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10☆:Never Catch Me If You Can

もうすぐ終わるから、責めないで。

〜家に忍び寄るなぞの影。



「自宅か、何もかも皆懐かしい」

夜、家の前に立つ影があった。

暗さのためシルエットしか見ることが出来ないが、その人影の人物はマスクをしているようだった。



僕は外に出た。

コンビニに夕ご飯を買いにいこうと思ったからだ。


24(トゥエンティーフォー)というコンビニにやってきた僕は、ミートソースボロニア風というスパゲティを買い、温めてもらってからコンビニを出た。

スパゲティが冷めるまであど24分。


「あざーしたー」

と店員の声を背中に受けてコンビニを出る。


するとコンビニの外に誰かが立っていた。

真っ黒の鎧を着た、ジャアイアン卿がそこに立っていた。

―やばい!

僕は走って逃げた。


道の先には真っ白の鎧の兵隊が立って検問をしている。


僕は兵隊がいる道を避けて走った。


今日に限っていたるところに兵士はいる。

―ここにもいる!


僕は気が付いたときには空き地に追い込まれていた。

土管が数本並んでいるだけの空き地だ。

土管に入ったら別の土管から出てこられると思って試したが無駄だった。


「おまえを危険な存在だと皇帝が言っている」

ジャアイアン卿はゆっくりと近づいてきた。

そして腰に差していた棒、いや刀のようなものを抜き、構えた。


僕に武器はない。

―もうおしまいか!


その時、頭のなかにタツオの声が響いた。

「リョウタ。フォースを使え」

―ありがとう、タツオ!


その時、ジャアイアン卿の刀が振り下ろされる。

僕はスパゲティの入った袋からフォークを取り出して間一髪でそれを受けとめた。

「これが噂に聞く蟲の皮のフォークとはこれか」

ジャアイアン卿は少し間合いをとって言った。


僕はフォークでジャアイアン卿の刀を受けとめていく。

しかし防戦一方だった。


次第に追い詰められていく。

「なぜ降伏しない」

ジャアイアン卿は僕に問い掛けた。

―くそっ!


「お前は父さんを殺した!」

「違う!」

僕のフォークは弾かれて、僕は絶体絶命のピンチとなった。


僕は剣を向けられ、身動きがとれない。

ジャアイアン卿はマスクで籠もった声で言う。

「私はお前の父だ!」


「嘘だ!」

夜の街に僕の声が響いた。

「私と共に皇帝を倒そう。そしてリョウタよ、あの栄光の星を目指そう!万の星だ!」

ジャアイアン卿は光り輝く星を指差していった。



僕はいつのまにか集まっていた兵士達に拘束され、連れていかれた。


空き地に置き去りにされた、スパゲティはすっかり冷めていた。


始めからこんな話を作る気だったんだろうか・・・?

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