第五話 突然の訪問者!!
ドアを閉めた後もみおはしばらくの間ドアに寄りかかってぼーっとしていた。
「明日からも大変なんだろうなあ・・・」
みおは決してそらを嫌ってはいない。むしろ好いているのだ。ただそれが異性に対する感情ではないというだけのことだ。
そらとは物心ついた時からの知り合いだった。
会ってすぐから二人は仲が良く、両家の親同士は安心して二人を見守っていた。ケンカをしても親が介入する必要もなく自然と仲直りしている。本当に相性はよかったのだ。
少し思いふけっていたみおは時間の経過を忘れていた。今は午後の4時。朝慌ててたため何も食べていなかったためすでに空腹の限界だった。
(今から食べたら中途半端だしなあ。いっそ一回寝ちゃおうかな・・・)
そう思うと急に眠気が差してくるから不思議なものだ。
そしてみおはベットに倒れこみ目を閉じた。
(最近忙しすぎたからな・・・少し休もう)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「今何時?」
外はすでに暗くなっている。
「今は・・・8時か・・・」
さすがに朝のように寝坊はしない。
半分寝ぼけたままリビングに向かう。
「ん?・・・!!だ、誰かいる!?」
みおは今一人暮らしをしているのだから、本来誰もいるわけがないのだ。しかし台所のほうからは確かに人の話し声と、水の流れる音が聞こえる。
みおはゴクリとのどを鳴らした。そして覚悟を決めて、おそるおそる近寄った。
「!お母さん」
「あら、みお起きたの?」
「な、なんでいんの?」
「まあ。せっかく帰ってきたのにそんなこというなんてお母さん悲しい!」
「ってそれよりも!・・・もしかしてお父さんきてるの?」
「いいえ。今回は私だけよ。ほら、今お父さんと電話繋がってるわよ?・・・お母さんとお父さんも昨日の夜繋がったけどね。きゃっ!」
のろける実の母は無視して電話をとる。
「お父さん?」
『お、みおか?久しぶりだなあ!今すぐにでも会って抱きしめてやりたいよー。・・・まあお母さんのことは昨日抱いちゃったけどな』
何も言わずに電話を切る。なんなら今すぐ折ってやりたいくらいなのだが、さすがにみおもそこまではしない。
「あんたらはいつまで経ってもバカ夫婦だな」
「ま!そんなバカだなんて、みおちゃんひどいわ!」
はいはい、と受け流しながらみおはソファに
座る。
「あと十分したらご飯できるけど食べる
でしょ?」
「あーうん。もうお腹ペッコペコだよ」
みおの母親の名は葵。そして父の名は
広輝。二人とは別々に暮らしている。
それは葵と広輝はペアを組んでいるプロの記者で日本中にとどまらず、世界中を飛び回る忙しい生活を送っている。
だから、みおは一人暮らしをしているのだ。
忙しいとはいえ、さすがに何日かは休みがあり、
その度にこうしてもどってくるのだ。
「はい。できたわよ」
「やったー!お母さんの手料理久しぶりだなあ!」
みおも料理は得意なほうだが、それは葵から学んだものであって、やはり本家にはかなわない。
「ねえ、みお」
「ん?」
「最近そら君とはどーなの?」
「ブーーーっ」
「ま、汚いわよぉ」
あまりの不意打ちにみおは食べていたものを吹き出してしまう。
「まあそのリアクションは何かあったのね?」
「!べ、別に」
「ま全部知ってるんだけどね」
そう言って葵はケータイを見せてくる画面に映っているのはメールでその内容は
『葵さんの大事な娘さんはいただきますよ?
でも今日告って振られちゃいましたけど(笑)』
送信元は・・・言うまでもないだろう。
「それにしても振るなんてね〜お母さんなら大歓迎よ?」
「はぁ~。そんなこと言ったらお父さん怒るよ」
「きゃっお仕置きされちゃうわ!でも夜のお仕置きなら大歓迎よ?」
「あんたは何歳だ!!」
「って本題にもどすわよ」
ちっ!とみおは舌打ちをする。うまく話をそらすことを狙っていたんだろう。
「好きじゃないから振った。ただそれだけ。」
「でも付き合ってみようとか思わないの?」
「中途半端な気持ちで付き合えないもん。」
「まったくー。変なとこ完璧主義なんだから」
へーへー。と受け流す。どうもみおはこっちのほうには気が乗らないらしい。
夕飯を食べ終え、後片付けをする。
「悪いわねぇ片付けしてもらっちゃって」
「いいよ、夕飯のお礼」
「じゃお礼の追加で一緒にお風呂はいる?」
「却下。」
「即答⁉・・・じゃあ一緒に寝る?」
「それも却下!」
「きゃーん葵ちゃん寂しーい」
「はいはいかわいいから先お風呂入ってきなよ」
「ぶー!つめたーい!」
ブツブツ言いながらも風呂場に行ってくれたようだ。
(私もお母さんくらい素直になれたらいいのにな)
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「みお!」
「ふぇ?あ、お母さん」
「あんたまた寝てたの⁉よっぽど疲れてんのね・・・。今日はもう寝て明日朝シャワー浴びて行きなさい?」
「うん・・・そぉするう」
(ホント眠そうな時のみおは兵器並にかわいいわね・・・。)
十人十色、隣の芝生は青い、とはよく言ったものである。




