔しいが様になっている。
そういえばずっと触れていなかったがタツオは何をしているのだろう。
僕は辺りをキョロキョロ見渡す。
―いた!
タツオは女の子全員に囲まれて、楽しくおしゃべりと洒落こんでいる。
―I hate YOU!(タツオが憎い!)
―I loved YOU!(愛したのに!)
「お兄さんって名前何ていうんですかー?」
「ボォンド。ジェームズ・ボォンド」
料理が出来てきました。
タツオは始終座っていた。
タツオはアメリカの騎兵隊がかぶる帽子とサングラスをかけてこう呟いた。
「この匂いは他にない。朝のナパームは格別だ
」
―誰のコスプレだよ。
あんなこんなでキャンプは終わった。
「タツオさんて面白い人だねー」
と女子たちは口を揃えて言う。
―マジで?
意外なことにタツオは好印象だった。
―じゃあ、僕もタツオを見習って・・・。
「あいつはとんでもないものを盗ん・・・」
「でも彼氏にはしたくないよねー」
「うん、無理だよねー」
―ですよねー。
ありがとうございました。




