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第三話 一夜明けて・・・

「んー今何時・・・・・・ってえぇぇぇ!!」


みおが起きたのは朝6時55分。これから登校しても普通に間に合う時間帯なのだが、普段よりは一時間も遅れている。


(あいつのせいで目覚まし時計買い忘れたー)


昨日あの後みおはぼーっとしたまま気づいたら家に着いていたくらい気が動転していた。なにせ彼女にとっては初めて受ける告白、それも兄妹のように接してきた幼なじみからだ。


あまりに憂鬱過ぎるので今日は学校サボろうかと考えていたそのとき


『プルルルル、プルルルルル』


携帯に着信があった。相手は・・・今みおが最も避けたい相手からだった。

恐る恐る電話をとる。


「もしもし?」

『もしもし、みおか?どうした具合でも悪いのか?』

「まぁ確かに悪いね、あんたのせいでね!」

『ホント?じゃあ責任とって看病しに行ってあげようか?』

「くんな!不快の極みだ~!」


ブツっと電話を切る。

このままではほんとうに来かねないので今から

でも行くことにした。


(あーもうホント嫌んなる!)


電車にのってる時も歩いている時も、ずっとブツブツつぶやいている。さすがに断ったのだからこれ以上何かは無いと思うのだが、しばらくはめんどくさそうである。


(はぁ責めてこのことが誰にも知られてなければいいな)


淡い期待を抱いて教室の戸を開く。

するとクラス全員の視線が集まった。そして次の瞬間には歓喜の声がクラス中に響く。


その期待は一瞬で打ち砕かれたのだ。


「「「キターーーー!!!」」」



「みおっち!そら君に告られたってほんと!?」

「みおちゃん!ついに進展が!?」


前者が真央で後者が秋人である。

みおはやっぱ来るんじゃなかった、と後ろを振り返り帰ろうとしたのだが、それは遮られてしまった。・・・そらに。


「お、みお来たんだ?今から会いに行こうと思ってたのに。」


「「「キャーーーーー!!!」」」


「てっめえ余計なことしやがって」

「ん?照れてるの?可愛いな」

「!っ照れてない!」


さすがモテるだけあって慣れてるのか、そらは余裕の表情だ。けれどみおはそう行かない。


「「「さっそくイチャイチャしてる!」」」


けれどクラス中はヒートアップするばかりだ。


もうみおは我慢の限界だった。


「てめえらいい加減ギャーギャー騒ぐんじゃねえ!!」


騒ぐんじゃねえ、じゃねえ、じゃねえ、ねえ・・・。

みおの声が響き一瞬にして静まり返る教室。


「・・・みおっち?」

「・・・真央ちゃん私もう帰るね」

「ちょっみおちゃん!」


みおは力なく秋人達に笑ってみせたあとに一気に走り去っていった。


秋人達は見逃さなかった。みおの目に溜まっていた涙を。


そしてまた教室にざわめきが戻る。


「あの笠原さんがこんなに怒るとはね・・・」

「普段大人しいほうなのにね」

「大和くんに告られたからきっと嬉しくて頭が混乱してるだけよきっと。」

「たしかにあんなイケメンに告られたら、嬉しくってジッとしてられないもんねえ。」


クラスの何人かが気の利かないことをつぶやく。


そのときバンっと教室の前から音がした。

前に立っているのは秋人と真央。二人とも険しい表情をしている。


「あんさあ、おまえら無神経過ぎるんじゃねえの?」


秋人の普段の様子からは想像できないような声に背筋がブルっとし、何もいえなくなる。


「みおっちはこういう恋愛慣れしてないの。

それなのに囃し立てるようなことして・・・」


続いて口を開いた真央の声でクラス全員に冷静さが戻る。


「俺たちはいまからみおちゃんのこと追っかけるから。お前たちも明日謝れよ。」

「私も少しのっちゃったからあまり偉そうなこと言えないけど、みおっちの気持ち考えてあげて」


そう言って二人は教室から出て行く。


しばらく硬直していたそらはやっと覚醒した。


「待って、俺もいくから!」


「そら君バカ?」

「いまおまえが行ったらみおちゃんもっと混乱するに決まってるだろ?」


二人にそう言われ、そらは何も言えずにただその場に立ち尽くした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はあ、やっちゃったな・・・」


みおは今高校近くの公園のベンチに座っていた。


みおはきれた事は後悔していない。それよりも泣いてしまったことに自分の弱さを感じていた。


いくら頭がパニックで少し弱くなっているとはいえ、こんなにあっさり泣いたことは無かった。


「明日からまた気まずいなぁ・・・」







「・・・・・・ん、ちゃん、みおちゃん!」


「ん?あ、あれ鈴木君に真央ちゃん?」

「あ、起きた!」


目の前にいたのは本来学校にいるはずの秋人と真央だ。時計を確認するとさっきから一時間程経っている。


(ああ、寝ちゃったのか)


目をこすって眠気を覚ます。すると、真央がみおに思いっきり抱きついた。

みおはそこまで背は高くないが、真央は150センチくらいしか無いので胸の中に収まる。


「ゴメンねーみおっち!」

「ま、真央ちゃん。」


「ゴメン!ホントゴメン!まさかみおっちが泣くなんて思ってなかったから。」


「!泣いてたのばれてたのか・・・」

「あたりまえじゃん!だって私たち親友だよ!」


二人は抱き合って真央は泣きそうになりながら、みおはそれをなだめるようにしている。


「おーい俺のことわすれてない?」

「あ、秋人君いたんだ。」

「ひっどー!・・・それと、真央はこっち」


秋人はみおに抱きつく真央をほどいてギュッと抱きしめる。


「かわいい・・・。大好きだよ、真央」

「秋人・・・私も」


二人は唇をかさねる。


「あのさぁラブシーンのところ悪いのですが、見てるこっちが恥ずいのでそろそろやめてくださーい」


どこでスイッチが入ったのか軽く暴走ぎみなバカップルにストップをかける。


「あ、ゴメンみおっち」

「いやー泣いてる真央が可愛すぎるからつい」


(スイッチそこか・・・ってそれより)


「二人とも学校はいいの?」

「「親友のほうが大事!」」

「あ、そうですか・・・」


二人の息の合ったコンビネーションに半分感心、半分あきれるみお。


「今日はもうみおちゃん帰ったほうがいいよ」

「うん。私達も帰るからさ。みおっちも一緒に帰ろ?」

「真央はこのまま俺ん家な」

「きゃっ秋人のエッチ!」


「・・・・・・。」

「「みおちゃん(みおっち)視線が冷たいよ」」


その後もいちゃつくバカップルをみて悩むのがバカらしくなったみおはどこかスッキリしたようだった。

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