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第二十二話 君がいれば。


みおは学校に連絡をいれた後、近くの公園に来てブランコに乗っていた。


普通ならただ座って俯くところだろうが、なにせみおは普通じゃない。


うさばらしにと全力でこいでいたのだ。



「きゃーー!!」


(風が気持ちいいなあ)


と絶叫しながらこいでいると視界にそらの姿が映る。


そらと目が合うと近づいて来た。みおもスピードを緩めて飛び降りた。


「ふふ、笠原さんって面白い方なんですね。

「・・・はは。」


そらはあくまでも演技を続ける。


みおはそんな風に今までと変わらぬ笑顔を見て思わず胸が苦しくなる。



二つの線は交わらない。


「今日は高校には行かないんですか?」


「サボったから。そっちこそ絶対安静じゃないの?」


「あはは。僕もサボっちゃいました」


「何それ」


二人で笑いあう。

そして


「じゃ、笠原さん僕もう行きますね」


みおはもう限界だった。


そらの後ろ姿に抱きつく。


「やめて。笠原さん、なんて呼ばないで!」


そらの決心も揺らぎ始めてしまっていた。

けれどそれをグッと飲み込んで


「すみません。僕なんにも・・・」


「みおって呼んでよ!いつもみたいに!」


「・・・。」


「・・・ゴメン。引き留めて。じゃあね」



みおももう後ろは向かない、と心に決めようとした。


けれど後ろでつぶやかれた言葉がそれを止めた。


「未だに鳴らぬ音・・・」


みおの名の漢字を知ってるのはこの世で三人

母親、父親


そして・・・そら。記憶を失っていない、

十七年間の時を共にしたたった一人の幼なじみだけだ。



後ろから包み込まれるかのように抱きしめられた。


「大好きだよ未音」


「青空・・・。青空だよね?」


「ゴメン未音。俺バカだった。」

今度は向きを変えて正面から抱きしめる。


「俺、未音のことずっと一生守るって決めたのに・・・。」


そしてすべて話した。あの女子のこと。そして演技をしてたこと。


「ホンットそらってバカ!!」


「う・・・ゴメン」


「私はそらがいなきゃ不幸なんだよ?それなのに・・・ホンットバカ!」


しゃべろうとしたそらの口をみおがふさぐ。



「二人でならどこまでも、いつまでもずっと一緒にいられるんでしょ?」


「・・・うん」


「じゃあ私をずっと守ってよ。私も・・・

ずっとそらを支えるから。」


「それってプロポ「違うよ?」」


「みお。約束する。だからずっとそばにいよう」

「それはプロポーズじゃないよね?」


「うん、まあそれでもいいんだけどもっと改まった場で伝えるよ」


二人でまた向き合う。


お互いに見慣れた笑顔だ。


そしてまた唇が重なった。


今ここに二つの線が交わった瞬間だった。

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