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第十九話 いつまでも、どこまでも。

更新が今回かなり遅れてしまいました・・・

ホントにすみません(泣)

それでも読んでいただければ嬉しいです。


みおはまず自分から変わっていくことを決意する。


手始めに眼鏡をやめてコンタクトに切り替えた。


「みおどうしたの!?」


十数年一緒にいた彼氏兼幼なじみのそらからはずいぶん驚かれた。


「変・・・かなあ?」

「!全然っいっつも可愛いけどそれにも増して可愛いよ!」


「なんかちょっとひくけどまあよかった」

「ひどっ!素直に言ってあげたのに!」


「はいはいありがとー」

「雑っ!」


最近あまり人目も気にせずに二人は騒いでいる。


そしてそれを見守るみおたちの親友二人。


「みおっち最近すっごい可愛いねえ」

「みおちゃん元がかなりレベルが高いからね~。恋をすれば人は綺麗になるって言うけどこれはホント具体例って感じ」


「秋人浮気しちゃダメだよ!」

「バカだなあ真央は」

「ひどいよ・・・」


真央がうつむく素振りをするより先に秋人が真央を抱き寄せる。


「たしかにみおちゃんは可愛いよ。でもね真央より可愛いやつは全世界を探してもいないよ。」

「秋人・・・」


そして二人はキスをする。



そんな風景を朝から繰り広げているのだが、何気に一番辛いのは同じクラスメート達である。


同じクラスに超熱々カップルが、しかも二組もいるのだから同じ空間には居難くなるのも自然なことだ。


みおにはもちろんそんな気ないのだが。




なんとか日常生活を送ろうとしているみおだが、やはりストレスが溜まってくる。


最近はまだ前よりもマシになって教科書が破られたりすることはなくなったが、まだ間接的ないじめは続く。


ありもしない良からぬ噂を立てられたり、しかもそれがそらや真央達にばれないように行われているのだからずいぶんと仕組まれている。


それを誰にも不安も愚痴も漏らさずにいるのだからみおも辛くはなってくる。

けれど純菜や琴美の提案を断って自分で決めたことなのだからと責任感と負けず嫌いな性格が働き、そしてそれが裏目に出て自分の首を絞めてしまっている。




「みお?聞いてる?」

「ん!へ!?」


帰り道いつも通りそらと一緒なのだがどうしてもそのことを考えてしまい心ここにあらず、といった状態だ。


「もー最近なんかおかしいよ?」

「そ、そんなことないよ。少なくとも普段のそらよりはね。」


「んーそう?ならいいけど・・・」


思わずばれてしまいそうになったがなんとか回避でき、ホッと胸を撫で下ろす。


けれどいっそばれてしまえばよかったと思っている自分がいて、どんどん頭の中がこんがらがるばかりである。






家に着くなりすぐにベッドに倒れこむ。


「私はどうしたいの?西森君が言うとおり、ホントはそらに言っちゃえば楽なんだけど」


自分の気持ちに整理ができず、誰もいない空間でつぶやく弱音。最近回数が増えてきたそれは静寂の中へと溶けていく。




「うわ、朝から最悪な人に会っちゃったよ」

「ちょっと~聞こえちゃうよ~」


そんな風に言われることも最近は少なくない。みおはなるべくそんな声を聞かないようにして冷静を装い、無視して通り過ぎるのだが


「えー何あの態度ー。自分が言われてるって気づいてないのぉー?」

「声おっきいってば~」


二人の女生徒は大声をあげて笑っている。


「なんかむかつくなあ、・・・それ!」

「!」

「あ、ごっめ~ん」


カバンをぶつけられ、態勢が崩れそうになるのをなんとかこらえる。

そしてまた歩き出す。



「ちっ!・・・これならどう・・・よ!」


今度は完璧にぶつかられ、思わず階段から足を踏み外してしまう。


「キャ!」


踏ん張ろうとしたときにはもうすでに手遅れだった。抵抗する術をなくしたみおはそのまま階段から落ちる。


「うわ!やっばいやっちゃった!行こ行こ!」

「逃げよ逃げよ!」


二人の女生徒は走り去って行った。


「くっ・ ・・・」


かろうじて意識はあるものの自力では立てそうになかった。朝も早く運動部はいるものの朝練中なため誰も通りかからない・・・


「みお!!!」

はずだったのだがなんともタイミングよく王子様が現れる。


「大丈夫!?」

「そら・・・。あはは・・・ちょっと転んじゃって」


「立てる?」

「ちょっと無理みたい・・・」


「ホント!?・・・・・・とりあえず保健室行こう!」


そらはみおを横抱き、いわゆるお姫様抱っこをして保健室へと連れて行く。


「失礼しまーす!・・・やっぱまだ先生はいないか・・・」


保健室の鍵は常にかかっていないのではいることは出来るのだ。


「とりあえずベッドに横になって」

「うん、ゴメンねそら」

「何言ってんだよ、今日は朝練休むから大丈夫だよ」

「うん、ホントゴメン」


「・・・なんで転んだの?」

「えっといつもの貧血で・・・」


「ホント?」

「う、うん」


「・・・・・・嘘」

「え?」

「みお、嘘でしょ。ホントは落とされた、んじゃないの?」

「!見てたの?」


「スパイク取りに行って見かけたから声かけようとしたら・・・ね」

「・・・。」

「だいぶ前からだよね?」

「それも知ってたの!?」


「当たり前じゃん何年一緒にいると思ってんの?・・・・・それにどうして」

「?」

「どうして俺を頼ってくれなかった!?」

「そ、それは・・・」


「迷惑だから、とかって言うのか!?むしろ言ってくれないほうが迷惑だよ!」

「そら・・・」


拓也が言ったことは正しかった。

そしてそらはみおを抱き寄せる。


「みおが辛いときには力になりたい。どっちかが辛いときには二人で支えあえばいい」

「・・・。」

「そうすれば・・・いつまでだって、どこまでだって、ずっとずっと二人でいられる」


みおの目からは一粒のしずくが落ちる。

人前ではあまり泣かないみおなのだがそらの前では何度泣いたことだろうか。


「未音。大好きだから」

「けて・・・」

「ん?」

「も、う、限界だ、から・・・辛かっ、たから・・・助け、て青空・・・」

「うん。もう大丈夫だからね。ありがとう」



今まで溜め込んでいたものが全部出ていった日だった。みおは思った。そらがいれば、本当にできないことなんてないんじゃないかと。

若干終わりが見えてきました・・・。

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